忙しいときこそ、『大切なこと』を見失っていませんか?
ゆっくりだから、気づけること
「はやくて効率がよい = 一番いい」と限らないことも。
そんな時こそ、1時間でもゆっくりできる時間を。ゆっくり深呼吸するように、行動や心を「スローダウン」すると、負担が少なくなって、視野が広がることがあります。
調べごとをするならネットで。人とのコミュニケーションも、メールやLINEで。そのように、様々な事をはやく済ませられる昨今ですが、ときには「待つ」「時間がかかる」ことも、大切な気づきを与えてくれるもの。
そこで今回は、心に余裕が生まれる「行動のスローダウン」をご提案したいと思います。
『ゆっくり』から生まれる大切なこと
1. ゆっくり歩いて、季節の移ろいを楽しむ
忙しいと、つい早歩きになりがち。目的地のことや、着いた後のことに捉われていませんか。
そこで、ゆっくりと歩いて、周りに目を向けてみましょう。
道端の植物、木々の緑や紅葉、きれいな花、鳥のさえずりなど。きっと、季節によって沢山の楽しみがあることに気づけます。
外をゆっくり歩くことで「呼吸」も意識できます。忙しい、不安、緊張など、ネガティブな精神状態の時には、呼吸が浅くなる傾向があります。そのため、ゆっくり歩くことで、ゆっくり吸う・吐くことを、大切に。
自然の中に身を置くと、集中力が増したり、リフレッシュできる効果もあるので、よい相乗効果を感じられるといいですね。
2. 食事をゆっくりいただいて、今の体にあった栄養をとる
正しい満腹感
忙しいとつい食べるスピードが早くなりがち。すると、ちゃんと「満腹感」を感じられず、食べ過ぎてしまうことが多いそうです。
一般的に、食べ物が口に入ってから、血糖値が上がり、脳に「満腹」という指令が出るまで、約15分と言われています。
忙しくても、15分程度で食事を済まさないように。ゆっくりいただくようにしましょう。食材の味や食感を味わうという点からも、一口ずつよく噛むことは、とても大切です。
「衝動的に○○食べたい!」に気をつけられる
疲れているときは「甘いもの」、「こってりしたもの」を食べたくなりますが、そんな『無性に何か食べたい!』というサインは、なにかしら、体のSOSのサインに結びついているもの。衝動に駆られる前に、考えてみて。
ストレス食い、内臓の調子がおかしいなど、サインを察知して、本当に自分の体に足りないものは何かじっくり考えましょう。
ゆっくり時間をかけて食事と向き合うことが、明日の自分の体を作っていきます。
外食続きの胃腸の疲れを、リセットするためにも
今は忘年会等で、外食続きになりがちな時期。そのためお酒や油っぽい食事、野菜不足などで内臓も疲れやすくなっています。
そんなときこそちょっと噛んでどんどん食べるよりも、ゆっくりよく噛んで食べて、消化のよい食事を。胃腸の負担が少なくなるのでとてもいいですね。
3. ゆっくりお風呂に入って、体のSOSに応えてあげる
快眠のために
「リラックスのためには、湯船にしっかり浸ることが大切」と分かっているものの、忙しい時は、ついついシャワーで済ませるのが、現実的ですよね。
どうして、シャワーよりも、湯船のほうがよいのか。その理由は、シャワーだとどうしても、温まるのは皮膚の表面ばかり。体が芯からあたたまらないからです。
38~40℃の湯船に10~15分浸かるだけでも、体の中まで温まります。その体の中の温度(深部温度)は、徐々に下がりますが、下がるまで2時間ほどかかります。それは、夜、心地よい眠りにつきたい時に適したタイミングで、睡眠不足な体にもぴったり。
冷え性改善のために
冷え性の改善にも、湯船にしっかり浸ることは効果的。夏は38℃、冬は40℃のぬるめのお湯にゆっくりと浸かると良いといわれています。湯船のなかでマッサージもすれば、より血流がよくなり、改善が期待できるでしょう。
見逃しがちな乾燥肌も、ちゃんとケア
湯船からあがっても、もう少しだけスローダウンを心がけて。
忙しいとついつい保湿も簡単に済ませがちですが、ゆっくり保湿クリームを。「こんなところに!」と、乾燥している部分、筋肉が張ってコリのある部分を発見することもしばしば。今の肌の状態をゆっくり観察することで、自分に足りないもの、多すぎるものに気づくことができるかもしれません。
4. 自分がゆっくり話すと、相手の話もしっかり聞ける
早口なお喋りほど、気持ちいい。けれど・・
自分が話すスピードについて、意識したことはありますか。実は、自分が早口でテンポよく話している気分のときこそ、相手の話を受け止められていない(聞いていない)ことが多いそう。
相手の言葉を、誤解することにもなりかねません。
あえて「間」をつくることを意識して
「そういうつもりじゃなかった」というコミュニケーションにならないために、正しい会話のキャッチボールを。
ゆっくりと話すことで、相手と「間」ができてきます。その「間」をつかって、ちゃんと相手の言葉を受け止めれば、ちゃんと理解して、次の自分の発言について考えることができます。
話している相手も「自分の話をしっかりと聞いてくれている」と感じ、信頼感も増しますよね。
自分が「ふさわしい言葉」を使えているか、ちょっと考える余裕を
早く話すと、その言葉のチョイスは、その場の雰囲気に流されがち。でも、ゆっくり話すことで、言葉を選ぶことができます。
たった一つの言葉でも、相手を傷つける言葉、褒める言葉の、二つの意味を持つことも。すこし慎重になれば、トラブルも回避しやすいです。
目上の方への敬語など、相手に合わせて話し方を変えるべきときも、ちゃんと対応できるように。ゆっくりと話すことで、相手の気持ちや状況を考えられるようになりたいですね。
5. ゆっくりしたスケジューリングで、余裕のある行動ができる
「今日のうちに仕事も終わらせたい」と、分刻みのスケジュールを入れていませんか。使える時間とやりたいことのバランスが合っているか、俯瞰してみることも大切です。
そこで、ときには思い切って、休む日を。1日のスケジュールを半分にしてみましょう。時には大胆にスケジュールにゆとりを持たせることで、気持ちにも余裕ができます。そうすると、早めにベッドに入ってゆっくりと睡眠がとれたり、明日の用意を夜のうちにできたりと、次の日の行動にも余裕が出てきます。
そのように、ちょっと“前倒し”ができるようになると、遅刻をしなくなることにも繋がります。「遅刻しそう!」とつねに心に余裕が無いと、忘れ物をしたり、イライラしたりしたりしがち。
思わぬトラブルを少なくするためにも、時には、“マイペースな行動”ができるようにするための、リセットを行いましょう。
6. ゆっくり本や新聞を読んで、豊かな心を育もう
「速読」という読書の仕方があるように、大人になると、いかに短い時間で、分厚い本を読めるかといったことが評価されがち。でも、子どもたちは何度も何度も、内容を一字一句覚えてしまうまで、繰り返し同じ本を読みますよね。
子どもは本から何かを得ようというよりも、その本の世界に何度も入って、純粋に楽しんでいるんですね。
大人の私たちも、効率に捉われず、たまには好きな本をゆっくりと読んで、好きな世界にどっぷり浸かってみませんか。
読書日記をつけたり、好きな文章を本かから書き写してみたり。今まで読んだ本でも、新しい発見があるかもしれません。
ときには新聞をじっくり読むのも、新鮮です
本を選ぶ時、いつも同じジャンルや作家さんばかりを買ってしまう方におすすめなのが、新聞です。
今は新聞もスマホで読めますが、あえて紙の新聞を買って、隅から隅までゆっくりと読んでみましょう。自分は興味ないと思っていたジャンルも「改めて読んでみたら面白い!」と感じられるかも。一気に、自分の世界が広がりますよ。
今まで固定観念に縛られがちだったことも「こんな考え方もあるんだ」と、新しいことに気づけるかもしれません。
いかがでしたでしょうか。
いかがでしたでしょうか。「やらなくちゃいけない」と思っている行動も、客観的に、心に余裕を持って捉えてみると、自分で自分を縛り付けていたことに気づけるかもしれません。
窮屈な考え方から解き放たれるためにも、意識的にスローダウンを。「ゆっくり」と心の中で唱えながら、行動して過ごしてみてください。
仕事が山積みだったり、家事、子育てに追われたり・・・。毎日余裕を持って生活したいものですが、時には「早くやらなきゃ」という事に追われて、体も心もクタクタに。また、先の予定が詰まっていたりすると、考えるだけで疲れちゃいますよね。
そんな暮らしが続くと、「嬉しい」といった当たり前の感情すら鈍感になって見失ってしまうことも・・。