『妥協』とは?
「何かを諦めること」または「逃げること」、そんな風に捉えている方って多いのではないでしょうか?
そんなマイナスなイメージの「妥協」とは、できれば向き合いたくない… そう考えるのは当たり前ですよね。でも「妥協」って、付き合い方次第でみなさんの毎日を笑顔に変えてくれることもあるってご存知でしたか?
私たちは幸せになるために生まれてきたはず。今回は少しでも皆さんの人生が実り多きものになるよう、私の経験をもとに「妥協」との上手な付き合い方についてお話していこうと思います。
「妥協する」の意味は「双方が歩み寄り解決すること」
妥協の類語は?
[使い分け]
【1】「妥協」は、対立する二者の双方または一方が働きかけて、互いに納得できる一致点を求めて、穏やかに事をまとめること。時に不本意ながら、妥当な線を見いだすという意を含むこともある。
【2】「譲歩」は、自分の考えの一部または全部を曲げて、他人の考えに従うこと。
「妥協」ってネガティブなイメージを持たれがち
意味からも推測できますが、「妥協」とは自分の願いが100%は叶わないことを意味しています。なので多くの方は、「妥協」と聞くとネガティブな印象を抱いてしまうことが多いのでしょう。
負けず嫌いな性格の方は、「弱い人間になりたくない」「諦めるなんて格好の悪いことはしたくない」、または「妥協=負け犬」とまで思ってしまう傾向も。きっと、「妥協は、結果的に自身を幸せから遠ざけてしまうもの」と推測してしまうのでしょう。
できれば妥協したくない…「妥協」って本当に悪いこと?
でも、本当に「妥協」ってネガティブなことばかりなのでしょうか?
私は10年間追い続けていた夢に「妥協点」を見い出したとき、意外にも悔しさや悲しさとは別の感情や新しい可能性が見えてきました。実は「妥協」って、そんなにネガティブなものではないと身を持って気が付いたんです!ここでは、そんな体験から学んだ「妥協のメリット」をみなさんにご紹介したいと思います。
「妥協」は理想追求の苦しみから解放してくれる
強い意志で自分の理想や夢へと向かっていくこと、何かを犠牲にしてまでも実現しようとする気持ちを持つことは時にとても素晴らしいことです。でも理想追求にこだわりすぎると、「今さら妥協できない」と自分自身を苦しめてしまうことも。理想を追求するために本当に大切なことや人を切り捨ててしまったり、家族・友人との関係性が険悪になったり、これでは幸せになるために生まれてきた私たちにとっては、本末転倒な流れですよね。
妥協することは時にあなたの心を正常な状態へと引き戻し、知らず知らずのうちに抱え込んでいた悩みや苦しみから解放してくれるきっかけになることもあります。
「妥協」=「違う道を模索する」とも考えられる
「妥協=理想や夢を諦める」と思われがちですが、「妥協=違う道を模索するチャンス到来」といった考え方も実はできのです。
人は何かに集中している時、他のことなんて目にも止まりません。理想や夢に対し真剣であればあるほど、真面目な人であればあるほど「私にはこれだけしかない!」と思い込んでしまいます。でも一度夢中になっていることから1歩離れてみることで、「この方法だったら叶うかも」「こんなことも好きだった」など他の道・生き甲斐があることが見えてくることも。
選択肢を広げることで幸せに近づく方法もあるんですよ。
「妥協点」を見い出すことで、新しい自分に出会える
「妥協」は、今まで気づかなかった自分の才能や魅力を知るきっかけを与えてくれることもあります。これは、「妥協=違う道を模索するチャンス到来」と同じ考え。妥協することで違う道に進み、そのことで新しい自分を発掘できるんです。
それに、等身大の自分を見つめ直し、新しい道・自分を受け入れながら進むことができた人は心も成長していきます。そんな内面的な成長はより自身を強くさせ、今まで以上に大きな理想や夢に立ち向かう勇気も与えてくれるでしょう。
何かに「妥協点を見い出す」ことで得た新たな挑戦は、あなたの毎日を輝かせてくれるのです!
でも「妥協癖」にはご用心!
「妥協」ばかりの人生はつまらない
「妥協」ばかりしていると、理想や夢を持つこと自体を諦めて挑戦しない人になってしまいます。たとえ現実化しなくても、理想や夢は心にときめきや希望を与えてくれます。最初からすべてを諦めてしまった人生には、自分を高めてくれる向上心や未知のことへのドキドキやワクワクといった刺激も生まれにくくなってしまいます。
満たされない思いと後悔ばかり募る
すぐに妥協することは、ポジティブに捉えるなら「潔い(いさぎよい)」と言えるでしょう。でも理想や夢の実現に立ち向かうことなく、不完全燃焼のまま妥協してしまうと、「あのときもう少し頑張っていれば…」などの後悔ばかりが残ります。「妥協癖」は心をどんどん気弱にさせてしまうところがあるので、こういった後悔の感情も芽生えやすいのです。
自分自身が磨かれない
「妥協癖」はまだ眠っているかもしれない才能や魅力、能力を目覚めさせる自己変革を邪魔しがちです。人は極めて困難な状況に立たされ時、自分の能力の限界を超えることで、見える景色や世界が変わると言われてます。理想や夢を追求することは、そういった次の世界、つまり自分自身の成長を促してくれるチャンスと出会うきっかけにつながるのです。
こんな時は「妥協」しない!
何も行動せず妥協しない!
理想や夢があるなら、どんなに現実から遠い事でもとにかくやるだけやってみましょう。結果的に妥協することになっても、自分自身の成長に大きな違いが出てきますよ!
「後悔する」と思うなら妥協しない!
時間をおいても、友人からのアドバイスを受けても「後悔する」と思ったなら、気が済むまで理想を追求しましょう。未練があるまま諦めてはその後の人生にしこりが残ってしまいます。「やりきった!」と言えるくらいまで頑張って、それでもダメなら潔く諦めればいいのです。“やらない後悔”という後味の悪い後悔は、これでグッと減るはずですよ。
恋愛・結婚・仕事・人間関係etc... どう「妥協」と付き合う?
続いて、恋愛や結婚、仕事に人間関係といったシチュエーションでの「妥協」との付き合い方についてお話していきましょう。人ぞれぞれ最適な「妥協点」や「妥協案」は違うものですが、「こういった考え方もあるんだな」とちょっとした参考になれば嬉しいです。
【恋愛・結婚編】そもそも「妥協婚」だと思わないことが大切
世の中に『妥協婚』という言葉があるくらい、相手の容姿や性格、価値観、収入などのどこかに妥協して結婚している方は結構いらっしゃいます。でも、そういった妥協婚をしたカップルは破局してしまうケースも多いそうです。これは恋愛中のカップルも同じ。特に性格や価値観の部分で妥協すると、「やっぱり許せなかった」など、妥協点への後悔が長年一緒にいることで無視できなくなるようですね。
また、妥協婚をした女性たちの中には、長年付き合っていた人と「この人でいい」と結婚した方も結構いるもの。結婚とはお互いのタイミングとも言いますよね。年齢的に、あるいは子供ができたから、など何かしら妥協させてくれる嬉しいターニングポイントがやってきた、と考えれば、それは妥協婚とは言えないし、幸せを築いていく1つのステップではないでしょうか。
嫌いなところがある友人でも付き合いが長続きすることもあるように、彼氏や将来のパートナーの嫌いな部分も「それも含めて愛している」という気持ちになれたらそれは幸せな結婚につながります。結局のところ、気になる部分を“妥協点”と見てしまっている限り、相手を心底愛せないし、幸せをかえって遠ざけてしまうのです。
もちろん全てのカップルに当てはまるわけではありませんが、やはり相手選びの際は、自分の心に正直になるべき。恋愛や結婚においての過度な「妥協」は自分を苦しめるだけではないでしょうか。
【就活・仕事編】妥協点にメリハリを付けて、気持ちよく仕事しよう
仕事をしていると、妥協を迫られたりする場面って結構ありませんか?自分の意見が通らなかったり、やりがいのない仕事ばかり与えられたり、仕事量に対してお給料が少なかったり...。特に新入社員など、会社に就職したての方には多くあるケースではないでしょうか?
仕事においての「妥協」との付き合い方は、「妥協点にメリハリをつける」です。
すべてにおいて「妥協しない」のは、チームとして仕事をする上で最善の方法とは限りません。お互いが気持ちよく仕事をするためには、時に相手の意見を受け入れる姿勢も大切です。
なので、「ここだけは!」と譲れない部分以外は意固地にならないように柔軟な自分でいましょう。自己主張ばかりが目に付いてしまうと衝突が起こり、毎日会社に行くのが辛くなってしまいます。納得のいかないことは信頼できる上司に相談したり、別の解決策はないかと探ってみてくださいね。
【人間関係編】お互いが笑顔になれる「妥協案」を見つけよう
人間関係については、生きていれば誰しも一度は悩んだ事があるはずです。お互いの意見がぶつかって喧嘩になったり、相手の意見を受け入れることができず疎遠になったり...。この世界のすべての人が同じ価値観を持っているなんてことはあるわけないのですが、いざ自分が妥協を迫られると良い気持ちになったりはしないのが正直なところではないでしょうか?
多くの人と共に生きているこの世界では「妥協」は必要不可欠。全員が自分の主張を押し通していたら、この世界はいつか崩壊してしまうでしょう。だからと言って、「自分が我慢すればいい」など自己犠牲の精神で妥協するのはストレスが溜まるだけなのでオススメしません。
人間関係においての「妥協」は、「自分にとって本当に重要なことなのかどうかを区別すること」にポイントがあります。正直そこまで重要でもない事については相手に譲ってあげましょう。そういった賢い区別が「いつも自分ばかり妥協している」という気持ちを抑え、相手とのやりとりを穏やかで円滑なものにしてくれますよ。
人間関係が良好になれば、自然と笑顔の多い毎日が訪れるはずです。
「妥協」にまつわる名言から学ぼう!
歴史的人物や有名人も「妥協」と向き合い、数々の名言を残しています。
いくつか引用文を紹介しますので、参考にしてみてくださいね!
岡本太郎の名言
成功したという人を見ても、自分に甘えたり、適当にうまくやろうとして成功したんじゃない。こんなことをしたら自分は駄目になってしまうんじゃないか、死んじゃうんじゃないかと妥協しないで、自分を貫いてきた者のほうが成功している。
バートランド・ラッセルの名言
現実の人生というのは、大抵の人にとっては、じつに長い次善の人生である。つまり、理想と可能性との永遠の妥協である。
江戸川乱歩の名言
結局、妥協したのである。もともと生きるとは妥協することである。
マハトマ・ガンジーの名言
私たちのように未完成な人間に、何もかも完璧にこなせるわけがない。私たちにできるのは、その時その時の妥協点を探ることである。
「妥協」は人生に幸せをもたらしてくれるものでもある!
いろいろとお話してきましたが、「妥協」って実に奥が深いテーマだと思いませんか?
もし今まで「妥協=悪いこと」と思っていた方は、今日から捉え方を変えてみてください。「妥協」とうまく付き合うことができれば、“今まで辛い”と感じていた毎日はより良い方向へと変わっていきます。
どうか「妥協」によって、みなさんの人生が幸せで満たされますように。
ところで、そもそも「妥協」ってどんな意味なのでしょう?
辞書上において「妥協」は、
・「意見の対立時に双方が歩み寄って解決すること」
・「満足のいかないものを解決点を見い出して受け入れること」
という意味で紹介されています。