デンマークは幸福度が高い幸せの国?
デンマークは税金が高いけれどその分社会保障がとても手厚く、医療費も無料、教育費も大学まで無料なのだとか。
だから「将来が不安だからお金を貯めておかなくては」「子供の養育費の為に働かないと」と日本人にありがちな考えにはならないのかもしれませんね。
また、女性の社会進出や出産後の社会復帰などジェンダー平等の先進国としても有名です。女性が安心して働ける環境が整えられているのは素晴らしいことですよね。
でも、それらの背景だけで常に幸福度ランキングで世界1位、2位を獲得し続けるでしょうか?そこにはデンマーク人ならではの「ヒュッゲ」が深くかかわっているように思えます。「ヒュッゲ」から幸せのヒントを学んでいきましょう。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
「”HYGGE” ヒュッゲ」ってどういうこと?
デンマーク語の“HYGEE”(ヒュッゲ)とはデンマーク人がとても大切にしている、時間の過ごし方や心の持ち方を表す言葉です。
日本語ではぴったりくる言葉が難しいのですが、ほっとくつろげる心地よい時間、またはそんな時間を作り出すことによって自然と生まれる幸福感や充実感、そして暮らしを楽しむ姿勢とも呼べるかもしれません。
「ヒュッゲ」に習う、幸せのヒント10
ヒント1 家族や友人との時間を大切にする
デンマークの人は家族はもちろん友人や隣人との繋がり、絆をとても大切にします。
一人の状態で「ヒュッゲ」ということもなくはないのですが、人と共有する時間や空間から生まれる心地よさの方が「ヒュッゲ」と表現するのにピッタリくるようです。
家族で過ごす時間を大切にすることはもちろん、友人や近隣の人を招いてホームパーティもよく開かれるのだそう。
ヒント2 時間の流れを意識する
デンマークの人は残業をしないそうです。朝は7時頃から働き始め、夕方16時頃には業務を終え、その後の時間を大切に使うそう。家に帰ってわいわいと過ごす「ヒュッゲ」を楽しみます。
自分の時間がゆったりととれれば、心にも余裕が生まれ、時間の流れを意識しながら生活できそうですね。
残業などで仕事の拘束時間が長く、家族の協力が得られにくい環境での家事や育児で忙しくなりがちな日本の女性の多くは、時の流れを意識することを忘れがちになっているのかも。
でも、日本には春夏秋冬という四季あり、それにちなんだ風習、例えば端午の節句、七夕、お盆、お月見などがあります。
その時期の飾りをどこかに簡単に置いてみるなど、忙しい中でも負担をかけずに出来ることのなかで、季節の移ろいを感じ、時間の流れを意識してみるのもいいかもしれません。
ヒント3 無理をしない 見栄をはらない
デンマーク人は飾らない、気取らない気質、国民性なんだそう。一見冷たい印象を持たれがちですが、付き合えば付き合うほどフレンドリーに接してくれます。
ホームパーティをよくするデンマークですが、ゲストもお客として招かれるというより、料理を作るところから参加するのが普通。
これが日本だと「家に呼ぶには片付けないといけない」「出す料理はどうしよう」となりますが、そこにはいつもキレイにしている、料理上手だと思われたいという見栄も少し見え隠れしますよね。
素の自分を見せることが、素の付き合いに繋がるという思考のデンマーク人。ホームパーティからも無理をしない姿勢が垣間見れます。日本人も、見栄をはらず時には手抜きをするくらいがいいのかもしれません。
ヒント4 自然を身近に感じる
冬が長いデンマークですが、その分夏は思い切り外の生活も楽しみます。ピクニックやバーベキューなど自然を身近に感じながら「ヒュッゲ」な時を過ごします。
また、デンマークでは車の登録料が高いこともあり自転車に乗る人が多数。日々、風を体で感じながら通学や通勤をするんだそう。
ヒント5 物を大切にする
デンマーク人は家で過ごす時間が長いことからか、椅子をとても大切にするそう。
選ぶ時もとても長い時間をかけてじっくり選びます。時には1時間くらい座って決めることも。自分にとって一番リラックスできる場所となるので妥協はしません。そのかわり、選んだ椅子はとても大切に扱い長く使います。
気に入った物は代々受け継いでいることも。物からも「ヒュッゲ」を感じることができます。
ヒント6 心地いい空間作りを心掛ける
ヒント7 ミニマムに暮らす
デンマーク人はミニマリスト。必要なものを追求するという文化が根付いているんだそう。
余計なものは持たない、でも全て捨てるという訳ではなく先程の椅子のように必要なものにはお金を惜しまないそう。
これは、家の中にもあらわれていて、日本とほぼ家の広さが変わらないデンマークですが、スッキリとしているので広く感じます。
結果、お気に入りのこだわり抜いた物に囲まれる家に。大切に使うからこそ愛着が湧き、心地いい空間になっていくという、素敵なスパイラルが生まれます。
ヒント8 手作りのぬくもりを感じる
デンマークでは冬が長く厳しいことから、母親が子供たちに、または祖母が孫たちにセーターや靴下を手編みして着せていることも多いそう。
手作りならではのぬくもりや温かみは、心を豊かにしますよね。これも幸せを感じる「ヒュッゲ」に繋がります。
ヒント9 仕事に縛られない
デンマークの人はワーク・ライフ・バランスを取るのが非常に上手です。仕事に対するモチベーションもお金や出世などよりも、自分の仕事が好きだと感じ、自主性を持って働いている人がほとんど。
また、どれほど収入を増やしたとしても、ある一定額に達すれば半分が税金で徴収されるシステムになっています。納税額を高くすることで国家の福祉を充実し貧富の差を生じにくくさせているため、必死に「お金をもうけなくちゃ」となる必要がないことも大きな要因のよう。
先進国の中でも社会保障が充実しているといわれる日本ですが、税金によって富の再分配が徹底されていて将来の不安がないデンマークに比べると、働く環境はちょっとシビアかもしれません。
でも見習える点もあるはず。朝早くから仕事を始めて早く帰る。この姿勢は日本でも取り入れられそうですね。
夜に残業をするより、早起きして早くから仕事を始めれば、帰宅時間も早まるはず。帰ってからの時間がたくさんとれれば生活に豊かさを感じる瞬間も増えそうです。
ヒント10 今あるものに感謝する
デンマークの人たちは今あるものに感謝する能力に長けていて、今の状況に満足している人が多いんだそう。
厳しい気候の中でも、家での過ごし方を工夫したり、生活の中で小さな幸せ見つけて楽しんでいます。その姿勢こそが幸せを感じる最大のポイントかもしれません。
日本では、今あるものは当たり前だと思っていて、不平不満や自分の足りない所ばかりに目がいきがちな人が多そうですが、現状の中で感謝できることを見つけることから始めてみるのもいいですね。
何かモノや評価を得て満足ということではなく、小さなことでも感謝する、日常の何気ない時間を愛おしく思う、そんな心のあり方が幸せに近づく一歩かもしれません。
幸せは自分で見出すもの
いかがでしたか?「ヒュッゲ」を意識して生活することは、日常の小さな幸せを意識することに繋がります。
デンマークの人は「ヒュッゲ」が根底にあることで、日々丁寧に、感謝して暮らしている印象を受けます。
その姿勢こそが幸せに生きるポイントなのかもしれません。今置かれている自分の環境の中で、幸せを感じる瞬間を大事にすることを心がけてみませんか?
心の在り方ひとつで誰しもが幸せになれるのではないでしょうか。
デンマークは世界幸福度調査で2012年、2013年、2016年と第1位にランクインしています。2017年はノルウェーに次ぐ2位で、日本は51位という結果。
ほとんどの国民が今とても幸せだと感じているなんて凄いですよね。
※世界幸福度調査は、国連により2012年から毎年3月20日に150以上の国や地域を対象に行われ、世界幸福度報告書としてランキングが発表されます。