おしゃれでカジュアルな「おうちフレンチ」
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“フレンチ”というと、手の込んだコース料理を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、フランス人がいつもゴージャスな食事をしているわけではありません。むしろ、普段のおうちごはんは、野菜中心のシンプルなヘルシーメニューが人気です。今回は、「おうちフレンチ」のポイントと、気軽に楽しめるレシピをご紹介します。
「おうちフレンチ」のポイントは?
「前菜」と「メイン」に絞り込み、ひと皿ずつ
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フレンチなおうちごはんのポイントは、お食事メニューを「前菜」と「メイン」の2品に絞り込み、ひと皿ずつテーブルに出すこと。フランスでは、食事のときすべてのメニューをテーブルにのせることは稀です。前菜は簡単なサラダ、メインはお肉をシンプルに焼いただけ…でもOKで、“ひと皿ずつ別々に”というのが大切なポイントです。
「前菜」と「メイン」の組み合わせのコツ
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「前菜」と「メイン」は、使う食材がなるべくかぶらないものをチョイスしたり、トータルでバランスを取るのも大切です。たとえば、前菜がボリューム感のあるものなら、メインはあっさりとしたものにする。逆に、メインがステーキになら、前菜は野菜サラダなどの軽めのものにしましょう。
シンプルなデザートで締めくくり
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そして、できれば何かデザートになるものを用意できればパーフェクト!大げさなものではなく、たとえばフルーツやヨーグルトなどでも十分で、“これでお食事がおしまい”という区切りのためにも大切な存在なのです。さらに、食後にコーヒーを飲むのならば、“デザートを食べ終えたあと”というのもフランスっぽいスタイルです。
おうちフレンチのレシピ【前菜編】~1番はじめに出すお皿~
ウフ・マヨネーズ(ウフ・マヨ)
ゆで卵にマヨネーズを添えた前菜は、フランスのビストロメニューでも定番のひと皿。マヨネーズはゆるめに調整して、卵が隠れるようにたっぷり流すのがフレンチ流です。
アスパラガスの前菜
季節を感じる野菜のメニューもよく登場します。春から初夏のシーズンには、新鮮なアスパラガスを茹でて、シンプルにマヨネーズを添えただけでも心浮き立つごちそうです。卵を添えたり、オーブン焼きにしたり、生ハムやベーコンをあしらったり。新鮮でおいしい素材を選んで、シンプルに料理するのがポイントです。
キャロット・ラペ サラダ
野菜たっぷりの「サラダ」を前菜にすることはよくあります。中でも「キャロット・ラペ サラダ」は、定番中の定番!フランスの家庭で常備率が高いキッチン用具「チーズおろし」でシュレッドして作ることも多いです。にんじんが適度にざらざらになり、ドレッシングが絡みやすくなるメリットも。
リエット
リエットは、豚肉をじっくり弱火で煮込んでペースト状にしたディップのようなもので、小さくカットしたパンにのせて食べます。フランスでは、シャルキュトリー専門店(ソーセージやパテなど豚肉加工品の専門店)で量り売りをしていたり、スーパーで缶詰や瓶詰を手軽に購入できますが、やはり手作りのリエットは一味違います!
サーモンのリエット
本来は豚肉で作りますが、魚介のリエットもフランスでは親しまれています。スモークサーモンを使ったリエットは、ピンク色で見た目も華やかなので、ホームパーティーのおもてなしメニューにもぴったりです。
おうちフレンチレシピ【メインディッシュ編】~2番目に出すお皿~
オムレツ
オムレツはパリのカフェでもお馴染みで、おうちで何もないときにさっと作れるお助けメニューでもあります。チーズやハム入りなど、バリエーションもさまざまですが、フランス北部の海岸沿いにあるモン・サン・ミッシェルでは、ふわふわに泡立てたスフレタイプのオムレツが名物。基本の作り方からスフレタイプまで、レシピをご紹介します。
ステック・アッシェ(ハンバーグ)
フランスでは“ステック・アッシェ”と呼ばれるハンバーグ。日本と同じように成形されたハンバーグも、スーパーに行けば手に入ります。フランス版は、つなぎが少なめで肉そのもの!という感じのものが多いようです。簡単にできるソースを添えたレシピをご紹介します。
チキンのグリル
鶏肉をフライパンやオーブンでカリッと焼いて、フレッシュ感のあるソースや野菜を添えて。栄養バランスの良い、ヘルシーなメインディッシュが完成です。フランスでは、マルシェ(市場)などでフレッシュハーブが手に入りやすいので、普段の料理にもふんだんに使います。チキンも、タイムやローズマリーなど、好みのハーブを一緒にグリルすると、フレンチな仕上がりに。
ソーモン・パネ
切り身のサーモン(鮭)をパン粉焼きにする“ソーモン・パネ”も定番のひとつ。ボリューム感が出て、食べごたえのあるお魚のメインディッシュです。タラやカジキなど、手に入りやすい他の切り身魚でも応用ができます。
ステック・フリット
さっと焼いた牛ステーキにフライドポテトを添えるひと皿。ビストロやカフェでとりあえずオーダーするメニューの筆頭で、フランスでは牛肉は赤身肉が主流です。つけあわせのフリットは、手軽な冷凍ポテトでもOK。また、フリットの代わりに温野菜などを添えればヘルシーに。
豚肉のシャルキュティエール風
ピクルスを使ったさっぱりとしたソースでいただく豚肉のソテー。“シャルキュティエール”とは、パテなどのお肉の加工品を作る職人のことで、“肉屋さん風の~”という意味。酸味は加熱することで和らぎ、うまみが凝縮し、お肉も柔らかく仕上がります。ピクルスが無いときは、ヴィネガー(お酢)を使って簡単にアレンジしても。
おうちフレンチのレシピ【デザート編】~最後の仕上げ、お楽しみ~
クープ・グラッセ
ディッシャーでくり抜いたアイスクリームのデザートを“クープ・グラッセ”と呼びます。フルーツを添えたり、生クリームを飾れば、おもてなしスタイルにも。お好みのアイスクリームを器に盛り付けるだけでも、立派なデザートになります。
クランブル
フルーツの上に、指先でざっくり混ぜた生地をのせて焼くクランブル。簡単にできて、タルトのような味わいを楽しめるお手軽デザートです。1年を通して手に入りやすいバナナなどを使うのがおすすめ。
ガトーショコラ
材料を混ぜて焼くだけのシンプルなチョコレートケーキも、フランスの家庭でよく作るデザートのひとつです。イチゴやラズベリーなど(冷凍のものでも)を添えると、手軽に華やかさアップ!
ガトー・マジ
少し前に流行したマジックケーキは、フランス生まれで“ガトー・マジ”と呼ばれています。混ぜて焼くだけなのに、2層に出来上がる不思議なケーキです。
チーズの盛り合わせ
甘いものは苦手…という場合は、チーズで締めくくるのもおすすめです。ゆったり楽しみたいときは、デザートの前にチーズを食べても。フランスのビストロのプリフィクスメニューでは、デザートの欄にチーズが書き込まれている場合があります。
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チーズは、好きなもの1種類でもOKですし、いくつか取り合わせても◎盛り合わせる場合は、食感や味わいの違うものを組み合わせましょう。枝付レーズンやドライいちじくなど、ドライフルーツを添えるのもおすすめ。
おうちフレンチ【番外編】~パンについて~
フレンチには、バゲットを添えて食べるのが一般的で、フランスのパン屋さんでは、朝・昼・夕方の1日3回焼きたてが店頭に並び、1本または1/2本の単位で購入できます。なかなか食事の度に購入できない場合は、日持ちする「パン・ド・カンパーニュ」を。布巾などに包んで乾燥を防ぎ、数日にわたって食べることができます。
パンのおすすめ保存方法
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パン屋さんで買って来たら、一人分の大きさにカットし保存袋に入れて冷凍庫で保管するのがおすすめです。食べるときは、凍ったまま表面をさっと水で濡らしそのままオーブンで10分程度焼けば、表面カリカリで中しっとり。理想に近いコンディションで食べることができます。
簡単なお惣菜とメインで、素敵な「おうちフレンチ」を♪
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いかがでしたか?簡単なお惣菜とメインディッシュで、手軽に「おうちフレンチ」が叶います。料理はひと皿ずつ順番にテーブルに出すこと。そして、締めくくりのデザートもゆったり楽しみましょう。ぜひ参考にしてみてくださいね。
プロによる自家製マヨネーズの、ウフ・マヨ。時間が無いときには、市販のマヨネーズを使ってアレンジしても良いと思います。