豊かなシルバーライフをおくりたい
2017年の日本人の平均寿命は、女性が87.26歳、男性が81.09歳で共に過去最高を更新しています(2017年 厚生労働省調査)。世界的にみても日本は長寿国。今は長生きにも備える時代とも言われています。
定年が60~65歳だとすると、男性は約20年、女性は約30年もあります。公的年金だけで、それだけの年月を生活していけるのでしょうか。
そもそも老後に必要なお金ってどれくらいなの?
では、いったいどれくらいの蓄えを定年までに用意しておけば少しは安心できるのでしょうか。できれば、お金のことを心配せずに豊かなシルバーライブを送りたいですよね。
夫婦2人の場合、老後の最低日常生活費は月額22万円、ゆとりある老後生活費は月額34万8,000円が必要です。
老後を65〜85歳とすると最低日常生活は、5,280万円。ゆとりある生活なら、8,352万円が必要になります。
総務省「家計調査年報(平成27年)」では、2人以上の高齢者無職世帯の毎月の支出額は27万5706円となっており、実収入平均額と比べると、毎月6万2327円不足している計算に。
65歳から90歳まで、6万2327円×12カ月×25年=1869万8100円、つまり1870万円ほどの資金が不足することになります。
また、老後をエンジョイしたい場合は、月に35~37万円が必要というデータもありますので、一般的な生活であれば2000万円、安心して楽しみたいなら、3000~4000万円は必要になります。
夫婦2人で月約25万、ゆとりある生活となるとプラスで10万円は必要になりそうですね。
また国の調べでは、入ってくるお金より使うお金の方が多く、公的年金だけでは赤字との結果が。その赤字部分については、貯金を切り崩して生活しているのが現状ということが分かります。
ここまでの情報を知って、不安な気持ちになってしまった人もいるのでは? 心細い気持ちで年齢を重ねていかなくても大丈夫なように、今からできることをご紹介していきますので参考にしてみてくださいね。
今からしておくべきこと5つ【お金編】
若い世代は、何となく老後のことは先のことと思いがち。それより、住宅ローンの返済や子供の教育資金の準備に目がいきがちですよね。ただ、必ずやってくる老後。現状として貯金も必要であるということを念頭において、今からできることをコツコツとしていくといいかもしれません。
1、「貯蓄する」という習慣を身につける
2、「老後資金」の為の口座を作り、管理する
貯金の極意として、お金の流れを把握することは重要なポイントとなります。お給料が入る口座も貯金する口座も一緒になっていては、お金の流れが分かりづらく現状が把握しにくくなります。
老後資金の為に口座などを開設して、一目で貯金額が分かる様にしておきましょう。預けるのは簡単で、引き出すのは面倒な所がベストです。
3、保険やiDeCoなどを活用する
銀行や郵便局で専用口座を設ける方法だけでなく、個人年金保険などの金融商品を活用するのもひとつです。
会社員なら財形年金貯金を利用するのもいいですね。給料から天引きされるので、気付けば貯金ができているという状態になりますよ。
また、最近注目されているiDeCo(イデコ)「個人型確定拠出年金」を利用するのもおすすめです。iDeCoは、毎月一定の金額を出し、そのお金で定期預金や保険、投資信託などの商品を選んで運用し、60歳以降に受け取るというもの。
注目されているメリットとして、掛け金が全額「所得控除」され、所得税や住民税などの税金が安くなる、運用中に得た利益や利息についての税金がかからない、資金を受け取る時も節税されるということがあげられます。
ただし、運用によっては60歳になったときに受け取る金額が元本を下回ることもあるので、加入する際は慎重に検討してくださいね。
4、50歳で貯金と借金のプラスマイナスゼロを目指す
子育て世代は、習い事や保育料、学費など養育費にお金がかりますよね。また旅行など家族との時間を楽しみたい時期でもあります。
年金制度や定年の年齢など、将来のことは不透明なことも事実。あまりに老後資金のことを心配しすぎて、無理のかかる貯金をするのも考えもの。今の人生を楽しめなければ本末転倒になってしまいます。
子供が成人するまでのだいたい50歳までは、過度な貯金はしなくてもいいかもしれません。この時点で貯金が無くても、借金がなければ大丈夫というくらいに考え、50~55歳でプラスマイナスゼロを目指す方向性でもいいのでは。
子供が社会人になればお金のかかる時期は卒業です。50~55歳から定年する60~65歳までの10年間で老後に向けた貯金を本格的に始めましょう。妻の外で働く時間を長くしたりなど、10年あればだいぶ貯めることができるはずです。
若い頃から、負担が大きい大学にかかる教育費と老後資金を並行して貯金するのが理想ですが、どうしても二重にするのが苦しいという場合はこの方法もおすすめです。
5、住宅ローンは定年までに完済できる計画を立てる
そうなると住宅ローンがとても重要になってきます。家賃の額と変わらないからと頭金をあまり入れずに、多額の借金をして住宅を購入しようとしていませんか?
人生の3大資金は教育資金、住宅資金、老後資金の3つです。この3つがバランスよくまわらなければ後で苦しい思いをすることに…。
一番長い返済期間、一番安い金利で組んでギリギリ購入できるという試算の物件は避けた方が無難です。身の丈にあった住宅を購入するようにしましょう。
上記であげたように、定年後は年金収入だけでは生活費が足らない状況が平均的なので、住宅ローンまで払う余裕がないかもしれません。
定年までには支払いが終わるように計画しましょう。そもそもの借金額や繰り上げ返済について具体的に考えて。
退職金が出るなら、老後資金に充てるほうが堅実です。
今から計画的に準備していけば、将来大きな不安を抱えることが無くなるかもしれませんね。
今からしておくべきこと3つ【生活編】
豊かなシルバーライフを送るためには、「お金」だけあればいいという訳ではありませんよね。心身ともにエンジョイできるように、今からできることを考えてみましょう。
6、仕事以外に好きなことを見つけておく
豊かなシルバーライフを送るポイントとして「生きがい」や「やりがい」があるのとないのでは人生の輝きが違います。今から生涯を通して夢中になれるような「好きなこと」を見つけておきましょう。
「大人になってから始める習い事は本当に好きなこと」などと言われますよね。仕事以外の時間に、ずっとやってみたかったこと、興味のあることに挑戦してみましょう。きっと人生をより輝かせてくれる要素になるはずです。
7、一生ものの「友人」を大切に育む
また、楽しい老後には人との関わりが欠かせません。学生時代からの友人や趣味友達、仕事を通じて仲良くなった人など、ずっと親しくしたいと思う人達との友情を大切に育んでいきましょう。
素敵な仲間がいると人生は何倍も楽しくなるはずです。
8、健康な体を維持する努力を始める
「健康寿命」という言葉も聞くようになりましたね。誰しも健康で長生きしたいもの。健康体をいかに維持させるかも、豊かなシルバーライフでは重要になります。今から健康な体を維持する努力をしておきましょう。
簡単な運動や健康的な食事、早寝早起きなどの生活習慣を今のうちから意識しておきたいですね。
また、意識することで今の人生もより丁寧で豊かなものになるはずです。
漠然とした不安にさよなら。今から備えて素敵な人生を
いかがでしたか?「まだ老後なんて」「何となく不安」と思っていた人も、豊かなシルバーライブを送るヒントのひとつになりましたか?若い世代の今だからこそ、意識したいことやできることが沢山あるんです。少しだけ遠い将来のことを考えて、今を丁寧に過ごしていきましょう。
自分のシルバーライフを思い描いたことはありますか?
「まだ若いから老後のことなんて想像できない」という人が多いのではないでしょうか?
その反面、「老後破産」や「年金についての問題」など世間から聞こえてくるネガティブな情報を耳にしては、漠然と不安になることもあるのでは?