しなやかな心「レジリエンス」を育てよう
気分が落ち込んだり、ストレスやプレッシャーに弱かったり。嫌なことや辛いことの多い毎日に、心が折れそうになっていませんか。生きていれば、思い通りにならないことも多々あるものです。そんな逆境をものともしない心を、「レジリエンス」といいます。柔軟で弾力のある、しなやかな心を育てましょう。
自分の感情と距離をおく「と言葉」
負の感情でいっぱいのとき、「と言葉」を使ってみましょう。たとえばあなたが誰かに対し、「絶対に許せない」と思っているとします。そんなときは、「絶対に許せない……と思っている」と表現するのです。
「と言葉」を最後につけるだけで、あたかも他人事のように、自分の感情と距離をおくことができます。
捉え方を変える「ABC理論」
不快な感情の原因は、出来事そのものにあると思っていませんか。わたしたちの感情は、「出来事(A)→信念(B)→結果(C)」という流れで発生します。つまり、(B)の信念や考え方、捉え方しだいで、(C)の感情という結果は変わるのです。
「○○でなければならない」「○○であるべき」といった凝り固まった考え方をゆるめると、同じ出来事でも違ったように捉えることができます。
あえて言語化しない「フェルトセンス」
心の中にモヤモヤとわいてくる感情を、あえて言語化しないという方法もあります。怒りや悲しみに任せて出てきた言葉は、自分の本心とは異なる場合があるためです。よくわからない、ぼんやりとした感覚である「フェルトセンス」は、無理に言語化せず、どんな感じがするのかにフォーカスしてみましょう。
「アサーション」で自分の気持ちを表現しよう
仕事で無茶ぶりをされたり、断れない状況に追い込まれたり……。上司や同僚、ママ友など、付き合わざるを得ない相手に気を遣いすぎて、ストレスを感じたりモヤモヤを抱えたりしていませんか。自分の気持ちや状況を上手に伝える「アサーション」を身につけて、苦手な相手ともうまくやっていきましょう。
今置かれている状況を伝える
こちらにも事情や都合があるのに、お構いなく仕事や用事を押し付けられたとき。露骨に不満顔をして察してもらう、あるいは波風立てないよう言いなりになる、この二択しかないと思っていませんか。「アサーション」では、今あなたが置かれている状況を客観的に伝える、という選択肢を取ります。
相手の要望に対する、自分の気持ちを伝える
次に、あなたの気持ちを伝えます。たとえ不満や不服があったとしても、感情的にならないことが大切です。そうは言っても、どう伝えればいいか迷うときは、クッション言葉を使ってみましょう。「申し訳ないのですが」「ありがたいのですが」といった言葉で、相手の気持ちにも配慮するのです。
できることを提案する
あなたが相手に望むこと、あるいは代わりとなる手段や選択肢を示します。お互いの状況をすり合わせ、あなたも相手も納得できる落としどころを見つけるのです。今日は無理でも何曜日なら参加できる、今は手一杯でも何時からなら対応できる、というように。
お互いが納得できる選択肢をとる
あなたができることを提案すると、相手が「OK」か「NG」かを選択します。ここで相手の「NG」にひるむことはありません。また新たに提案すればいいだけなのです。どちらかの主張や要望を優先するのではなく、お互いが納得できる選択肢をとることが、苦手な相手ともうまくやるコツなのです。
身のまわりを整えて、ストレスフリーでいよう
わけもなくイライラしたり、いつも何かに追われているような感じがしたり。モノが散乱した環境に身を置いていると、集中力や認知能力が低下し、ストレスを助長させてしまいます。心のありようは、環境次第とも言えるのです。身のまわりのモノを整理整頓して、ストレスフリーな心に整えましょう。
「2割捨て」でモノを減らして管理しやすく
身のまわりのモノが多すぎると、管理しきれないことが無意識のストレスになります。何をどれだけ減らせばいいか分からないときは、「2割捨て」を目安にしてみましょう。使いきれないモノ、使い道の分からないモノ、用途が同じモノなど、ピックアップしてみると意外とあることに気が付くはずです。
使ったら元に戻す「ゼロリセット」を習慣に
使ったものは元に戻す「ゼロリセット」を習慣にしましょう。部屋や机の上などが散らかってしまうのは、使ったものを元の場所に戻していないから。「2割捨て」でモノの数を減らせば、「出す→使う→戻す」のサイクルが無理なく回り始めますよ。
迷ったら「1軍と2軍に分ける」
「捨てる」ことが苦手な方もいらっしゃいますよね。その場合は、今使う「1軍」のモノと、今は使わない「2軍」のモノとに分けて収納することです。「1軍」は取り出しやすい場所に、「2軍」はそうでない場所にしまいます。これだけでも随分と身のまわりが整い、日常の小さなストレスから解放されるでしょう。
しなやかで丈夫な心を育てましょう
しなやかで丈夫な心を育てる3つのメソッドをご紹介しました。ストレスフルな現状をどうにかしたいとき、自分を取り巻く状況は変えられなくとも、あなた自身の心のありようは変えられます。3つのメソッドをご参考に、できそうなところ、やってみようと思えるところから、お試しくださいね。
あなたは自分をどう変えたいでしょうか？ ゆとりをもちたい、すっきり暮らしたい、ストレスに強くなりたい、自分を大切にしたい……いろいろあるでしょう。そこで今回は、折れにくい心の育て方や、自分の気持ちの上手な表現方法、ストレスフリーでいる環境の整え方の、3つのメソッドをご紹介します。