「リトリート」とは転地療法ともいわれ、普段いる場所から離れて、心身を癒し、自分自身と向き合うことをいいます。忙しい日常から逃れて一人になりたいとき、自分を取り戻したいとき、心も体もリフレッシュしたいとき。仕事やプライベートからいったん切り離して、何の束縛もないリラックスした状態に身を置くのです。

ホテルやリゾート地、森の中など、さまざまな場所で専用のプログラムが用意されており、ヨガや瞑想、マインドフルネスなどを行います。まとまった休みが取れるとき、大きな仕事を終えたとき、心身の限界を感じたときに試したいのが、本格的な「リトリート」です。

本格的なリトリートは時間もお金も必要だけれど、忙しい毎日でストレスや疲れはたまる一方ですよね。そんなときには、1日5分でケアできる「プチ・リトリート」を取り入れてみましょう。時間もお金もかからず経済的で、本来の自分を取り戻すことができます。
詳しくはこのあとご紹介します。

「プチ・リトリート」におすすめの時間帯は、朝です。空気が澄んでいて、比較的静かで心を落ち着けるにはぴったり。このほか、休憩時間や家事の合間、仕事が一段落したとき、夜寝る前でもかまいません。大切なのは、なんとなく5分間をすごすのではなく、能動的に「リトリート」することです。

本を読むことは、ストレスを軽減する効果があることが分かっています。ご自身の好きなジャンルの本、小説でもエッセイでも実用書でも何でもいいのです。今いる現実から少しの間、本の世界に入ることで、気持ちをリセットします。

ずっと考えていること、形にならない思い、ごちゃごちゃの感情……。それらすべてを書き出しましょう。自分の外側に出してしまうことで、心はスッキリと整います。丁寧に手書きをする機会が少ないからこそ、心を落ち着ける効果が期待できるのです。

わたしたちの暮らしは、何も考えていなくても電気や水が使えますし、食べ物も簡単に手に入ります。そんな便利な生活ができるのは、誰かの支えがあってこそ。あらゆる人やモノ、コトに感謝の心を巡らせるひとときをもつのです。あなた自身も世界を支える一人であると、ポジティブな気持ちになれるはず。

「楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ。」というアフォリズムは、行動が感情を作ることを示しています。
不機嫌だからとふくれっ面をしていては、何も変わらないばかりか、状況は悪化してしまったという経験はありませんか。まるで「世界一幸せな人」「どんなことにも動じない穏やかな人」であるかのように振る舞ってみましょう。そうするうちに、心も変化し、好ましい状況を引き寄せる土壌が整います。

大人になると「できて当然」「やって当たり前」になり、どれだけ頑張ったとしても、褒めてもらえる機会はそうそうないものです。それならば、自分で自分を褒めてあげましょう。努力した自分を一番知っているのは、あなた自身なのです。自分を褒めたあとには、きっと気持ちがほぐれて、背筋がしゃんとすることでしょう。

わたしたちが得る情報のうち、視覚から入る情報は87％ともいわれています。スマホが手放せない、SNSをチェックしていないと不安だという方は、常に情報過多で、脳が疲労している状態です。
まずは5分間、情報をシャットアウトしてみましょう。明るすぎる照明や、思考を乱すような音楽もオフにして、目を閉じるだけでいいのです。

心を落ち着けるだけでなく、免疫力や記憶力を高める効果があるメディテーション。マインドフルネスや座禅、ヴィパッサナーなど、さまざまな手法があります。呼吸や身体の感覚など、一つのことに集中する方法や、目の前にあることをありのままに受け入れ、流す方法があり、自分に合うものを選びましょう。

カラーブリージングは、色のイメージをしながら、ゆったりとした呼吸をするリラックス方法です。カラーセラピーなどでも知られているように、色には心と体に作用することを利用します。ネガティブな黒い空気を吐き出し、取り入れたいイメージの色を体いっぱいに吸い込みましょう。
イライラを鎮めたいならピンク色、元気を出したいなら赤、リラックスしたいときはグリーンやパープルをイメージします。