どうやって家事をマネジメントするの?
家事にまつわる悩みは数多あるもの。なかでも、「時間が足りない」「やることが多すぎる」といった問題は多くの方が抱えているのではないでしょうか。ここでは、よくある家事の悩みを仕事術で解決する「家事マネジメント」の方法をご紹介します。
時間が足りない!⇒スケジューリングしよう
毎日時間が足りなくて、やろうと思っていた家事ができずにたまってしまうという方は、家事のスケジューリングをしてみましょう。どの家事にどのくらい時間がかかるのか、タイマーで計り、ふだん使っているスケジュール帳の時間軸に書き込みます。そして、数分でできるようなこと、何かのついでにできることを、スケジュールの隙間に落とし込んでいくのです。
・掃除や洗濯、食事のしたくなどルーティンの家事
・買い物や銀行、お迎えなどの外出する用事
・数分でできる“ついで家事”
・まとまった時間が必要な家事
・スキマ時間に確保したい“自分時間”
やることがいっぱい!⇒タスク管理しよう
掃除や洗濯、食事のしたく以外にも、家事には名もなきタスクが山のようにあります。あれもこれも同時進行しようとして、結局どれも中途半端に終わってしまったり、混乱して大切なことを忘れてしまったり、という経験はありませんか? そんな膨大なタスクは、紙に書き出して思考を整理するのがいちばんです。
・思いつく限りのTO DOを書き出す
・TO DOを時間軸(年間・月間・週間・日別)に分ける
・大きなタスクは小さなタスクに細分化する
・家族の予定は色分けすると視認しやすい
・ふせんを使うと思考の自由度が高い
要領よくできない!⇒NOT TO DOで無駄をなくそう
自分は要領が悪くて、マネジメントなんて無理……。そう感じている方は、“しなければならないこと”と“しなくてもいいこと”の区別をはっきりさせることです。
「タスク管理」で書き出したTO DOの中から、NOT TO DO、つまり“しなくてもいいこと”を抜き出しましょう。無駄なことをなくせば、家事はぐんとシンプルになります。
・毎日しなくても困らない家事
・自分が満足したいだけの家事
・家族が自力でできること
・完璧にしなくても害のない家事
・誰かにお願いできること
自分ばかり大変!⇒情報を共有して協力を得よう
自分だけが家事の負担が大きく、大変な思いをしているという方も多いかもしれません。努力家で家族想いの方ほど、自分さえ頑張ればと無理をしがちです。
共働きが主流となった今、家事はひとりで抱え込むものではなく、家族で協力するものに変わりつつあります。そのためには、やるべきことは何か、協力してほしいことは何か、家事の情報を共有することが大切です。
・口頭で伝えるだけでは一時的なものになる
・ホワイトボードやふせんを利用して“見える化”する
・家族カレンダーに家事予定を書き込む
・相手のやり方を尊重し、任せたことには口出ししない
・効率化できる知恵を家族で出し合う
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
「家事マネジメントノート」の使い方
家事がうまくまわる仕組みをつくる、「家事マネジメント」の方法をご紹介しました。ただ、頭の中で考えるだけでは限界があります。そこで、「家事マネジメント」をサポートする「家事マネジメントノート」の存在が必要です。ノートに書き出すことで、思考が整理され、家事の優先順位や時間の使い方を見極められるようになります。
家事のタイムマネジメント
時間の使い方は、家事マネジメントの要となります。1日24時間をどのように使うか、ひと目で分かるようにするのが「家事マネジメントノート」です。時間軸を縦方向にとった、バーチカルの手帳があるといいでしょう。なければ普通のノートでもかまいません。
①仕事や重要な予定を先に書き込む
②欄外に、TO DOリストを作成
③空き時間、スキマ時間に家事を組み込む
家事の仕分け
家事を効率よくこなすには、優先順位を明確にすることです。「家事マネジメントノート」では、先にもご紹介したTO DOリストやから、家事を仕分けていきます。優先順位をつけたり、家族に頼んだり、場合によってはアウトソーシングも考慮します。
①1枚のふせんに1つの家事を書き込む
②TO DOリストのふせんを優先順位順に並べる
③NOT TO DOリストから不要な家事を消去する
④NOT TO DOリストのふせんを頼む人別に分ける
家事のマニュアル化
仕事で帰りが遅くなる日、あるいは体調が悪く食事の準備がままならないとき。家事がワンオペ化されていると、あなた自身に何かあった際、たちまち立ち行かなくなります。「家事マネジメントノート」を見れば、家族の誰もが最低限の家事ができるよう、マニュアル化しておくと安心です。
・ゴミ捨ての分別方法やゴミ収集の日
・少ない材料で簡単にできるレシピ
・職場や学校の連絡先と連絡方法
暮らしをラクにする“心のコツ”
家事を分担するといっても、なかなか協力が得られない。自分が消耗するばかりで、いつも不機嫌になってしまう。「家事マネジメント」だけでは解決しない問題も、生きていれば少なからずあるものです。ここでは、暮らしをラクにする“心のコツ”をご紹介します。
全力投球しないために
少しの時間も無駄にできない、1日をフルに使わないともったいない。このように全力投球してしまう方は、一時も気が休まらず、体力も気力もすり減らしてしまいます。
そうすると、予定していた家事に手が付けられず、次の日まで持ち越しになってしまうことも。これでは悪循環を繰り返してしまいますよね。
突発的な出来事に対応できるように空き時間を作っておいたり、あえて何もしない時間をキープしておいたり、余力を残しておくことも大切です。
うまくまわる環境を整える
ネットや雑誌で見た時短家事、わが家では効果がイマイチ……。それは、うまくまわる環境が整っていないからかもしれません。掃除道具が取り出しにくい場所にある、どれだけ片付けても家族が散らかしてしまう。どれもあなたの努力が足りないのではなく、環境が整っていないからなのです。
動線を考慮したモノの置き場所に変えたり、こまめに掃除できるよう部屋ごとにモップを置いておいたり、帰宅後の荷物の一時置き場を作っておいたり。環境を整えるだけで、改善できることもあるものです。
ごきげんでいるには
家の中はいつもピカピカで、ほこりひとつない。毎日の料理は一汁三菜で、栄養バランスも完璧。家事はパーフェクトだけれど、なぜかいつもイライラ不機嫌だったりしませんか。
たとえ満足のいくよう家事を完璧にこなしても、自分自身のことが置き去りにされていたらどうでしょう? いつまでも心は満たされないままです。
完璧にこなすことを目標にしていては、それができないと自分を責めてしまいますよね。それよりも、「ごきげんでいる自分」を目指しませんか。完璧じゃないけれど、まあいいか。それくらいの大らかさがあれば、もっとラクでいられるはずです。
「家事マネジメント」で暮らしをラクにしよう*
家事は暮らしそのものです。苦痛や負担を感じるものではなく、いかに合理的に心地よさを手に入れるか、うまくマネジメントするもの。ご紹介した「家事マネジメント」の方法を、できるところから実践して、暮らしがラクになるのを肌で感じてみてくださいね。
どんなに頑張っても工夫しても、終わることがない家事。そんな家事は、暮らしそのものであり、家族というチームを支える土台でもあります。共働きが主流となった今、自分だけが家事を抱え込むのではなく、家族全員で共有・協力できるようマネジメントする時代になりつつあるのです。