舞妓さんや芸妓さんに愛される京中華。食事をしたあと、お座敷に出ても困らないよう、香辛料やニンニクなどの匂いが強い食材は控えめ。かわりに素材そのものの味や食感、出汁の風味大事にすることで、あっさりと薄味で優しい味わいをつくりだしています。

舞妓さんたちが食べやすい、女性の小さな口に合わせたこぶりな形やサイズも特徴のひとつ。タケノコなどの野菜をたっぷり使い、小さく巻いた一口大の春巻きは、数々のお店で人気の定番メニューです。

高瀬川のほとり、一之船入に面した、かつてお茶屋だった町家でいただく京風創作中華。しっとりと落ち着いた風情の個室で、無農薬の京野菜をたっぷりと使ったお料理を楽しめます。

料理に使う京野菜は、料理長自ら毎朝契約農園で収穫し、厨房へ運んでいるそう。素材の味を大切にした中華は、ワインとも相性が◎。

人気の担々麺をはじめ、ランチでは麺類のセットメニューなどをリーズナブルな価格で楽しめます。

広東料理のお店とは思えない、町屋造りのしっとりとしたお店。掘り炬燵式のカウンターが8席。庭からの差し込む陽射しが店内をやさしく包み、穏やかな時間が流れます。

合鴨を使うお店も多い中、カナダ産のアヒルを使用した正統派北京ダック。提供する時間に合わせ、1時間半ほどかけてじっくりと焼き上げるのだそう。皮だけでなく、肉も一緒にいただくスタイルです。

中華では、一番贅沢な料理だともいわれるスープ。一番出汁でつくる上湯スープは、濃厚で高貴な味わいです。

水飴をかけて仕上げる釜焼きチャーシューは、皮目がパリパリ、中がジューシーで程よい噛みごたえ。辛味噌を付けていただきます。

出汁や鶏ガラスープを使い「京風中華」の礎を築いたのが、大正時代に来日した料理人・高華吉さん。京都初の中国料理店「支那料理 ハマムラ」でシェフを勤めた後に独立。「飛雲」「第一樓」と数々の名店を手がけ、その集大成として出店したのが伝説の名店「鳳舞」でした。2009年に惜しまれつつ閉店した「鳳舞」で42年間鍋を振っていた福田さんが料理長を勤めているのが、ここ「鳳泉」です。

名物料理のひとつ、古老肉（スブタ）。パイナップルだけでなくライチや胡瓜を加え、甘みと酸味が融け合った深い味わいが特徴です。

鶏ガラスープをベースにした餡をかけた撈麺（エビカシワソバ）。香辛料を極力控えた優しい味わいは、まさに京風中華の起点となる味です。

祇園新橋通りに佇む、お茶屋だった建物を改装したお店。四季折々の素材を用いた薬膳料理とフカヒレ料理が人気です。

「白いお椀と竹の箸」が店名の由来。真っ白な豆皿にさまざまな味を載せて思い思いに楽しめます。「おいしく食べて健康に美しく」をテーマにした薬膳料理で、体もココロも癒されるひとときを。

和風の室内に、品よく円卓が置かれた店内。京風の創作中華を代表するお店として、多くのリピーターから愛されている人気店なので、予約をしてから訪れるのがおすすめです。

味もさることながら、その容姿の美しさに心を奪われるお料理。こちらは「鶏の唐辛子炒め」。ディナーコースの中のメニューです。

東山駅近く、白川のほとりにある「森幸」は昭和30年創業のお店。素材の持ち味を活かした、あっさりと、風味豊かな料理が愛され続けています。

こちらは重箱に入ったお弁当風のランチ。酢豚・春巻・小エビ天・焼豚・カニ玉など、お店自慢の優しい味わいを少しずつ楽しめます。

スチール製の器にのせて運ばれる小龍包。やわらかい皮に、餡がみっちり入っています。熱すぎない温度で出されるところも、京都人の心配りを感じて◎。

鴨川のほとり、四条大橋から望むお城のような建物が「東華菜館」。大正15年に竣工されたウィリアム・メレル・ヴォーリズによる建築や調度、手動で操作する日本最古といわれるエレベーターなど建物の魅力もたっぷり。夏には納涼の川床が設けられます。

焼餃子や酢豚、春巻などおなじみのメニューから、北京ダック、アワビ、干しナマコやフカヒレなどの豪華な食材を使った料理まで幅広く楽しめます。

古き良き伝統を受け継ぐ本格的な北京料理が特徴。川魚の旨味を最大限に味わえる、鯉の丸揚げ甘酢葛かけもそのひとつです。

クラシカルで美しい料理の数々。大正～昭和～平成と京都人の舌を満足させ、愛され続けてきた老舗の味を、ぜひ試してみませんか。