まずは紅茶を知ろう
《紅茶のキホン》産地と茶葉
インド(アッサム・カチャール・ダージリン・ドアーズ地方)
インドは、世界最大の紅茶生産国。生産量は多いのですが、それとともに国内消費量も多いため、実は輸出はあまりされていません。日本でインド産の紅茶を見かけたら、それはごく一部の高級品です。
なかでももっとも生産量の多い地域は、インド北東部のアッサム・カチャール・ダージリン・ドアーズ地方。また、南インドのニルギリ地方は高地に位置していることから、香り高い良質の紅茶が年間を通じて生産されています。
ダージリン
「ダージリン」は、ストレートティーとしていただくのがおすすめ。日中の直射日光と夜間の低温による寒暖差が激しい東ヒマラヤ山麓によって作られる、豊かなマスカットフレーバーが魅力です。抽出時間を長めに持つことで、より上品な爽やかさが味わえますよ。世界三大紅茶のひとつとして数えられている「ダージリン」は、淡いオレンジ色とその格別な香味から、“紅茶のシャンパン”とも称されています。生産期は3~11月までですが、そのシーズンによって味も香りも大きく違うのが特徴です。
アッサム
「アッサム」は、ミルクティーでいただくのがおすすめ。強い甘みとコク深さが、ミルクのまろやかさとよく合うのです。世界有数の雨量の多い土地で、世界最大の紅茶産地であるアッサム平原から生まれた紅茶である「アッサム」。収穫シーズンは3~11月ですが、クオリティーのピークは6~7月とされています。
スリランカ(ウバ地区・ディンブラ、ヌワラエリア地区)
紅茶の生産量が世界第3位のスリランカ。実はかつて「セイロン」という国名でした。このことからも、紅茶の普及度がうかがい知れますね。その「セイロン紅茶」の主な産地は、「貿易風」の11~2月の北東モンスーンと、「偏西風」の5~9月の南西モンスーンにより、南東側のウバ地区と西側のディンブラ、ヌワラエリア地区に分かれます。
北東モンスーンは、海から水分を運びます。そして中央山脈の北東斜面に多くの雨を降らせるので、南西斜面のディンブラ地区には乾いた風があたり、生産量が増える仕組み。それに対して南西モンスーンの時期は、コロンボから中央山脈南西部の大茶園は雨期となり、生産量は増えるのです。
セイロン
インドネシア(ジャワ島・スマトラ島)
インドネシアの紅茶は明るい色のフレッシュな香りなことから、スリランカの「セイロン紅茶」に似たものが多いのが特徴。ただ、若干コクが不足しているため、主にブレンド用や増量用に使用されます。
インドネシアは、かつてインド・セイロンと並んで紅茶の一大生産国でした。近年では、ジャワ島とスマトラ島を中心に生産が増え、生産量・輸出量とも再び多くなっています。
ジャワ
インドネシアのジャワ島を産地とする紅茶「ジャワ」は、 フルーツや他の紅茶とブレンドして、アレンジティーを作るのがおすすめです。渋みが少なくクセもないので、ストレートでいただいても飲みやすいのが特徴。さっぱりとした爽やかな味わいで、夏季シーズンは水出し紅茶にしても美味しいですよ。
紅茶を美味しく淹れるポイント
使用するポット
使用する水
一度に抽出する量
蒸らす理由
ミルクは温めすぎない
世界各地の美味しい愉しみ方
オランダ(ストロープワッフル)
ロシア(ジャム)
インド(ミルク×スパイス)
世界でも最大級の紅茶生産国であるインド。砂糖を多めに入れて甘く煮出すインド式ミルクティー「チャイ」や、オリジナルブレンドでスパイスを加えるアレンジチャイの「マサラチャイ」がメジャーです。茶葉とともにシナモン、ジンジャー、クローブ、カルダモンなどのスパイスを加えた「マサラチャイ」は、使うスパイスの種類や分量で味が異なるため、お店や各家庭の個性が出る紅茶といわれています。
古くから愛され続けている定番の紅茶「アールグレイ」。アイスティーでいただくのがおすすめのこちらの紅茶は、通常の紅茶にベルガモットで香り付けされており、爽やかですっきりとした柑橘系の香りが堪能できます。紅茶は産地の名前がそのまま銘柄になるのがほとんどですが、「アールグレイ」の名前の由来は、イギリスの元首相である「グレイ伯爵」にちなんだもの。実は、茶葉の産地の名前ではないのです。ではここからは、紅茶で有名な産地やその茶葉についてみてみましょう。