旅を通して、子どもは大きく成長する
家族で一緒に楽しめる「旅育」
旅育とは
「旅育(たびいく)」とは日常生活から離れ、旅行を通して家族でいろいろな体験をし、子どもの心身の成長を促すというもの。教育的観点を取り入れながら、家族で一緒に楽しんでいくものです。
普通の旅行とは違う「旅育」ならではのポイントを押さえて、家族みんなで旅のアレンジをしていきましょう。
Point1:旅の目的を考える
観光地めぐりだけが旅行じゃない
同じ時間の共有を楽しむ
家族旅行のメリットのひとつに、時間の共有が挙げられます。その場でリアルな体験を重ねていくことは、家族一緒の思い出を刻み、子どもの心を豊かにしてくれます。
たとえ、毎年、同じ場所を訪れたとしても、子も親もそれぞれ年を重ね、考え方や取り巻く環境が変わっていきます。
ですから、その場、その一瞬を共有できることに感謝し、それを子どもと一緒に言葉にして表しておくと、考え方の成長を感じることができるようになるでしょう。
子どもの興味や関心を深める
旅をしていると、日常生活では見えていなかった子どもたちの興味・関心に気づくことがあります。また、子ども自身も、非日常的な体験や、いつもとは違う場所にいることを通して、新しい関心が芽生えることに気づくことがあります。
子どもたちが興味を持っていることを感じたら、親はしっかりとそれを深めて、さらなるステップへと導いてあげましょう。
Point2:準備段階から一緒に楽しむ
地図で、場所を確認する
旅行は子どもたちの地理的な感覚を養うのに適しています。大人でも場所の感覚は案外曖昧なもの。この機会を生かして、自分の家、旅行先、そしてアクセス途中の道のりなどを確認していってみましょう。
地図を眺めて、場所を知っていくと、毎日のニュースで流れる地域名にも敏感に反応できるようになりますよ。
歴史的な背景や、文化的遺産について知る
自然や季節から学びも、大切に
無理のないスケジュールで考える
「旅育」だからといって、あれもこれも詰め込むのは良くありません。子どもが疲れてしまって、必要なところで集中力を発揮することができなくなってしまいます。
子どもの年齢に合わせ、余裕のあるスケジュールを組み立てておくことが非常に大切。旅の行程すべてが学びにつながります。スポットを巡るだけが重要ではないと、親がしっかりと認識しておきましょう。
Point3:責任ある役目をお願いする
地図で、今いる場所を管理する
旅行中、子どもたちにはそれぞれに役割を与えるようにすると、子どもたちは自分の役割を全うしようと頑張ってくれるものです。
地図の管理をお願いするのもいいですね。上下左右、東西南北への感覚が鍛えられます。スマホ世代のGPSに慣れ切った親も、その場ではいったんスマホは鞄にしまって、一緒に紙の地図で確認するように心がけましょう。
記録写真を撮影する
最近はスマホのカメラも優秀ですが、子どもに写真撮影をお願いするなら、キッズ用のデジカメを一台用意してあげると気分が盛り上がります。キッズ用のカメラは子どもの手に馴染む大きさであったり、防水機能がついていたりと、子どもが使いやすいように作られていますよ。
子どもの目線で撮った写真は、大人には考えられないような斬新なものがたくさん!親にも新しい気付きを与えてくれます。
スタンプ帳やパンフレットを持たせる
Point4:本物を見る目を養う
五感をフル活用して、本物を感じる
本物に接する態度を知る
静けさの中に身をおく体験をする
Point5:人との触れあいを大切にする
知らない人にも挨拶をする
分からないことは自分で聞いてみる
子どもの年齢にもよりますが、分からないことがあったら、係の人や近くにいる人に、ひとりで聞きに行かせてみましょう。ものを尋ねる体験も、素晴らしい経験のひとつになります。
子どもの自主性を重んじて、できるだけ自分の言葉で聞くように促しましょう。親以外の大人と意思の疎通を図るのは案外難しいことだと分かるはずです。聞かれた大人に迷惑をかけることのないよう、親は近くで見守ってあげるといいですね。
Point6:多角的なアプローチを用意する
その場所ならではの美味しいものを食べる
そこでしかできないことを体験する
天気に関わらず楽しめることを調べておく
「はじめて」を応援する
旅にはたくさんの「はじめて」がつきもの。勇気を出して、なにかにトライできたら、たっぷり褒めてあげましょう。
「はじめて」トライしたことが成功しても、失敗しても、それは子どもにとって人生の大きな糧となります。子どもの挑戦をしっかり褒めてあげることで、子どもの自己肯定感はぐっと高まります。
身のまわりのことを、子どもに任せる
普段は、ついつい時間がないからと親が先回りして着替えなどを用意してしまうこと、よくありますよね。旅先では、子どもには身のまわりのことを任せてみましょう。
「荷物が整っていないと、自分が使いづらい」ということを実感することが大切です。その場で上手に、整理できるようになるのはまず無理です。洋服をたたむ、同じ種類でまとめるというように、少しずつ整理の練習をしていくきっかけになるといいですね。
Point7:思い出を振り返る機会をつくる
写真を使って、思い出帳にまとめる
旅行から帰ってきたら、たくさんの写真を使って思い出帳をつくってみましょう。子どもの撮った写真と、親の撮った写真の両方を並べて、見比べてみるのも面白いですね。着眼点の違いにあらためて気づかされます。
時系列に写真を並べて、旅程をたどりなおすと、思い出が蘇ってきます。写真にひと言、子どもの感想を添えてみると、大人にとってもいい思い出ができそうです。
絵で旅を振り返るのも素敵
地図やスタンプ、パンフレットも一緒にまとめる
思い出をまとめるときは、旅先で使った地図や観光地でもらったスタンプ、パンフレットなども一緒にまとめておきましょう。
どのようなスタイルでまとめるか、子どもと一緒に相談し、きちんと振り返れるようにしておきましょう。書類整理の仕方の学習の第一歩になりますね。
すべての経験が、子どもの明日をつくる
家族旅行を通して、子どもたちは新たな気づきを得て、大きく成長していきます。成功体験だけではなく、失敗することだって、成長には必要なこと。子どもたちの健やかな明日をつくるためにも、「旅育」にチャレンジしてみませんか?
日々成長していく子どもたち。「旅」はいつもとは違った視点を養い、さまざまな気づきを得る場となります。ただ観光地に行って、記念写真を撮って終わり、ではもったいない!「旅」を通して、知識を増やし、興味・関心を広げ、人との関わりを学んでみませんか?子どもたちの大きな成長を促す「旅育(たびいく)」について見ていきましょう。