サーミ族とは
サーミ族の言葉はサーミ語。しかし、スウェーデン語、フィンランド語、ロシア語、ノルウェー語などもほとんどの人が話せるといいます。
もともとは移動を続けてきたサーミ族。こちらは「コタ」と呼ばれるサーミ族の住居です。コタは永住するための家ではなく、一時的に居住するための家です。
厚い毛皮のトナカイとともに、季節ごとに移動しながら、極寒の自然の中で狩猟や遊牧を行なってきました。
そしてトナカイの毛皮を身にまとったり、家の中に敷いたりして寒さから身を守ってきたのです。
それは、チェルノブイリ原発事故があったから。
サーミ族と一緒に暮らしてきたトナカイの主食は、放射線を吸収しやすいと言われるハナゴケであったため、トナカイの汚染が進んでしまったためだそう。
文化・工芸
美しい民族衣装
コルトと呼ばれる、色彩豊かな上着の民族衣装。フェルト地で作られるコルトは、女性の手によって織られています。
コルトは、地方ごとに帽子のデザイン、フェルトの地色や飾り付けの違いによって、違いがあるんです。コルトを見ればどこの出身かがわかるそう。
細かいデザインのコルトが綺麗ですね。
サーミ族の伝統的な靴「ヌツッカート」。トナカイの皮を使っていて、つま先がくるんとした個性的な形をしています。
そんなコルトですが一時は着る人が少なくなり、縫える人は減少してしまっていました。
しかし再び民族衣装を積極的に身に着けていこうという若い人たちの想いから、コルトを着る人が増えてきているといいます。
雪の上でみると、さらに鮮やかで素敵ですね。
ドゥオッチ
ククサ
ククサは白樺の木のこぶから作られたカップ。
交流
ウインターマーケット
サーミ人の工芸品を集めた、ウインター・マーケット(2月)で有名なヨクモック。先住民族サーミが年に一度集まり開催する大規模なマーケットは、なんと4万5千人以上が訪れる北欧最大の市となっています。マーケットではトナカイたちの行進もあり、トナカイやキツネなどの毛皮も手に入れることもできます。
トナカイレース
ラップランドではトナカイレースが開催されます。特に街の大通りで開催されるサーミウィークのトナカイレースは、迫力満点!
アイヌとも親交のあるサーミ族
2012年、サーミとアイヌのフェスティバルがノルウェーで開催されました。また、2回目のフェスティバルが札幌で2013年に行われ、サーミ族の人たちも日本を訪れています。
おわりに
いかがでしたか。
サーミ族の人たちは瞳やお肌もとても輝いているように感じます。
昔からの自分たちの暮らしを大切に守っていける心はとても素敵なことですね。
日本でも手に入れられるサーミ族の工芸品、もし出会ったときには手にとってその歴史を感じてみてください。
サーミ族とは、ラップランドとよばれる、北欧スカンジナビア半島の最北部、北緯66度33分の北極線より北の北極圏中心(ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧三国とロシアの四ケ国)に住んでいるトナカイ遊牧民。