スポンジ並みに吸収する力を持つ小学校時代に。本を読む環境づくりを
【11選】「小学校 1年生~2年生」のときに読んでほしい本
『きえた犬のえ ぼくはめいたんてい』
人生初・ひとりで読む推理小説にぴったり!
『あおい目のこねこ 』
なにがあっても前向きに!素敵な生き方が学べる1冊
ねずみのくにを探すあおい目のこねこ。5匹のきいろい目のねこたちや犬と出会って、さまざまな出来事を体験します。テンポよく進むお話しとポジティブなこねこの様子が魅力的。子どもはもちろん、大人でも愛読書にしている人が多い1冊です。
シンプルでキュートなイラストも必見ですよ。
『エルマーのぼうけん』
未知の世界への冒険に胸が躍る
どうぶつ島に囚われたりゅうの子どもを助けに行くエルマーの冒険物語。リュックにつめた輪ゴムや歯ブラシ、磁石に虫めがねなど、身近なアイテムを役立たせ、冒険を進めていきます。見開きページに描かれた「みかん島とどうぶつ島のちず」を眺めながら、物語を読むと、エルマーと一緒に冒険している気分が味わえそう!
日本でも50年以上に渡って読み継がれている、名作中の名作。『エルマーとりゅう』、『エルマーと16ぴきのりゅう』と続編もあります。わくわくした気持ちを大切にできる冒険小説です。
『もりのへなそうる』
ユーモラスでかわいい「へなそうる」に夢中になれる
兄弟のてつたくんとみつやくんは、お弁当を持って森へ探検に。そこでおもしろい怪獣「へなそうる」と出会います。かわいらしい「へなそうる」の言葉や言動が笑いを誘い、どんどん不思議な世界に引き込まれて、夢中になれる1冊。
前出の『エルマーとりゅう』の訳者であるわたなべしげおさんと、『ぐりとぐら』の挿絵で有名なやまわきゆりこさんの絵本です。子供らしい遊びの世界の広がりに、子どもはわくわくし、大人はどこか懐かしいような気持ちになれますよ。
『ながいながいペンギンの話』
ふたごのペンギンの成長にわくわくドキドキ!
南極に生まれたアデリーペンギンのふたご、ルルとキキの冒険の物語。なんにでも積極的に取り組む兄のルルとちょっぴり臆病だけど優しい気持ちを持つ弟のルルが、厳しい自然に立ち向かい、成長していくお話しです。
1957年に出版され、人気のロングセラー童話のひとつとなりました。困難に直面しながらも、それを乗り越えていくルルとキキが魅力的に描かれています。
『ふらいぱんじいさん』
キュートでカラフルな挿絵も魅力的*はじめて自分で読む本におすすめ
卵を焼くことが大好きなふらいぱんじいさん。ある日、おうちに新しい目玉焼きなべがやってきて、ふらいぱんじいさんは、旅に出ることになります。ジャングルで動物たちに出会ったり、砂漠や海を越え、大冒険を繰り広げ…。
50年以上、子どもたちに愛されてきたふらいぱんじいさんの本。全編ひらがなで書かれていて、ひとりで本を読み始めた子どもたちにぴったりです。『ぐるんぱのようちえん』でもお馴染みの堀内誠一さんが絵を担当。カラフルで楽しい雰囲気の挿絵にも心惹かれますね。
『ももいろのきりん』
クレヨンの木を探す、るることキリカの冒険物語
るるこが桃色の紙で作ったきりんのキリカ。2人はすぐに仲良しになりますが、雨に濡れたキリカの首は色あせてしまいます。るることキリカは首の色を塗りなおすために、クレヨンの木を探す冒険へ。ラストにあらわれるお礼を羨ましがる子どもたちの声が聞こえてきそうな物語です。
『ぐりとぐら』で有名な中川李枝子さんと画家で夫の中川宗弥さんの2人で作った絵本は、愛と温もりがたっぷり!明るい色使いに心も躍ります。
『ふたりはともだち』
世界中で愛され続けるがまくんとかえるくんに勇気づけられる!
仲良しのがまくんとかえるくんの2人の微笑ましいやり取りが綴られる『ふたりはともだち』シリーズ。こちらは第1冊目で、5つの短いお話しが集められています。最後のお話し、『おてがみ』は、道徳の授業で教材として取り上げられることも多い有名なお話し。まずは、自分で読んでおくと、考え方がぐんと広がります。
2021年に4冊のシリーズ既刊から名場面を集めた『ふたりはずっと』も刊行され、話題に。子どもの時に共感できるエピソードも多い『ふたりはともだち』シリーズですから、機を逃さないよう、読んでほしいですね。
『ロボット・カミイ』
リアルな子どもの世界観にぐいぐい引き込まれる
紙のロボット、ロボット・カミイと幼稚園児たちの交流を描いた名作。いたずらっこでわがままなロボット・カミイに振り回される幼稚園児たちの気持ちになって、子どもたちもあっという間にお話しに引き込まれてしまいます。
さまざまな感情について考えるきっかけになる1冊。堀内誠一さんが描く表情豊かな絵も必見です。
『スーホの白い馬』
モンゴルに伝わる馬頭琴の伝説に涙が止まらない
モンゴルの楽器「馬頭琴」の由来といわれる、悲しい物語です。スーホは大切に育てた白い馬と共に、殿様の競馬大会で優勝します。一等になった者は殿様の娘と結婚できるといわれていたのに、貧しいスーホに殿様はひどい仕打ちを…。
小学校2年生の教科書にも採用されたお話しです。辛く切ないラストは、子どもの心にも深く響くはず。読み終えた子どもに、どんな感想を持ったか、聞いてみるといいですね。
『大きい1年生と小さな2年生』
勇気を出して!登場人物の心を応援できる
体は大きいけれど、泣き虫の1年生のまさやと、体は小さいけれど、しっかり者の2年生であるあきよがさまざまな出来事を通して、成長していく姿を描いた物語。50年以上の時を経てなお、愛されるロングセラー小説です。
子どもの時に読むと、まさややあきよの行動を自分の体験として感じることができ、大人になってから読むと子どもたちの親目線で彼らの行動を見守ることができます。子どものうちに読んでほしい本のひとつです。
【13選】「小学校 3年生~4年生」のときに読んでほしい本
『大どろぼうホッツェンプロッツ』
賢い子どもたちと大どろぼうの知恵比べにハラハラドキドキ!
おばあさんが大切にしているコーヒーひきが大どろぼうホッツェンプロッツに盗まれます。おばあさんにこのコーヒーひきを贈った孫のカスパールと友達のゼッペルが大どろぼうを捕まえに!賢い少年たちの活躍が光る冒険物語です。
50年以上の時を経てなお愛されるこの作品。続編の『大どろぼうホッツェンプロッツふたたびあらわる』『大どろぼうホッツェンプロッツ三たびあらわる』の3部作として親しまれています。挿絵も多く、初めての文庫本としてもおすすめの1冊。
『くまの子ウーフ』
子どもの好奇心を広げる助けになる1冊
遊ぶこと、食べること、考えることが大好きなくまの子ウーフ。ウーフが毎日の中で生まれる疑問に、自分なりの答えを見つけていきます。
小学校の国語の教科書でも取り上げられるこの作品は、新たな気付きを得られる名作です。子どもらしい視点、子どもらしい感覚を大切に、子どもの頃にしか味わえないウーフへの共感をしっかり養っていってほしいですね。
『手ぶくろを買いに』
親子の愛を確かめる不朽の名作
手が冷たいと言う子ぎつねに手袋を買ってあげたい母さんぎつね。子ぎつねの手を人間の手に変え、手袋を買いに行かせますが、子ぎつねは間違ってきつねの手の方を帽子屋さんに出してしまって…。親子の愛を感じる名作物語です。
小学校三年生の教科書で採用されていた『手ぶくろを買いに』は親世代でも読んだことがある人が多い作品ですよね。情感たっぷりに描かれる挿絵も魅力的。絵は『ころわんシリーズ』でも有名な黒井健さんが担当されています。
『長くつ下のピッピ』
自由奔放に生きる、世界一強い女の子・ピッピが魅力的
世界一強い女の子、ピッピは9歳にしてお父さんと死に別れ、天涯孤独の身に。お父さんが生前用意していた別荘「ごたごた荘」の存在を知り、サルのニルソン氏と一緒にそこで暮らし始めます。天真爛漫なピッピとピッピに巻き込まれる周りの人たちの楽しい毎日が明るく描かれる物語。
スウェーデンでの刊行はなんと1945年という超ロングセラーの作品です。今では100以上の国で出版され、世界中で愛される名作となりました。自由気ままに生きるピッピの姿に、子どもたちは計り知れない魅力を感じるようですよ。
『火曜日のごちそうはヒキガエル』
決して諦めない主人公の強さと心の優しさに、心惹かれる
ヒキガエルの兄弟のウォートンとモートン。料理の得意なモートンが作ったお菓子を、ウォートンがおばさんに届けようと出かけると、途中でミミズクに捕まってしまいます。ミミズクは6日後の誕生日にウォートンを食べることに。誕生日までの間のウォートンとミミズクの心が移り変わっていく様子は必見!
課題図書にも選ばれたことがある本書。続編も出ています。子どもはもちろん、大人にも響くものが多い児童文学作品です。未読の方は、子どもと一緒に読んでみてもいいですね。
『ドリトル先生アフリカゆき』
動物とドリトル先生の心温まる交流に、ほっこり!
動物と話しをすることができるドリトル先生は、動物たちのためにアヒルのダブダブ、犬のジップ、ブタのガブガブたちを連れて、アフリカへと向かいます。大人気、ドリトル先生シリーズの第1作目です。
こちらの第1作は、なんと1922年にアメリカとイギリスで刊行されたというロングセラー児童文学で、世界中で今なお変わらず愛されている作品。作者のロフティングさんは、お話しだけではなく、挿絵も自分で担当していたというから驚きです。動物たちと楽しく関わるドリトル先生が非常に魅力的に描かれています。
『車のいろは空のいろ白いぼうし』
はじめてのファンタジー童話におすすめの1冊
空色のタクシーを運転する松井さんがちょっぴり不思議な世界へと誘われるファンタジー物語。8話のお話しが集められた短編集で、表題にもなっている「白いぼうし」は教科書にも長年、取り上げられていた名作です。
どのお話しも、松井さんの優しい言動に心癒されます。続編は『車のいろは空のいろ春のお客さん』と『車のいろは空のいろ星のタクシー』の2作。読めば読むほど、松井さんに会いたくなりますよ。
『小さなスプーンおばさん』
なんにでも前向きに、明るく取り組むスプーンおばさんに魅了される
ある日、ティースプーンほどの大きさになってしまったおばさん。持ち前の明るさと機転の良さで、困難を乗り越えていきます。優しい旦那様や動物たちとのやり取りも軽妙で魅力的。前向きに生きていくことへの興味が湧く1冊です。
ノルウェー出身のアルフ・プリョイセンさんの『小さなスプーンおばさん』は世界各国で翻訳され、大人気に。日本では、『スプーンおばさん』という題名のアニメとして放送されていたので、親世代でも親しんでいた人が多いかもしれません。今の状況を受け入れて、暮らしを楽しんでいくことを学べますよ。
『きまぐれロボット 』
子どもが大好きなテーマで紡ぐショートショートの名作
星新一さんの珠玉のショートショートが31篇集まった短編集。3ページほどの短さの中に、オチが付く面白さを体感できる1冊です。博士、ロボット、宇宙人など、子どもが大好きなテーマがたっぷりと扱われています。はじめてのショートショートにもおすすめ。
子どもの時に感じる不思議さと、大人になってから味わう不思議さにはちょっぴり差があるかもしれません。少ない文字数にぎゅっと情報が詰め込まれている面白さは、大人になってから気づくことかもしれませんね。
『エーミールと探偵たち 』
少年時代のハラハラドキドキを読者も一緒に味わえる
おばあさんの家に行く途中、お母さんが懸命に貯めたお金を盗まれてしまうエーミール。見知らぬ街で出会った少年たちがエーミールを助けるため、一緒に犯人を捕まえようとしますが…。諦めないエーミールと少年たちの大冒険の物語。
少年たちが一致団結して悪い大人を追い詰めるストーリーに、読んでいる子どもたちもあっという間に夢中になります。子どものうちに、ぜひ、味わってもらいたい友情と冒険の物語です。
『モチモチの木』
小学校の教科書にも採用されている、日本の名作絵本
怖がりで弱虫の豆太は、大好きなじいさまのために夜の峠をお医者様を呼びにひとりで走ります。豆太の勇気と思いやりに胸が熱くなる不朽の名作。
小学校三年生の教科書で採用されている「モチモチの木」は美しい切り絵が印象的なロングセラー絵本です。モチモチの木に灯りが灯るシーンの圧倒的な存在感は、大人になってもなお忘れられないものになりますよ。
『注文の多い料理店』
ちょっぴり怖くて面白い!はじめてのブラックユーモア本にもおすすめ
宮澤賢治の代表作のひとつである『注文の多い料理店』。狩りを楽しんでいた猟師たちが、不思議な世界へと迷い込み、動物たちに食べられそうになるという、ブラックユーモア溢れる物語。
本書は、可愛らしいイラストで人気のイラストレーター、和田誠さんが絵を手がけており、子どもでも宮沢賢治の世界観にすっと入り込みやすい雰囲気を持っていますよ。
『不思議の国のアリス』
言葉遊びの妙が冴えるファンタジーの名作
白うさぎを追いかけて、穴の中に飛び込んだアリスは、不思議な世界へ。チャシャ猫や帽子屋、三日月ウサギなど魅力的なキャラクターと共に、へんてこな体験をたっぷり味わいます。
刊行から100年以上が経った今でも世界中で愛され続けるファンタジー童話の名作中の名作です。アリスの世界が気に入ったら、続編の『鏡の国のアリス』もおすすめ。
【13選】「小学校 5年生~6年生」のときに読んでほしい本
『モモ: 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語』
心に響くたくさんの名言に出会える。何度も読みたくなる1冊
街の円形劇場に住むモモは不思議な力を持つ女の子。人々の時間を奪おうとする「時間貯蓄銀行」からやってきた「灰色の男たち」にモモはひとりで立ち向かっていきます。
時間とは、豊かさとはというように、哲学的なテーマが散りばめられた本書。趣深いモノクロの挿絵もエンデ自身の作です。考え方や気持ちのありようで、小学校高学年くらいの時の感想と、中学生、高校生になった時の感想、そして、大人になってからの感想と変化をもたらしてくれます。折に触れて読んでおきたい1冊です。
『飛ぶ教室』
寄宿学校を舞台に繰り広げられる青春物語
ドイツの寄宿学校で、個性的な5人の少年たちが繰り広げる青春の物語。ライバル校との対立や信頼できる大人や仲間たちとの関わりなどを通して、それぞれが成長していきます。
題名の『飛ぶ教室』とは、彼らが演じるクリスマス劇の名前です。少年たちの生き生きとした様子にワクワクし、大人たちの言葉にウルっときたり。寄宿学校で過ごしてみたくなるかもしれませんね。
『チョコレート工場の秘密』
ブラックユーモア好きにはたまらない面白さ!人気映画の原作本
世界一有名なチョコレート工場の見学に、特別に招待された5人の子ども。謎めいた工場で、チャーリーたちは驚くべき体験をしますが…。
1964年にイギリスで刊行されロングセラーとなって、世界中で読み継がれている名作です。映画『チャーリーとチョコレート工場』の原作本で、ブラックユーモアあふれるユニークな物語。長めのお話しですが、途中で文字の大きさが変わったり、歌が入ってきたりと飽きさせない工夫もたっぷりです。
『ライオンと魔女』
イギリスの王道ファンタジー小説*大人も楽しめる1冊
ロンドンから疎開してきた4人の兄弟が、洋服箪笥の入り口を通ってナルニア国へと引き込まれ、魔法の世界で大活躍する物語。壮大なナルニア国物語の第1作目のお話しです。
動物たちが喋り、妖精や神話上の生き物たちが暮らすナルニア国での大冒険は、王道ファンタジー小説の展開。最後までハラハラドキドキしながら、楽しめます。ナルニア国の世界観にすっと馴染めたら、全7巻も苦にはなりませんよ。
『霧のむこうのふしぎな町 』
不思議な町へと続く道を探したくなる!日本のファンタジー童話
6年生のリナは、夏休みにひとりで旅に。霧の谷の森を超えると、美しい洋館が建ち並ぶ不思議な街へとたどり着きます。リナは「働かざる者食うべからず」がモットーのピコットばあさんのもとで、街の人たちと交流し始め…。心温まるラストに感動できる、日本発のファンタジー童話です。
映画『千と千尋の神隠し』の着想のベースになったともいわれる本書。小学生のうちにぜひ、読んでほしい1冊です。親元を離れ、異世界で一生懸命に過ごすリナに、いつの間にか自分を重ねることができますよ。
『大きな森の小さな家 ―インガルス一家の物語』
アメリカ開拓時代の雰囲気を堪能できる人気シリーズの第1作
大きな森にある小さな家で暮らすインガルス一家。三姉妹の次女であるローラの毎日を中心に、アメリカの開拓者の暮らしを描く小説シリーズ『大草原の小さな家』の第1作目です。優しい母さん、不屈の精神を持った父さん、長女メアリー、三女キャリーと共に暮らすローラが、5歳から6歳になる1年間の生活を描いています。
作者はローラ自身で、半自叙伝的小説であるといわれている本書。テレビシリーズ『大草原の小さな家』として全9シーズンにもわたり放送されたことでも有名です。開拓者たちの厳しい暮らし、そして家族との絆など、たくさんのことを学べる1冊です。
『銀河鉄道の夜 』
幻想的で美しい銀河鉄道の旅*切ない哀しみに心が震える
星祭りに向かう途中、いつの間にか夜空を駆け抜ける銀河鉄道に乗っているジョバンニ。友達のカムパネルラと共に、夜の銀河の旅に出かけます。幻想的な美しさと哀しさが印象的なファンタジー童話です。
宮澤賢治の代表作のひとつである本書。1934年に最初の刊行となったロングセラー小説で、映画、演劇、ドラマ、プラネタリウム番組などさまざまな媒体でも愛されてきた名作です。「本当の幸せ」について考えるきっかけとしておすすめの本。
『クローディアの秘密』
退屈な毎日を打破する魅惑的な家出の先は、メトロポリタン美術館!
弟を誘って家出をしたクローディア。家出先はなんとニューヨークのメトロポリタン美術館です。ところが、家出そっちのけで、ミケランジェロの作とされる天使の像の秘密の謎解きに夢中になってしまうクローディアたち。家を出た時とは違った自分になりたい少女の冒険の物語です。
アメリカの最も優れた児童書に贈られるニューベリー賞を受賞したこともある本書。クローディアと同じ年ごろに読むと、共感できるポイントが多いお話しです。ぜひ、子どものうちに手に取ってほしい1冊。
『星の王子さま 』
「大切なものは目には見えない」の言葉で知られる名作中の名作
砂漠に不時着した飛行士の「僕」は、小さな星からやってきた王子様と出会います。王子様がこれまで訪れたさまざまな星の話を聞くうち、2人には不思議な絆が生まれて…。切ないラストに胸が熱くなる物語です。
フランスの飛行士・サン=テグジュペリさんによって書かれた本書は、1943年にアメリカで刊行され、その後世界中で愛されてきた名作中の名作。200以上の国と地域で翻訳されているといわれています。命、愛、絆、責任など哲学的に読み解くこともできる一面もあり、読み返すごとに違った考えを持つことができる1冊。子どもの頃だけではなく、大人になってからも何度も読みたくなりますよ。
『二十四の瞳 』
戦争について考えるきっかけになる1冊
女子師範学校を出たばかりの大石先生は、海辺の村の学校の小学校1年生を担当します。さまざまな出来事を通して、絆を深めた先生と生徒たちですが、戦争は暗い影を落とし、みんなが辛い時代を過ごすことに。四十になり、再び教壇に立った先生は、昔の教え子たちと再会し…。心温まる師弟愛を描く名作です。
戦争のあった昭和という時代背景を学ぶこともできる本書。祖父母の世代でも戦後生まれが増え、伝え聞くことができなくなった今、ぜひ、子どものうちに読み、戦争について考えるきっかけとしてほしいですね。
『海底二万マイル』
神秘的な海底の様子にワクワク!SFの父の最高傑作
海難事故の謎を解くため調査に向かった海洋学者の主人公。海で溺れそうになっていたところを、潜水艦ノーチラス号のネモ船長に助けられ、捕虜として海中の旅に出発することになります。
本書は、1870年に刊行された、壮大な冒険小説です。作者のジュール・ベルヌさんはSFの父とも呼ばれる偉大な作家で、他に『80日間世界一周』、『十五少年漂流記』などでも有名。神秘的な海底の様子や、切迫する人間関係に引き込まれます。SF小説が好きな子どもには特におすすめの1冊です。
『若草物語 』
小さな貴婦人への一歩を踏み出した四姉妹に夢中になれる!
南北戦争の時代、戦地へ従軍牧師として赴く父が不在の中、優しい母と仲睦まじい四姉妹の日々の暮らしが描かれた物語。四姉妹それぞれが思い悩みながらも、大人の女性へと成長していく過程が丁寧に描かれています。
本書はアメリカの作家ルイーザ・メイ・オルコットさんの自伝的小説で、次女のジョーは作者自身がモデルだそう。映画やアニメ、舞台などでもたびたび取り上げられ、知名度も高い作品。思春期にある子どもたちにぴったりですよ。
『坊っちゃん』
登場人物の魅力が光る!最初の夏目漱石本としてもおすすめ
四国の中学に数学教師として赴任した坊ちゃんが、赴任先でさまざまな人と出会い、奮闘する様を描いた物語。夏目漱石さんの代表作のひとつで、松山中学に赴任していた体験をもとに書かれたといわれています。
1906年の発表から、長く読み継がれてきた名作です。漱石さんはこのお話しをわずか10日ほどで書いたそう。リズミカルな文章は親しみやすいんですよ。中学校で教材として取り上げられることが多い作品なので、国語が得意な子どもに特におすすめの1冊です。
おしまいに
小学生のうちの読んでほしい本はたくさん!ぜひ、今回ご紹介した本だけではなく、新たな本との出会いを大切に、いろいろな本を子どもたちに教えてあげてくださいね。
大人気シリーズ『ぼくはめいたんてい』の記念すべき第1冊目の『きえた犬のえ』。名探偵のネートが仲良しの友達、アニーの描いた犬の絵を探すという推理小説です。パンケーキが大好きなネートの可愛らしい一面にも惹きつけられます。はじめての謎解き小説としてもおすすめの1冊。
漢字にはふりがながふってあるので、小学校低学年の子供でもひとりで読み進められますよ。物語のドキドキ感を味わうと、シリーズ全部を読破したくなってしまうかもしれません。