「ミニマムな暮らし」の考え方
部屋にあふれるモノを捨て、持たない暮らしに挑戦してみたけれど続かなかった、という経験はありませんか。それは、あなたがどんな暮らしをしたいのかが曖昧だからなのかもしれません。「ミニマムな暮らし」を始めるには、まずはどんな暮らしがしたいのか、それによってどんなメリットを享受したいのかを、自分自身に問いかけてみることです。
心が満たされないのはなぜ?
お洋服やバッグなど、欲しいものは手に入れているのにどこか満たされない……。そんなふうに感じていたら、自分自身の心と向き合うタイミングです。
周囲に認められたいという心の隙間を、モノで埋めようとしていませんか。他人の目を基準にしている限り、心はいつまでも満たされず、モノがどんどん増えていくという悪循環に陥ってしまいます。
暮らしに余白を作ろう
多くのモノを持つことが豊かであるとは限りません。自分で管理しきれないほどの“モノに埋もれた暮らし”は卒業して、“余白のある暮らし”へシフトチェンジしていきませんか。
余白とは、空間そのもののゆとりでもあり、ひいては心のゆとりにもつながります。モノを管理するストレスから解放され、空間も時間もお金もムダにしない暮らしへと変わっていくのです。
ミニマムな暮らし=豊かな暮らし
あなたはどんな暮らしがしたいですか? 心の隙間を埋めるためにモノを増やしては、いつまでも満たされない暮らしと、本当に必要なものだけを持ち、空間にも心にもゆとりのある暮らし、どちらが豊かでしょうか。
正解はあなた自身の中にあります。いまいちど自分自身がどのような暮らしをしたいのか、見つめ直してみてくださいね。
「ミニマムな暮らし」のルール
むやみにモノを捨てたり、いきなりモノを持たない暮らしを始めたりするのは、失敗や挫折の元です。マイルールや自分の基準をもち、ゆるやかに今の暮らしから「ミニマムな暮らし」へとシフトしていきましょう。どうしてもモノが増えてしまう、モノを捨てられない、という方にも役立つ「ミニマムな暮らし」のルールをご紹介します。
1in 2out
何もしなくてもモノは家の中に入ってきます。郵便物や書類、いただきものは自分の意志とは関係なく入ってきますよね。食料品や日用品のような生活必需品ですら、使いきれなかったものは溜まっていきます。
このように「モノは増えるもの」と心得ておくことが賢明です。そのうえで、モノを増やさないルールが必要になります。それが、「1in 2out」です。一つ入ったら二つ出すルールを守れば、知らないうちにモノが増えてしまうのを防ぐことができます。
どのようにお金を使うか
モノにあふれた暮らしのなかでは気づきにくいことがあります。それは、「どのようにお金を使うか」です。必要最低限のモノだけを持つ「ミニマムな暮らし」に変わっていくと、一つ一つのモノに対する意識も変化します。
たとえば、お箸を何膳も持っているのと、一膳しかないお箸を使うのとではどうでしょう? 「また買えばいい」という考えもあるかもしれませんが、「良質なものをできるだけ長く大切に使おう」という気持ちがわいてきませんか?
意識が変わることで、 おのずと「安物買いの銭失い」もしなくなります。
手放す=譲る
「高かったから」「思い入れがあるから」「また使うかも」という思いから、モノを捨てられない方も多いですよね。今使っているモノを手放す必要はありませんが、それ以外のモノは手放し時かもしれません。使わずにただ所持しているだけのモノは、そのものの役割を果たしていないのと同じです。
「まだ使えるから捨てるのはもったいない」のであれば、必要として使ってくれる人の元へ送り出してみるのも一つの方法です。今はフリマアプリなどが充実しています。「手放す」ことは「譲る」ことだと思えば、心が痛むこともありません。
「ミニマムな暮らし」の実践方法
ここまで「ミニマムな暮らし」の考え方、ルールを確認してきました。あとは日々実践あるのみです。
難しく考える必要は一切ありません。モノと向き合うときに、「これは今の自分に本当に必要?」「どうすれば心地よくすごせる?」と立ち止まり、問いかけてみましょう。そうすれば、しだいにあなたにとって心地いい「ミニマムな暮らし」へと変わっていきます。
暮らしのスリム化
モノを減らしていくのと同時に、暮らし自体もスリム化していきたいもの。そのためには、やるべきこと、しなければならないことといった、「コト」を減らしていきます。
ストレスに感じていること、本当はやりたくないことなど、「今の自分に必要かどうか」を基準に見直しましょう。完全にやめられないことも、別の方法に置き換えたり、人に頼んだり、選択肢を増やせるといいですね。
心と空間を整える習慣
部屋の乱れは心の乱れともいいますが、あなたのお部屋はいかがですか。モノが少なければ少ないほど、片付けや掃除にかける時間も手間も少なく済みます。
いつも完璧にする必要はありません。大切なのは、自分自身が心地よくすごせるかどうかです。朝の身支度の合間に、あるいは夜寝る前に、ササっと気になる場所を整えるだけでもOK。いつも心地いい状態をキープできます。
お買い物計画
セールやバーゲンの誘惑に負けると、モノが増えてしまうことは目に見えています。お買い物を計画的にするためには、自分の持ち物を把握することが大切です。スマホで写真を撮っておく、手帳に持ち物リストを書いておくなど、出先でもすぐにチェックできるようにしておきましょう。実際にやってみると、持ち物は少ない方が管理しやすいことが感じられるはずです。
思い出は心に残す
旅先で、あるいは日常の中で、思い出を残したいことってありますよね。そのつどお土産を買ったり、記念に取っておいたりすると、時を経るにしたがってモノも際限なく増えていきます。
思い出はモノで残さなくても大丈夫。あなたには「心」という無限の思い出ボックスがあります。一つ、また一つと思い出を心に残していくと、モノはなくても心が豊かになっていくことを、時間をかけて感じてみてくださいね。
「ミニマムな暮らし」で心を豊かに
もしあなたがどこか満たされない思いを抱えているのなら、身のまわりを見つめ直してみませんか。モノが多すぎるがゆえ、見えないストレスまで抱え込んでいるかもしれません。
いらないものは手放し、心が豊かになる「ミニマムな暮らし」にシフトしていく選択があるということを、知っておいてくださいね。
不要なものを持たないミニマムライフには憧れるけれど、何から始めたらいいか分からない。とりあえずモノを減らしてみたけれどうまくいかない……。「ミニマムな暮らし」はモノを捨てればいいというわけではありません。ではどうすればいいのでしょうか? 「ミニマムな暮らし」の考え方、ルール、さらに実践方法をいっしょに学んでいきましょう。