口癖から変える方法
完璧主義の方は、「すべき」「ねばならない」が思考の癖になっています。もしその思考があなた自身を苦しめているのなら、口癖から変えてみませんか。おまじないのように声に出して言うことで、完璧主義の思考をいったん止めてあげるのです。
「ま、いいか」
凝り固まった考えをやわらかくする、柔軟性をもつための口癖です。もうダメだと感じたとき、いい加減な人が許せないと思ったとき、つぶやいてみましょう。
本心ではそう思えなくても、まずは口に出してみることが大切です。切羽詰まった気持ちが少し和らいでいくのを、丁寧に感じ取ります。
「それは真実?」
自分が正しい、間違っていないと信じていると、自分と異なる考え方に対してストレスを感じてしまうことがあります。そんなとき、自分の考えが100%真実なのかどうか、立ち止まるきっかけを作ってあげましょう。
「それは真実?」と問いかけ、自分の「常識」や「普通」を客観的に見ることが大切です。
「べき」を「なるべく」に置き換える
何でも100点満点を目指していると、どれもうまく立ち行かなくなります。「こうあるべき」「こうするべき」という信念を、「なるべく」に置き換えてみましょう。自分自身に対してもそうですし、相手に対して高いレベルを求めてしまうときにも役立ちます。
「できたら」「可能であれば」「時間があれば」に置き換えるのもいいですね。
ルールをゆるめる方法
完璧主義の方は、自分自身にとても厳しい面があります。少しのミスでひどく落ち込んだり、些細なことで全てがダメになったように感じたり。そういった失敗を恐れるあまり、何もかもを完璧にしようとしてしまうのです。白黒思考をやめるためには、自分自身に課すルールをゆるめること。「中庸」が保てれば、大体のことはうまくいったりするものです。
減点方式から加点方式へ
なんでも減点方式にしてしまうと、ミスや失敗などマイナスの部分に目が行ってしまいます。これを、プラスの面に目を向ける加点方式に変えることです。
急には変えられなくても、今日できたこと、少し前進したことなど、小さなプラスのことに目を向けてみましょう。気持ちが上向きになるのを感じられるはずです。
及第点を設ける
常に何もかもを100点満点にしようとしていませんか。目標を高く持つのは素晴らしいことです。しかし、何もかも完璧にするのは、何らかの犠牲を伴います。自分の健康を損なったり、家族との時間を失ったり……。
70点くらいで十分よくやった、何なら50点でもぎりぎりOKでもいい、という「及第点」を設けましょう。
2割は完璧を目指してもいい
完璧主義を“完璧に”やめる必要はありません。全体の2割くらいは、自分が納得できるように完璧を目指してもいいのです。ここぞというとき、これだけは守りたいということなど、心の安定につながるのであれば、全力を尽くします。
大切なのは、力を入れるところとそうでないところのメリハリです。
別の考え方を見つける方法
完璧主義に陥ると、視野が狭くなりがちで、他の考え方ができなくなります。決めたことは最後までやりきる、その努力は素晴らしいものです。ただ、周りを見渡す心の余裕や、他の意見を聞き入れる柔軟性も、時には必要となります。そんな心のゆとりや寛容さが、完璧主義の苦しみから解放してくれるのです。
結果にこだわらずプロセスを大切に
全力を尽くしたのに、結果が伴わなかった。努力したのに報われない結果に終わった……。そんなとき、プロセス全てが無駄だったと捉えないことです。結果の良し悪しは手放し、コツコツと積み重ねた努力や、そのプロセスを尊重しましょう。
頑張った自分を認めてあげるのと同様に、他人に対しても、それまでのプロセスを労ってあげることです。
自分の当たり前は他人には通用しない
完璧主義に陥っていると、いい加減な人、容量の悪い人に苛立ちを感じてしまいます。自分にはできるのに、なぜできないの?と責める気持ちになるのです。
自分には「当たり前」でも、育った環境や学んできたことなどは、人それぞれです。相手の事情や心情を慮れるようになれるといいですね。
ポジティブに転換する
完璧主義にも、ポジティブなものとネガティブなものとがあります。「少しの遅れも絶対に許されない」「中途半端は絶対にダメ」というのが、ネガティブな完璧主義です。マイナス面にフォーカスしているのが特徴です。
「ゆとりを持って仕上げよう」「いつでも対応できるように準備しておこう」というのが、ポジティブな完璧主義です。プラス面にフォーカスしているのが分かりますよね。
自分の完璧主義を、ポジティブに転換できないか見直してみましょう。
多様な価値観をもつ
「絶対に」「必ず」という限定的な価値観は、完璧主義の特徴です。うまくいかなかったときのダメージが大きくなる原因となります。他の人はどう考えるか、あの人ならどう考えるか、他者目線で想像し、多様な価値観をもつことです。
自分の考え方の盲点は何か、反対意見やデメリットにも目を向けてみましょう。案外そこに解決の糸口が見えたりするものです。
完璧主義を卒業して心軽やかになろう
完璧主義は全てが悪いわけではありません。完璧主義のもつ、正確性や責任感の高さといった長所は生かしつつ、自分を苦しめるような部分は手放しましょう。今日からできる<10の心がけ>をご参考に、毎日を心軽やかにすごしてくださいね。
完璧主義の方は責任感が強く、目標も高く、やると決めたことはとことんやる、という長所があります。その反面、少しのミスも許せず、自分自身に厳しく否定的です。視野が狭くなりやすく、他人にも高いレベルを求めては、イライラを抱えてしまうことも。