定番のあのお料理、さっと作れたら…
- 寝るとき何着てる?心地よい睡眠へと誘うパジャマの話キナリノ編集部
いつも味が違うのは、味の「バランス」が決まっていないから
石原洋子先生の本が頼りになります
石原洋子先生プロフィール
よく作るものこそ、「バランス」を確かに決めて
味のバランスが決まったら、「素材」「好みの味つけ」で楽しみましょう
和食の定番料理の味つけ、しょうゆ:みりん:酒が「1:1:1」の割合で、かぶのそぼろ煮を作ったり、かぶをかぼちゃにかえてみたり。“割合”をおぼえたあとに素材を変えて作ってみると、素材によって違う味わいを楽しむことができるのだそう。
そして、もう少し甘めがいいと思ったり、酸味をやさしくしたいなど、基本の“割合”からさらにアレンジをして、自分好みの味つけができれば、定番料理が「おうちの味」になるはず。
今回は『レシピに頼らず料理は割合でおぼえましょう。』のなかから、お料理の“割合”をいくつか教えてもらいました。
調味料の目安
※レシピに登場する調味料について
・計量単位は小さじ1=5ml、大さじ1=15ml、カップ1=200mlです。
・調味料は特に指定がない場合は、しょうゆは濃口しょうゆ、砂糖は上白糖、小麦粉は薄力粉を使っています。
【和食】
かぶのそぼろ煮
しょうゆ:みりん:酒が「1:1:1」
【材料】(2人分)
かぶ(葉つき)…4個(450g)
鶏ひき肉…150g
{煮汁}
・酒…大さじ2
・水…1と1/2カップ
・みりん…大さじ2
・しょうゆ…大さじ2
{水溶き片栗粉}
・片栗粉…大さじ1と1/2
・水…大さじ2
1.かぶは茎を2cm残して葉は切り、根元の汚れた部分はそぎ取る。かぶは縦半分に切り、葉のやわらかい部分(50gほど)は3~4cm長さに切る。
2.鍋にひき肉と酒を入れて火にかけ。菜箸3~4本で混ぜながらほぐし、そぼろにする。ひき肉に火が通ったら、分量の水とかぶを加え、煮立ったらアクを除く。
3.みりん、しょうゆを加え、落としぶたをして弱めの中火で8~10分煮る。かぶがやわらかくなったらかぶの葉を加え、ひと煮して水溶き片栗粉で様子を見ながらとろみをつける。
※かぶに替えて、大根、里いも、じゃがいも、かぼちゃ、白菜などの野菜でも作れます。
【中華】
かに玉 甘酢あんかけ
砂糖:しょうゆ:酢が「1:1:1」
【材料】(2人分)
かにの身…80g
卵…4個
干ししいたけ…3枚(12g)
長ねぎ…小1本(80g)
ゆでたけのこ…1/2本(100g)
{A}
・酒・しょうゆ…各小さじ1
・こしょう…少々
{甘酢あん}
・しいたけの戻し汁…1/2カップ
・砂糖…大さじ1と1/2
・しょうゆ…大さじ1と1/2
・酢…大さじ1と1/2
・片栗粉…小さじ2
グリンピース(冷凍、解凍する)…大さじ1
サラダ油…大さじ2
1.干ししいたけは水1カップ(分量外)につけて戻す。水気を絞って軸を除き、薄切りにする(戻し汁1/2カップは取り置く)。長ねぎは斜め薄切りにする。たけのこはせん切りにし、水からさっとゆでてざるに上げる。かにはあれば軟骨を除き、大きくほぐす。卵は割りほぐし、塩少々(分量外)を加え混ぜる。
2.甘酢あんの材料を混ぜる。
3.フライパンにサラダ油大さじ1を熱し、しいたけを入れて炒める。香りが出たら長ねぎ、たけのこを加えてさっと炒めてAを加える。サラダ油大さじ1を足し、卵液を加えて大きく混ぜる。しばらくおいて固まってきたら、ヘラで4等分に切り分けながら返し、ふんわりと焼き上げ、器に盛る。
4.フライパンをきれいにし、もう一度混ぜた2を入れ、混ぜながら煮立て、とろみがついたらグリンピースを加え、ひと煮して3にかける。
【洋食】
ポテトサラダ
マヨソースの割合 マヨネーズ+レモン汁が「大さじ4+小さじ1」
【材料】(2人分)
じゃがいも…2個(300g)
にんじん…1/5本(30g)
玉ねぎ…1/4個(50g)
きゅうり…1/2本(50g)
ゆで卵(固ゆで)…1個
{マヨソース}
・マヨネーズ…大さじ4
・レモン汁…小さじ1
・塩・こしょう…少々
1.じゃがいもは3cm大に切る。にんじんは3mmの厚さのいちょう切りにする。ともに鍋に入れ、ひたひたの水(分量外)を加え、ふたをして火にかける。沸騰したら弱火で、10分ほどゆでる。竹串がスッと通るまでやわらかくなったら湯を捨て、弱火にかけて鍋を揺すって水分を飛ばし、粗熱を取る。
2.玉ねぎは縦薄切りにして水に1~2分つけ、もみ洗いして水気をしっかり絞る。きゅうりは2mm厚さの輪切りにし、塩水(水1/2カップ+塩小さじ1/2、分量外)に15分ほどつけてしんなりさせて水気を絞る。ゆで卵は1cm角に切る。
3.ボウルにマヨソースの材料を入れて混ぜ、1、2を加えてあえる。
【下味】
鶏肉のから揚げ
酒:しょうゆが「1:1」
【材料】(2人ぶん)
鶏もも肉…小2枚(400g)
{下味}
・酒…大さじ1と1/2
・しょうゆ…大さじ1と1/2
・しょうが(すりおろす)…大さじ1/2
片栗粉・小麦粉…各大さじ4
揚げ油…適量
1.鶏肉は余分な脂を除き、大きめの一口大に切る。ボウルに入れ、下味の酒、しょうゆ、しょうがを加え、汁気がなくなるまでよくもみ込む。
2.片栗粉と小麦粉を合わせる。1に粉類の半量を加え、全体にしっかりまぶす。残りの粉類を加え、粉っぽさが表面に残るくらいにまぶす。
3.揚げ油を180℃に熱し、2をくっつかないように1個ずつ入れる。時々返しながら全体がきつね色になるまで5~6分揚げ、油をきって器に盛る。
割合がわかれば、迷わず作れる。何度作っても、いつも美味しい
『レシピに頼らず料理は割合でおぼえましょう。』をバイブルに、“割合”をおぼえてみませんか?定番料理の味をピタリと決めて、毎日のごはんがおいしくなりますよ。
(素敵な写真のご協力ありがとうございます)
石原洋子(いしはら ひろこ)
料理研究家。自由学園で学ぶ。卒業後は家庭料理、中国料理、フランス料理など各分野の第一人者に学ぶ。料理家のアシスタントを務めたのち独立。自宅で開く料理教室は40年以上になり、生徒さんが絶えず集まる人気が続いている。確かな技術に基づく指導に定評があり、テレビや雑誌、書籍で活躍中。著書には、夫である根岸規雄さんとの共著『わが家のおかずサラダ』(世界文化社)ほか多数。