人生を豊かにするヒントは、素敵な先輩が知っている。
どんなストーリーも、中盤を過ぎて波乱が起きたり、感動的なクライマックスを迎えたりするものです。
だからこそ、ドラマチックなエピソードや、ワクワクするクライマックスが待っているのはまさに「40代から」、といえるのではないでしょうか。
優しくもたくましく、しなやかな生き方―。今回は、そんな日々を重ねる先輩たちの生き方が詰まった本を集めてみました。あなたの少し先を行く先輩たちの歩み方は、きっとあなたに刺激や勇気をもたらしてくれることでしょう。
1.60歳でギャラリーを始めた女性の、センスと行動力溢れる人生
「80代の今が最高と言える-60で人生のやり残しに気づいたから-」
73歳でパリのアパルトマンに3カ月間の一人暮らしをしてみるなど、常に一歩を踏み出す行動力を持ち続けた著者の姿を目の当たりにすると、これからの人生で何をやろうかとワクワクしてくるはず。川﨑さんのセンスあふれる装いや暮らしの様子を切り取った写真も豊富で、ビジュアル面からも憧れの未来像を描くことがしやすい一冊です。
この本の制作中に、病が発覚し、出版と前後してご逝去されることとなりますが、だからこそまさに「人生を全うし、自分らしく生ききる」姿を目の当たりにできることでしょう。
2.90歳を超えてもなお活躍する現役モデルからのメッセージ
「人はいくつになっても、美しい」
70歳で『VOGUE』にモデルとして掲載され、出版当時88歳で現役のモデルとして活躍するダフネ・セルフ。そんなダフネから発される「いまだという時に行動しないと、チャンスは一生巡ってこないかもしれない」という一言には、説得力が満ちています。
年齢なんて単なる数字ととらえる彼女曰く、「老いは誰でも通る道、成長は選んだ人だけが通る道」。歳を重ねて老いることを嘆くことに意味はなく、自分のありたい姿にどう近づくか、日々をどう過ごすか…そこにフォーカスしてみると、年齢という呪縛や先入観から自然に解き放たれることに、あなたも気づくでしょう。
3.祈りをこめたおむすびで人を救い続けた、初女さんからあなたへ…
「『いのち』を養う食 森のイスキア 佐藤初女さんより、幸せな食卓のための50のメッセージ」
そんな初女さんのあたたかさと、食への思いがつまったのが、こちらの一冊。ページを繰るほどに、食卓を大切に、食べ物に感謝する気持ちに満たされていきます。
さらに、「心を込めて料理を作る、ただひたすら話を聞く」―そんな初女さんの、食べ物にも人にも心を寄り添わせる姿には、お相手の心の扉を開かせ信頼関係を生み出すヒントにも…。
「食べ物ほど心をストレートに伝える物はない」という初女さん。これからも何十年と続く日々の営みである「食べること」を入り口に、「伝えること」、「生きること」まで丁寧に見つめなおしたいあなたに。
4.毅然とした芯の通った女性になるための道しるべ
「女子の武士道」
しっかりとした根を張り、毅然とした態度で凛と立つ一人の女性でありたい―そう思いつつも、実際にそうあることはなかなか難しいもの。
夫や家族、友人との関係性も、長年積み重ねた時間がある故に、おざなりになっている部分もあるかもしれません。
この本は、著者の祖母が遺してくれた言葉の数々をまとめた一冊。
武家の娘として躾けられた祖母からの言葉の贈り物は、女性の生きかたや心得を説いた「武士道」そのもの。「一個人」「妻」「母」「友人」など、様々な顔や役割をもつ女性ならではの在り方を潔く導いてくれます。
逃げたくなったときや、周りに流されそうになったとき…自分の根本にゆらぎを感じたときに立ち返りたくなる「座右の銘」にきっと出会えるはずです。
5.「時」をためて丁寧に暮らす。日々を経るごとに美しくなる毎日
「ききがたり ときをためる暮らし」
そんな「人生フルーツ」で紹介されたつばた夫妻の著書が「ときをためる暮らし」。
70種の野菜と50種の果樹に囲まれたキッチンガーデン、丁寧に作られた丸太小屋…「お金より、時間をためて生きてきた」というお二人の人生は、時を重ねるごとに美しいものに。人目を気にするのではなく、大事なものをきちんと大事にして、自分にとってそうすべきでない部分にこだわることはしない。そんなお二人の毎日はきちんと「暮らす」ことそのものです。
なんだかかわいくて、でも堂々としている、そんなお二人の営みは、きっとあなたの心に沁みわたり、一つの目標になるはず。
「ききがたり ときをためる暮らし」から4年後の、その様子がおさめられた続編「ふたりからひとり」も、これからの人生のヒントを与えてくれる一冊となるに違いありません。
6.きっとあなたのロールモデルに出会える。
雑誌「つるとはな」
※現在、創刊号~5号まで刊行されています
出版社「つるとはな」は、「年上の先輩の話を聞く小さな場所」。そこから社名と同じタイトルを冠して発行されている雑誌「つるとはな」は、そのスタンスをストレートに体現しています。
例えば5号では、「2年先まで予定が埋まっている97歳のバイオリン弾き」「81歳の現役ファッションデザイナー」など…。創刊以来5号まで発行されていますが、いずれもバイタリティと魅力あふれる数々の人生の先輩がその人生を惜しげもなく披露してくれています。
楽しい生き様を背中で語る様子は、まさに「カッコいい!」の一言!
きっとあなたのロールモデルや、人生の目標に出会えるはずです。
あなたの人生は、これからもっと素敵になる。
日常ではなかなか出会えない、ユニークで豊かな人生に触れられる、今回の6冊。
ご覧になって分かる通り、どの人生や考え方にも、優劣はありません。共通して言えるのは、「どれも素晴らしく魅力的」だということ。そして「自分にとって大切なものを見失わないことが、何より大切」だということ。
いまは少し迷っていても、その向こうには、きらめきに満ちたワクワクが待っているはず。
さぁ、まずは表紙を開いて、人生の先輩のお話を聞いてみませんか?
著者の川﨑さんが60歳でオープンしたのは、「ギャルリーワッツ」。厳しくも愛のある確かな審美眼で、作品を選ぶだけではなく作家自身を育てるそのお人柄は、人を惹きつけて止まない魅力にあふれています。
「子育てを終えたら自立しよう」と決意していた川崎さんですが、「子育て中は一生懸命に子どもを愛する」と同時に決めていたんだそう。
ついつい女性がキャリアを積んだり思い通りの人生を歩むのには制約が多いと思いがちですが、子育てなどのライフイベントを自身への束縛ととらえることなく、いつでも「今を生きる上で忘れてはならない本質」を見失わないその姿勢は、勇気を与えてくれます。