ちょっと気になる体のプチ不調。原因は冷えたおなか?
気付きにくい内臓型冷え症
でも、おなかを触ってみるとひんやりしている「内臓型冷え症」が意外に多いことはあまり知られていません。自覚症状がほとんどないので気付きにくいのですが、これも立派な隠れ冷え症です。
おなかを温めると全身がポカポカに
おなかは、健康を左右する大切な臓器が集まっている場所。冷えていると多くの機能が低下し、身体全体の血流が滞って代謝が落ちたり、免疫力が衰えたりします。また、その状態を自覚しないまま放っておくことが、いつの間にかちょっとした体のプチ不調に繋がってしまうのです。
でも逆に言えば、おなかをほかほかの状態にして温かい血液が巡るようにしておけば、身体全体を元気にできるということ。
まずはおなかを温めると具体的にどんなメリットがあるのか、また、簡単で効果的な温め方について見ていきましょう。
おなかを温めるとどんないいことがあるの?
冷え性の改善
冷えてしまった足先がつらい時は、まずは靴下の重ね履きやマッサージを試してみたりしますよね。でもその場しのぎでひととき温まっても、すぐにまた手足が冷たくなってしまうという人は、体内で作った熱を血流がきちんと運べていない可能性があります。
また、もしおなか周りを触ってみて脇の下より冷たい気がする人、常に体温が35℃台しかないという人は、そもそも内臓の温度が充分でないのかもしれません。おなかをしっかり温めて体温を上げれば、熱を逃がすために手足の血管が開き、末端の冷えも根本から改善することができます。
代謝が向上する
身体の中心で熱がしっかり作られると、温まった血液の流れにのって酸素や栄養素が体内のすみずみまで運ばれていきます。すると細胞の働きも活発になり、新陳代謝がスムーズに行われることで、お肌も生き生きと若い状態に。また、基礎代謝が向上するとカロリーを効率よく消費できるため、痩せやすく太りにくい体を作ることが出来ます。
便秘の解消
食物繊維が豊富な野菜やヨーグルトを食べたりして食事にも気を付けているのに、便秘がなかなか改善しないという人は、血流不足によって腸の活動が弱っていることも原因のひとつかもしれません。腸をきちんと温めると、食べ物を消化し送り出す蠕動(ぜんどう)運動が活発になり、食物繊維や乳酸菌も本来のパワーを発揮してくれます。
免疫力アップ
ウィルスやがん細胞と戦って健康を守ってくれる免疫細胞は、体温が高いほど活発になります。特に腸には、体全体の免疫細胞のうち約6~7割が常駐しているのだとか。冷えによって活動が鈍くならないよう、いつも適度にお腹まわりを温かい状態にキープしておくことが健康な体づくりに繋がります。
生理痛の緩和
生理痛は、子宮を収縮させ経血を押し出す働きをする「プロスタグランジン」という物質が過剰に分泌されることで起こります。しかも体が冷えて血行が悪くなると、この物質が骨盤内で滞り、さらに痛みを強くしてしまうのです。おなかをきちんと温めて血液の循環を良くすれば、この痛みを自然に和らげることができます。
心の安定
低体温の状態で血流が滞っていると、頭がぼんやりしたり、体の不調によって気持ちも沈みがちになります。逆に、体の中心から手足の末端まできちんと温かい状態の時は免疫力も上がるため、ストレスにも強く、身体的・精神的にリラックスして過ごすことができます。
毎日の生活に取り入れたいおなかの温め方
カイロを貼る
手早く冷えを改善するには、カイロを貼るのがおすすめです。腸を温めたい時には、おへその少し下にあたり。生理痛を緩和したい時には、尾てい骨の少し上あたりなどを温めるのが効果的なんだそう。ただし低温火傷にならないよう、腹巻きやニット等少し厚めの布地の上から貼るようにしましょう。
おなかをすっぽり覆うアイテムを活用
冷えに効くハーブティーを飲む
ドリンクでおなかの中から温めるのも良い方法です。コーヒーや紅茶のカフェインが気になる方は、ココアやハーブティーを選ぶと良いでしょう。ポタージュなどのとろみのあるスープもGOOD。温かい飲み物をゆっくりとおなかに入れることで、気分もリラックスできます。
またハーブには、ジンジャーやシナモン、ローズマリーなど、血行を促す効能を持ったものも多くあります。自分の症状を相談するとぴったりのハーブティーをブレンドしてくれる専門店もありますので、いろいろ試してみるのもいいですね。
適度な運動を心がける
現代人に低体温が多い理由には、運動不足によって筋肉が減り、基礎代謝が落ちていることや、エアコンの使い過ぎで体温調節が上手く出来なくなっていること、生活習慣の乱れやストレスでホルモンバランスが崩れていることなどが挙げられます。体温が下がると、身体と心の活力も下がりがち。つい家にこもって休みたくなってしまいますよね。
でも、心身のストレスを早く確実に軽減してくれるのは、実は適度な運動なんだとか。身体を動かすと自然に体温は上がり、筋肉をつけることで代謝もアップ。また、しっかり運動するとセロトニンやエンドルフィンといったストレス解消ホルモンが分泌され、気持ちもすっきりと前向きになれます。
本格的なスポーツを始めるのはちょっと難しいという方でも、駅までの通勤や買い物を徒歩にしてみたり、自宅でできるストレッチを取り入れるなど、日常生活のちょっとした合間に身体を動かすよう積極的に意識してみましょう。じっと座って過ごしているより、ずっと元気になれるはずです。
身体を温めてくれる食べ物は?
根菜類は体温アップの強い味方
身体を温めてくれる食べ物の特徴として、「暖色系」「水分が少なくて硬い」「寒い土地で育つ」「発酵している」などが挙げられます。にんじんやごぼう、玉ねぎなど、「土の下にできる根菜類」もそのひとつ。多くは秋冬が旬の野菜です。寒い季節に採れる野菜が身体を温めてくれるなんて、よく出来ていますよね。
良質なたんぱく質を摂ろう
スパイスを上手に活用
種類によってさまざまな効能を持つハーブやスパイスの中でも、身体を温めたい時にはやはり生姜の力は欠かせません。お料理はもちろん、ハチミツ生姜のシロップや、紅茶・ココアに加えるなど、ドリンクにして手軽に取り入れてみましょう。
フルーツはホットで食べるのもおすすめ
身体を温める効果のある果物には、りんごやぶどう、オレンジ、桃などがあります。ただ、寒い季節には冷たい生のフルーツは少し食べづらいかもしれません。そんな時は、ホットフルーツにするのもひとつの方法です。焼きりんごなら、血行促進効果のあるシナモンとも相性抜群ですよ。
おなかをしっかり温めて、身体の中から元気になろう
おなかには、命と健康にとってかけがえのない器官がたくさん集まり、休みなく働いています。毎日きちんと様子をチェックしながらしっかり温めて、ストレスに負けない元気な身体づくりを目指したいですね。
「最近なんだか風邪をひきやすいかも…」
「お肌の調子がイマイチ…」「生理痛がちょっとつらいな…」
その小さな不調はもしかすると、慢性的な“おなかの冷え”が原因のひとつかもしれません。