出典: 沖縄は、400年の歴史を持つ「やちむん」(沖縄の方言で“焼き物”の意味)や、沖縄独自の「琉球ガラス」など、生活になじんだぬくもりのある工芸品が多いことで知られます。そんな沖縄らしい工芸にふれる旅も楽しそう♪この春、ぜひ出かけてみませんか?
出典: 土の匂いがするような素朴な風合いが、やちむんの持ち味。実際に手に取って、その魅力を確かめてみたいですね。
出典: ぽってりとした形が印象的な琉球ガラスも、沖縄らしいおおらかさを感じさせてくれます。
やちむんの歴史は古く、そのルーツは琉球王国時代にさかのぼります。外国との交易が盛んであったため、陶磁器が豊富に持ち込まれ、焼き物の技術が発展。それが、沖縄独自の焼き物へとつながっていきました。
出典: 伝統の技術を生かしながらも、生活になじむように作られた“やちむん”には、ほっとする温かさがあります。
那覇市の壺屋にある「やちむん通り」は、琉球王朝時代に各地に散らばっていた窯元を当時の政府が一ヵ所にまとめたことでできあがりました。昔の面影を残す町並みに、伝統の技を受け継ぐ窯元や、やちむん・シーサーのお店、骨董屋さんなどがずらりと並ぶ観光スポット。焼き物好きなら、ぜひ訪れたい場所です。
出典: 「南窯(ふぇーぬかま)」は、現存するものとしては唯一の荒焼窯(あらやちがま)として県指定文化財にもなっています。隣がカフェになっており(上の写真)、そこを抜けると奥が登り窯で、見学ができます。
出典: こちらが、南窯の登り窯。斜面を利用して作られた長い窯で、燃焼ガスの対流によって高温が保てる仕組みになっています。
出典: 路地、石垣、石畳、赤瓦の家、シーサー…壺屋やちむん通りには、昔ながらの伝統的な風景が残っています。
出典: 路地のあちらこちらに、やちむんが埋め込まれているのも印象的。お気に入りの器を探しながら、ゆったりめぐるのが楽しい町です。
出典: こちら「gumaguwa(グマーグワー)」は伝統の壺屋焼の窯元「育陶園」のブランドショップ。沖縄らしいシーサーが出迎えてくれます。
出典: 1日のはじまりの朝を気持ちよく、をテーマにこだわりのやちむんを創作・販売しています。若い人にも人気のお店。
出典: 「kamany」は、窯元である育陶園のセレクトショップ。伝統の技術を生かしながら、現代の暮らしにフィットするやちむんを提供しています。
出典: ほっこりした雰囲気の箸置き。他にも、大人好みの落ち着いた雰囲気のやちむんも多数。シーサー、ガラスなども扱っているようです。
出典: 可愛らしい店構えの「ヤッチとムーン」は、自然や動物をモチーフにしたやちむんなど品揃えもとてもキュートで、しかもセンスの良さが光ります。若手の作家さんのものなども数多くあります。
出典: やちむん通りには、陶芸の体験教室も。こちらはすべにご紹介したgumaguwaやkamanyなどのお店の商品を創作する窯元「育陶園」の陶芸体験道場。約1時間でシーサーが作れ、ろくろ体験もできます。前日までにぜひ予約を。
壺屋やちむん通り周辺にはまだまだ素敵なショップがたくさんありますよ。
やちむんに触れるなら、もうひとつぜひ訪れたいのが、読谷村の「やちむんの里」。焼き物工房がいくつも集まった工芸の村です。現代的な作品が多いのも特徴で、若い人にも人気があります。ギャラリーやカフェなどもあり、1日をのんびり過ごすことができます。
出典: 1972年に金城次郎氏(のちに沖縄初の人間国宝に認定)が、壺屋から読谷村に工房を移し、その後、4名の陶工が共同登り窯をこの地に作ったのが「やちむんの里」の始まり。今では50余りの窯元が集まり、ベテランから若手まで個性豊かなやちむんを創作しています。
出典: 南国ののびやかな雰囲気に中で、やちむんとふれあうことができます。カフェなどでひと休みしながら、いろいろな窯元をゆっくりと周りましょう。
沖縄のガラス製造が始まったのは、明治中頃。本土から船で運ぶと割れることが多かったため、長崎や大阪からガラス職人を呼び、実用的なガラスを作っていました。沖縄ガラスが工芸として注目されたのは、戦後。駐留していたアメリカ兵が捨てたコーラの瓶を再生したガラスで、ぽってりとして温かみのある「琉球ガラス」が作られるようになりました。
出典: コーラの瓶は、厚みがあり、気泡が混ざるため、本来は不良品になるものでした。しかし、むしろそれを特徴にした琉球ガラスは、素朴な味わいが魅力になり、暮らしになじむガラスとして愛されるようになりました。
沖縄本島の最南端、糸満市にある琉球ガラス村は、県内最大の手作りガラス工房。1300℃にもなる窯と、ガラス職人の技を間近で見ることができます。手作り体験もでき、多くの観光客が訪れる人気スポットです。
出典: こちらは、琉球ガラス村の入り口のステンドグラス。きれいですね。
出典: 琉球ガラス村には、沖縄県から認定を受けた「沖縄県工芸士」もたくさんいるそうです。夏場には涼しいところでも40℃超という工房で、こだわりの琉球ガラスを作り続けています。
出典: 琉球ガラス村では、さまざまなガラス作り体験ができます。でこぼこが特徴のオリジナルグラス作りは、所要時間5分。また、お皿は10分、万華鏡は15分、アクセサリーやフォトフレームなどは40分ほどで作ることができます。
沖縄本島には、琉球ガラスの手作り体験ができる工房が各地にあります。予約のいらない工房もありますが、予約が必要な場合も多いので、確認してからお出かけください。
出典: こちらは、読谷村にある「源河源吉琉球ガラス工房」。琉球ガラスのグラスの手作り体験ができます。職人さんがサポートしてくれますので大丈夫。グラスの色や形が選べ、自分だけのオリジナルグラスが作れます。
出典: 沖縄の北部、今帰仁村(なきじんそん)の自然豊かな山奥にある「カフェこくう」は、和食とマクロビオティックが融合した“肩の凝らない自然派料理”を提供するお店。採れたての島野菜がやちむんの器に盛られ、心も体も癒してくれます。
出典: お店からは、素晴らしい海の眺めも満喫できます。沖縄の風を感じながら、地元の料理とやちむんを楽しむ贅沢なひとときです。
出典: 読谷村の海沿いにある一軒家の食堂・カフェ。島野菜を中心にした沖縄の味が、読谷で作られたやちむんとガラスの器とともに提供されます。古民家風のほっこりとした雰囲気で、ゆったりとくつろげます。
出典: こちらは、ラフテー(豚の角煮)を中心に、玄米ごはんやさまざまな島野菜の小鉢が並んだランチメニュー。素朴なお料理に、やちむんの器がよく合います。
出典: やちむんの里にあるカフェ「森の茶屋」には、読谷山焼の窯元のひとり、金城明光さんと奥様の作品が置かれています。この写真は、ストロー用の穴が開いたアイスコーヒー専用のやちむんだとか。ユニークなやちむんに出会えるお店です。
出典: 四角いお皿にのせられたヒラヤーチー(沖縄風お好み焼き)が人気。ゆったりと時間が過ぎる落ち着いた雰囲気のお店です。
出典: やちむんと琉球ガラスをテーマにした旅、なかなか素敵ですね。焼き物好きな方はもちろん、いつもは海派の方もたまにはこんな旅も新しい発見がありそう。天候のいい春は、工芸めぐりにも適していますよ。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
沖縄は、400年の歴史を持つ「やちむん」(沖縄の方言で“焼き物”の意味)や、沖縄独自の「琉球ガラス」など、生活になじんだぬくもりのある工芸品が多いことで知られます。そんな沖縄らしい工芸にふれる旅も楽しそう♪この春、ぜひ出かけてみませんか?