暇ができればスマホチェック..。手/首/目を酷使していませんか
しかし、近年、そのようなスマホ依存体質になってしまうことで、「手首」「首」「目」を酷使することによって引き起こされる現代病が増えているんです。また、スマホだけでなく、パソコンの長時間にわたる動画視聴、パソコンマウスによる手首の酷使による病気も顕著に現れるように。
コロナが落ち着き始めた今、そのような体の不調について見つめてみませんか?
「スマホ・パソコンの使いすぎ」による、体のSOSをキャッチしましょう
今回は、スマホ・パソコンの使いすぎによる代表的な症状「ドケルバン病(=スマホ腱鞘炎)」、「ストレートネック」、「急性内斜視」、「スマホ老眼」についてご紹介。体のSOSをキャッチしてみましょう。
❶ 手首まわりのしびれ ≫≫手首の腱鞘炎「ドケルバン病」の可能性
● ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)とは
スマホの使い過ぎに加え、長時間にわたってパソコンのキーボードを打つ人・マウスを操作する人もなりやすいと言われています。
ドケルバン病とは、親指と手首(手関節)を繋いでいる2本の腱「①短母指伸筋腱」「②長母指外転筋腱」や、その2本の腱を覆うトンネルのような「③腱鞘(けんしょう)」が炎症を起こしている状態です。
《カンタン診断》こんな手首まわりの違和感、ありませんか
□ 手に力が入らなくなる
□ 親指側の手首あたりが痛む、腫れる
(親指を広げたり、動かしたり、力を入れようとすると、親指側の手首に痛みが生じます。手首が腫れることも。)
《アドバイス》~ドケルバン病にならない為に~
毎日のスマホ・パソコンの小さな動作の繰り返しから起こりやすい病気です。そのため最も効果的なのは、スマホを使う時間自体を短くすること。なんとなくだらだらとSNSを見る、投稿するといった時間を減らすことを心がけてみましょう。
●「スマホ操作は両手で」
スマホを使うときは、両手で持つようにしましょう。いつも同じ手、同じ指で操作することはスマホ腱鞘炎につながります。
●「スマホを持つときは力を入れない」
SNSに夢中になっているとついつい、スマホを強い力で握っていることがあります。手や肩にも負担をかけないよう、リラックスして軽く持つようにしましょう。
●「指や手を休ませる時間をつくる」
ドケルバン病には、スマホ依存症に陥っている方が多いそう。いつもスマホを触っていないと気分が落ち着かないという症状です。たとえば「夕飯後1時間は触らない」「お風呂には持ち込まない」といったように、少しずつスマホを触らない時間を増やしていくようにしましょう。
【ドケルバン病の主な治療法】
使いすぎている親指や手首をなるべく動かさないようにして、患部を安静に、休ませることが重要です。使わなくてはならない場合は、短時間ごとに、適度に休憩させましょう。
●「サポーター、テーピングを使って、適度に圧迫・固定」
これは、治療法というよりも、痛みを軽減させる方法として有効です。
●「ステロイド注射、手術」
痛みが強い場合や、消炎鎮痛剤などでも改善がみられない場合は、ステロイドの入った注射で炎症を抑えることもあります。力が入らない、再発を繰り返すといった場合は、手術を行うこともあります。病院によっては、局所麻酔で日帰り手術ができることもあります。
●「トラックボール操作型の傾斜マウスを使う」
ドケルバン病で腱鞘炎特有の痛みを抱えているものの、お仕事柄、パソコン作業をしなくてはならない方もいますよね。そのような方には、このような手首の負担をやわらげる傾斜マウスを使うのもおすすめです。絶大な支持を得ている商品です。
❷ 首まわりの痛み ≫≫「ストレートネック」の可能性
● ストレートネックとは
正常な人の姿勢とは、背筋はややまっすぐ、首の頸椎・首筋は緩やかなカーブを描きます。しかし「ストレートネック」の方は、下の図解(右側)のように、背中や肩がちょっと丸まって、頭が前に突き出すような、前かがみの姿勢が身に付いてしまっています。それによって首の頸椎がまっすぐ、“ストレート”の状態となり、肩こりなど色々な不調を招いてしまう生活習慣病です。
肩こりがひどい、首が痛い、頭痛がする…。これらの悩みはストレートネックの代表的な症状です。ストレートネックがこりや痛みを引き起こす理由は、頭部の重心が前方に移るため、首の筋肉だけでは頭を支えられなくなってしまい、周辺の筋肉が緊張してしまうためです。
そのほかにも、眼精疲労や手のしびれ、めまいや吐き気を引き起こすと言われていて、一説には顔のしわにまで影響をおよぼすとされています。そして厄介なことに、ストレートネックを直す薬はありません。
《カンタン診断》肩の力を抜いて、壁を背にして立ってみましょう
右側の女性のように、後頭部が壁につかず、隙間ができてしまった場合・・・前傾姿勢が癖となり、ストレートネックになってしまっている可能性が高いです。猫背、肩が前に出る、顎が前につき出るというのも、要注意の兆候です。
左側の女性のように軽く後頭部(髪の毛)が壁につく状態が、正常と言えるでしょう。頸椎も緩やかにカーブしており、首に受ける頭の重力を支えるのに、バランスが取れた姿勢です。
□ 首まわりが痛い(とくに上を向くとき)・肩こり・頭痛
□ 姿勢が悪く見える(他人からの印象も良いものではないでしょう)
□ 慢性的に体が疲れている
□ 顎のライン・下っ腹・おしりなどのたるみが目立ちやすくなる
《アドバイス》~ストレートネックにならない為に~
自ずと背筋がまっすぐになり、肩が内側に入って起こる巻き肩も解消されるはずです。
●「スマホ・パソコン・テレビを見る姿勢が、前かがみにならないように気を付ける」
デスクや椅子を使用する人は、その“高さ”が適切になるよう調整するのも有効な手段です。
●「“枕の高さ”が高すぎるとストレートネックになりやすい為、枕の高さを調整する」
(ほどよく頸椎のカーブをサポートする枕に)
●「肩甲骨はがしストレッチで、巻き肩を解消する」(下の動画ご参照)
【ストレートネックの主な治療法】
❸ 目がスマホ画面に近すぎ ≫≫「急性内斜視」「スマホ老眼」のリスク
● 急性内斜視とは
近年、若者を中心に「急性内斜視」の人が増えていると言われており、スマホの長時間使用が原因のひとつと考えられています。
内斜視とは、眼球が内側に向いたままになってしまい、「物が二重に見える」という目の症状です。両目で遠くを見るとものが二重に見えますが、片目ずつ見ると、ひとつに見えます。
人の目は近い距離の物を見る時、輻輳(ふくそう)という寄り目にする機能が働きます。長時間スマホを目の近くに寄せて見続けることによって、輻輳が解除されず、目を内側に向かせる筋肉(内直筋)が縮んだまま、もとに戻らなくなってしまうのです。
《カンタン診断》こんな目の異常を感じませんか
斜視になっているかどうかは、目を片方ずつ隠してみて、目の動きを確認するというチェック方法があります。両目で対象物を見ている状態から、片目ずつ手でさっと隠して、見え方、目の動きを確認します。
□ テレビ番組の字幕・テロップが、二重にダブって見える *初期症状
□ 黒目が真ん中ではなく、内側に向いている(寄り目)
《アドバイス》~急性内斜視にならない為に~
まずは、ドケルバン病と同様に、スマホを手に持って、じーっと見てしまう時間を少なくすることが大切です。
●「スマホ画面を30cm以上離して見る」
スマホ画面から30cm以上離れたところから見るようにすることが大切です。とくに寝転がったままスマホを使うときは、とても目に近い状態になりやすいので気をつけましょう。電車やバスの中でのスマホ操作も、目が画面と近くなりがちです。
●「間近でものを見るときは、10分に一度は遠くを見る」
10分に1回程度は、3、4メートル離れたところを見るようにして、内直筋を収縮させたままにならないよう、気を付けましょう。意図的に目を動かすようにすると、斜視になりにくいといわれています。
【急性内斜視の主な治療法】
●「プリズムレンズを用いた眼鏡をかける」ことで、ピントを合わせて一点を見れるように複視を矯正することもできます。
※目を休ませるようにすることで、内斜視の改善がみられることもあります。
● スマホ老眼とは
「スマホ老眼」も、急性内斜視のように至近距離でスマホを見続けることで起きやすい目の症状です。近くの物にピントが合った状態でずっと凝視したりと、目を酷使し続けると、目のピント調節機能が低下します。
とくにスマホ画面の小さな文字や、細かなゲーム画面などを至近距離で見続けてしまうと、発症しやすくなります。
手元の文字にピントを合わせられなくなったり、視界がぼやけたりして、視力低下に繋がります。
《カンタン診断》こんな目の異常を感じませんか
また、スマホ画面上の文字を見るときに目がしょぼしょぼしたり、目を細めたりしてしまう方。合っているはずのメガネをかけているのに、スマホ画面を見るときはメガネを外したくなるという方も、リスクが高いと言えるでしょう。
□ スマホ画面から目を離して、まわりの景色を見ると、ピントが合わない
□ 遠くを見た後に手元(近く)を見ると、ピントが合わない
□ 手元(近く)を見た後に遠くを見ると、ピントが合わない
《アドバイス》~スマホ老眼にならない為に~
治療には、とにかくスマホ老眼特有の目の疲れを緩和させること(目薬、ホットタオルで目のまわりをあたためる、ときどき遠くの景色を見る等)が有効です。
健康に気を付けながら、上手にスマホと付き合っていきましょう
たくさんの情報が行き交う現代。私たちにとって、スマホはなくてはならないツールになっています。健康を害さないように考えつつ、スマホと上手に付き合っていくしかありません。制限するよりも習慣として、スマホやパソコンのある暮らしを楽しめるようにしたいですね。