一方、会社から求められることも変わっていきます。通常の業務に加え、新しい試みや率先して周りを引っ張るリーダーシップを求められるのではないでしょうか。
新しいことを始める、そんな時。
そんな折、自分が中心となって新しい企画を考えることになったとしましょう。方向性を決めて内容をまとめ、あとは会社全体の会議で承認を得たい、というところまで来ました。
もしくは、チームのリーダーやマネジメントを担うというようなこともあるでしょう。新しいプロジェクトが決まっており、あとはチーム全体で動き出そうというところです。
それらが良い内容であれば承認や賛同は得られるのかもしれません。ですが、大人の仕事の進め方として、企画の内容を考えることと同じくらい重要で、並行して行いたいことがあります。それは「前もって話を通しておく、調整しておく」ことです。
前もって話を通すなんて…どうなの?
全体の会議を開くことやチームの先頭に立つことはすでに決まっているにも関わらず、「前もって話を通しておく、調整しておく」ことになんとなく狡さを感じたりフェアじゃない印象を持つ人もいるでしょう。あるいは、そんな面倒なことをしないでそのまま話せばいいのに、と思うかもしれませんね。
“前もって”調整しておくことが大事な理由
時間の短縮と内容の充実が図れる
まずは話を通しておくことにより意思決定にかかる時間を短縮できます。それぞれに仕事を抱えた状況で会議に拘束されるのはできるだけ短い時間の方がいいですよね。
さらに、新しいことを始める際は特に、前もって話を通すためにと企画を見直すことで懸念点に気づき、内容の細かいところまでしっかりと詰めることができます。練り上げられた提案は承認や賛同を得やすく、仕事としても結果を出しやすいでしょう。
仕事が進めやすくなる
どんな仕事も一人ではできません。新しいことをする場合は特に、多くの人の協力が必要です。前もって話を通しておくことで理解を深めて温度差をなくし、より多くの協力者を得ることができれば仕事が進めやすくなります。
また、チームにはそれを率いるリーダー的存在が欠かせません。前もって話を通し関係者の了承を得ておくことで、しっかりした指示系統が確立され、新しいプロジェクトが始めると同時に全力で駆け出すことができますね。
コミュニケーション能力が評価につながる
前もって話を通すためには、まず誰に話をすべきか、いつするべきかなど、相手をよく見ることや空気を読むことが大切になってきます。
また、自分の考えを伝えるだけでなく、相手の立場や考えを考慮しながら会話を進め、最終的に賛同してもらうためにはコミュニケーション能力が問われますよね。これは、企画の内容とはまた別に、コミュニケーション能力を評価されるチャンスとも言えます。
“前もって”調整することで仕事がスムーズになる
「内容がいいんだから、調整なんて必要ない。真っ向勝負で行こう。」
一見潔くフェアに思えるこのやり方は、見方を変えると共に働く人の立場を考慮せす、独りよがりと言われても仕方がないのかもしれません。
それに比べて、“前もって話を通しておく、調整する”というのは、自分のためというよりも相手のことや会社全体を思うがゆえに必要な、「踏むべき手順」ともいえると思いませんか?
あらかじめ多くの人の意見を聞き、それを取り入れて企画をより良く現実的なものに仕上げていく。また、チームとしての団結力を高め、全力でものごとに取り組める。前もって話を通すことで多くの人を巻き込みながら、スムーズに仕事を進めていけるでしょう。
おわりに
新しい話を急に聞かされた時、それだけで抵抗を感じたり、受け入れ難く感じるものではありませんか?自分がそうであるならば、相手の立場に立ってみても同じことが言えるでしょう。
多くの人が共に働いていれば、いろんな考えの人がいます。「内容さえ良ければ…」と、簡単には割り切れませんよね。前もって話をすること、調整することは、自分のためではなく仕事をスムーズに運ぶための事前準備です。
一度、大人の仕事の進め方として、“前もって”を意識してみませんか?そして、どんな仕事においても必要な“コミュニケーションする力”に、より一層の磨きをかけてみませんか?
社会人になると、先輩や上司の指示を仰ぎながら、失敗も含めて多くの経験を重ねていきますね。年月を経るごとに仕事に対する考えや目指すところも変化していくでしょう。