身体の内側の声を聞く習慣をつけよう
『インナーケア』ってどんなもの?
『インナーケア』の3つのポイント
春から初夏にかけての季節は、花粉や気温の寒暖差、強くなる紫外線、新しい生活環境による精神的ストレスなど、お肌の調子を狂わせる要因が特に集中しています。さまざまな変化に負けず、本来の健康バランスを自ら取り戻せるお肌づくりのために、基本的な4つのポイントをおさえておきましょう。
① バランスの良い食生活
健康な身体を支え維持しているのは、なんといっても毎日の食事です。特に、肌細胞を活性化させ、ターンオーバーを正常な状態に保つためのビタミン類は、美肌のためにもきちんと摂取したい栄養素。また、腸内環境を整えてくれる発酵食品もインナーケアの強い味方です。
毎日の食事に積極的に取り入れたい栄養素とは?
発酵食品で腸活を
ドリンクにも身体へのケアをプラス
朝起きたとき、ゆっくり時間をかけて飲むことで身体を目覚めさせ、体内を活性化する効果があるとされる白湯(さゆ)。あたたかい白湯は血行を促進するため、むくみや便秘の解消、冷え性の改善なども期待できるとも言われています。
作り方は沸かしたお湯を適温まで冷ますだけなので、誰でも簡単に実践できますね。朝は一杯のコーヒーが習慣という方も、お肌の不調を感じた時は刺激物であるカフェインを避け、胃腸に優しい白湯を試してみませんか?
生活の中にさまざまなハーブがいかされているヨーロッパでは、ビタミンやミネラル類などを豊富に含むハーブティーもセルフメディケーションの一環と捉えられることがあります。
香りの良いハーブのお茶をゆっくり楽しめば、気分もリラックスできますね。ビタミンCが豊富なローズヒップティーや、抗炎症作用があるカモミールティーは、美肌を目指す女性には特に嬉しいハーブティーと言えそうです。
サプリメントや漢方の力を借りてみる
毎日の食事ではどうしても補いきれない栄養素や、体調によって特に重点的に摂取したい栄養素がある場合には、サプリメントやプロテインなどを取り入れるのもひとつの方法です。女性ホルモンのバランスを整えてくれる配合のもの、基礎代謝力を上げる働きのものなど、品質をチェックしながら自分に合った商品を探してみましょう。
また、人の身体が本来持っている自然治癒力を高めることを目的とした漢方は、根本的な体質改善を目指す方におすすめ。健康なお肌づくりに欠かせない血流促進や抗酸化力の向上、冷え症の改善など、漢方が得意とするサポートはいろいろあります。ただし、天然由来の素材を使っているからといって副作用が全くないとは言えませんので、本格的な投薬を希望する場合はまず専門の薬剤師や医師に相談してみることが大切です。
② 適度な運動
ストレッチ
長時間同じ姿勢で過ごす機会が多く、運動不足に陥りがちな現代人は、血流が滞ることによる健康リスクをたくさん抱えています。女性の悩みとしてよく取り上げられる冷え症や便秘もそのひとつ。まずは下半身に新鮮な血液を巡らせることができる股関節ストレッチや腸体操などを、家事の合間やお風呂上がりなどにほんの数分程度実践することから始めてみましょう。
有酸素運動
軽いジョギングなどの有酸素運動には、体内の糖質や脂肪を酸素とともに消費し、血糖値を下げる働きがあります。糖質は身体のタンパク質と結びつくとシワやたるみなどの老化を進める物質に変化してしまうので、代謝をきちんとコントロールすることは美容面でも大切です。また、姿勢を意識したウォーキングを続けるだけでもインナーマッスルが鍛えられ、基礎代謝が活発な身体づくりに繋がります。
③ 良質な睡眠
成人が毎日確保するべき睡眠は、およそ7時間が理想だと言われています。慢性的な睡眠不足は「睡眠負債」と呼ばれ、お肌の健康にとっても大敵。なぜなら、細胞の修復や新陳代謝の促進などを司る成長ホルモンと、脳を休息させて疲れを取り、病気予防や老化防止に効果があるメラトニンの分泌は、深い眠りの際に大量に分泌されるからです。健康的な肌コンディションを維持するためには、こうしたホルモンの分泌が最大になる0時~3時くらいの時間帯にぐっすりと眠っている必要があります。
また、メラトニンは暗い環境でより多く分泌され、脳に光が届くと分泌が止まります。こうしたオンとオフをしっかり切り替え、睡眠と覚醒のリズムを整えることは、健康な体内サイクルの構築に不可欠です。夜に脳をしっかり休めたら朝は陽の光を浴び、気持ちよく身体を目覚めさせましょう。
質の良い睡眠をとるために
前述のように、質の高い眠りに重要なメラトニンは暗い環境でより多く分泌され、明るい場所では減少してしまいます。そのため、眠る3時間くらい前からは室内の明かりを少し落として、眠りに入る準備を始めるのがおすすめです。また、この時間帯にパソコンやスマートフォンなどを使うと目から光が入り、せっかくの眠気を妨害してしまいます。できれば就寝前は電子機器から離れ、リラックスして過ごしましょう。
健康なお肌づくりは、毎日の小さな積み重ねから
インナーケアで理想とされるライフスタイルは、食事・睡眠・運動のどれを取っても、実は健康な毎日を送るために必要なごく当たり前のことばかりです。『当たり前の基本』は、忙しさに追われるとつい疎かにしがちですが、まずは普段の一日の中で出来そうなところから改善してみましょう。一つ一つは小さな変化でも、その積み重ねはきっといつの間にか、本当に目指すべき健康的な美肌にも繋がっているはずです。
『インナーケア』とは、栄養バランスのとれた食事・適度な運動・充分な睡眠といった生活全般の質を向上させ、身体の内側からアプローチする美容法です。健康なお肌づくりには表面上のケアだけでなく、全身のコンディションを整えることが大切。たとえばお肌のくすみを改善するなら、身体をあたためる食材を使った食べ物や飲み物を摂り、リラックスしたバスタイムで血行を促進した方が、ファンデーションを塗り重ねるよりずっと効果的なことがあるのです。