子どもの“潜在能力を引き出す”育児、はじめませんか*
今回は、そのような『モンテッソーリ教育』を、家庭で実践するポイントを4つ、ご紹介したいと思います。大人が子どもに対して直接的な手助けをすることなく、あくまで自主性が育まれるよう、“成長へと導いてあげる”モンテッソーリの考えは、きっと育児に悩んでいるお母さん・お父さんにとって、視野が広げるきっかけになるはず。
スポンジのように何でも吸収する乳幼児期。『モンテッソーリ教育』の教えを手がかりに、わが子の興味や好きなことを伸ばし、潜在能力を開花させてあげてくださいね。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
【はじめに】『モンテッソーリ教育』って、どんなもの?
子どもが「主人公」、大人は「黒子」
『モンテッソーリ教育』とは、イタリアの女性医学博士、マリア・モンテッソーリが提唱した、子どもの科学的な観察に基づいた幼児教育メソッドです。子どもの発達段階に合わせた、自主性を育む働きかけを行う方法、また、大人が理解しづらい乳幼児期の子どもの行動と、その対応の仕方を教えてくれるものにもなっています。
世界中から支持を得ており、日本の保育園・幼稚園でも導入しているところがあります。
『モンテッソーリ教育』で特徴的なのが、⼤⼈の役割は、あくまで「黒子」だということ。⼦どもがやりたいことを“ひとりでできるように”環境を整えてあげることと、少しの手助けが、大人の役割なのです。⼤⼈が⼦どもをどう援助するか、いかにして間接的に導いてあげられるかが、子どもの自主性を育むための⼤きなポイントになっています。
子どもは、自らを成長・発達させる力をもって生まれてくる。 大人(親や教師)は、その要求を汲み取り、自由を保障し、子どもたちの自発的な活動を援助する存在に徹しなければならない。
敏感期(=発達の旬)を見極めることが大切。
『モンテッソーリ教育』に触れると必ず出てくるキーワードが、「敏感期」。モンテッソーリ教育では、子どもの発達を24歳までの期間で考えており、なかでも第一期は0-6歳までとしています。
この第一期の発達段階において、“ある能力”を獲得するために、どの子どもにも一定期間やってくるのが、「敏感期」。周囲の環境にある一定のものに対してのみ、感受性が特別敏感になり、その能力を獲得しようとします。“ある能力”とは身体的・精神的なもので、下記の例のように、運動、言語、秩序感などが挙げられます。
・運動の敏感期:0-3歳/ハイハイ、歩くなどの基本の運動機能が発達する時期、3-6歳/動きを洗練させ、コントロールする時期
⇒ティッシュを引っ張り出す、階段の上り下りなど、同じ動作を繰り返す。何でも自分でやりたがる。
・言語の敏感期:0-3歳/「話し」言葉に対して言語を獲得する時期、3-5歳/「文字」に対して言語を獲得する時期
⇒0-3歳/うるさく感じるほどおしゃべりになる。3-5歳/絵本などの文字に興味が出てくる。
・感覚の敏感期:0-3歳/五感を使って感じたことを、自分の中に取り入れていく時期、3-5歳/五感を使って自分に取り入れたことを、整理していく時期
⇒0-3歳/「空が暗いな」、3-5歳/「今日の雲は白じゃなくてもっと暗い色だな。雨が降りそうだな」と感じる。
・秩序の敏感期:6か月-3歳/自分の位置や場所を把握するために、周辺の秩序を守ろうとする時期
⇒ものごとを行う順番や場所、やり方に強いこだわりを見せる。
※敏感期には個人差があります。
これらの「敏感期」の発達ニーズを理解したうえで、適した環境を準備することが、モンテッソーリ教育の基盤です。この期間は限られていて、この時期を過ぎてからその能⼒を獲得するには、多⼤な労⼒が必要になります。
この「敏感期」のタイミングを意識して、これからご紹介する「育児の心得」を実践すると、効果的な働きかけができますよ。
『モンテッソーリ教育』に学ぶ、家庭における育児の心得[4か条]
1.自分でやりたがることを、“ひとりでできる”環境をつくる
例えば脱いだ服を、大人のまねをして⾃分でハンガーにかけたがったら、背の低いコートかけと⼩さいハンガーを準備。子どもの目線になって、大人と同じことができるように工夫してみてください。
2.“自主的な”お手伝いをさせる
3.「好き!」のサインを示したことは、思う存分専念させる
そのように、お子さんが「好き!」を示したことは、思う存分専念できる環境づくりをしてあげて。例えばお絵かき好きな子には、その道具一式と専用の収納場所を用意してあげて、自分ひとりでも遊んで、片付けられるように。片付けも遊びの延長として、自分で管理することを習慣づけてあげましょう。⼦どもの興味や好奇⼼をうまく読み取って、そこを個性として伸ばしてあげたいですね。
4.外は、色んな気づきの宝庫。新たな体験の機会をつくってあげる
モンテッソーリ教育は室内教育と思われがちですが、外で遊ばせることはとても⼤切です。室内では体験できないことが、外にはたくさんあるからです。アリの行列といった、足元の小さな出来事であっても、ひたすら目が釘付けになることがあります。それは⼦どもなりになにかを習得しようとしている証拠で、とても意味のあることなのです。
子どもの将来を明るく照らす、第一歩を。
いかがでしたでしょうか。幼少期の子どもに対する大人の役割は、子どもが自主性を育めるように生活環境を整えてあげること。今、わが子がどの敏感期なのかをよく観察し、うまく対応してあげることが大切なのです。
ぜひ、子どもの五感を積極的に刺激して、なにか興味のありそうなことがあったら、上手に生活に取り入れてあげてくださいね。きっと、子どもの将来を明るく照らす、第一歩になるはずです。
『モンテッソーリ教育』をご存知でしょうか。これは、人格形成の大切な時期である乳幼児期において、「子どもの自主性を養う」ことを重視した、イタリア生まれの教育メソッド。
日本を含む世界中の保育園・幼稚園で導入されており、ビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグら大企業の創業者をはじめ、最近では、史上最年少プロ棋士・藤井聡太六段が受けていたことでも一躍話題に。「天才を育てる教育法」として注目を集めています。