未知の世界を教えてくれる「一冊」との出会いを求めて。
でも、「読書の幅を広げたい」と思って直感的に手に取った本のはずなのに、どうしても偏った傾向になってしまうものです。膨大な書籍の中から、いまの自分が求めている“未知なる本”と出合うのは、なかなか難しいですよね。
地図をもって出かければ旅がスムーズになるように、あなたの気持ちに沿って導いてくれる道しるべがあれば、ジャンルやこれまでの知識を超えてとっておきの一冊に出会える確率だってグンと高くなります。
さぁ、信頼できる道案内とともに、あなただけのブックハンティングへ…!
《アイデア1》素敵な「ブックガイド」を味方につける
みちのきち 私の一冊|國學院大學ブックプロジェクト(編)
「みちのきち」とは、國學院大學によるブックプロジェクト。渋谷キャンパスの敷地内には、一般の方も利用できる本棚兼読書スペースが設けられています。
未知のことを既知に変える基地、人生(道)の迷いに向き合う基地、機知に富んだ会話のできる大人になれるような本がある基地――。“みちのきち”とは、そんな願いを込めてネーミングされたそうです*
今回は、このブックプロジェクトによって誕生したブックガイド、「私の一冊」をご紹介。
アイドルから社長、キャスターまで―― 著名人109人による「大人になる上で読んでほしい一冊」は、既に大人になった私たちにも刺激を与えてくれるラインナップ。
読みやすい構成で、センスあふれる写真も添えられており、活字初心者さんでもすらすら読めてしまうはず。そして画像では分からないのですが、ピンクの三方金を施した、光を纏う美しい装丁も大きな魅力。ずっと触れたくなる手触りですよ。
気づくと手を伸ばしたくなる、まさに本の旅への第一歩を踏み出すのにピッタリの一冊です。
スミスの本棚|テレビ東京報道局ワールドビジネスサテライト(著)
報道番組「ワールドビジネスサテライト」の1コーナーを書籍化した「スミスの本棚」。
各界で活躍する社長やクリエイターの人生に与えた「とびきりの1冊」はもちろんのこと、頭の中や人となりまで覗けるインタビューにも、大切にしたくなるようなフレーズが溢れます。
目次では「発想のヒントが知りたい人へ」「身近な人の幸せを大切にする人へ」…と読者が置かれているライフステージや心境に合わせてカテゴライズされているので、人生のヒントになる1冊に少しでも早くアクセスしたい方にもおすすめです。
副作用あります!? 人生おたすけ処方本|三宅 香帆 (著)
日常の小さなモヤモヤから、人生における大事件まで…あらゆる悩みにまるでお薬を処方するように、そんな気持ちから抜け出すヒントとなる一冊を紹介してくれるブックガイドがこちら。
中には「お風呂に入りたくないとき」など…特に深い悩みがなくても、ユーモラスに心をほどかれること間違いなし!
「効く本」の紹介と共に、本の中から「効く一言」を抜粋して紹介してくれているので、このブックガイドだけでも心がスッと軽くなるはず…。ただの暇つぶしや娯楽止まりだった方も本の持つ力を味わうことができる、ユニークで個性的なブックガイドです。
《アイデア2》「選書サービス」でプロにセレクトしてもらう
1.あなたのためだけに選んでくれる「5冊だけの本屋」
女性による、女性のための選書サービス「5冊だけの本屋」。
そのなかのサービス「私だけの5冊」では、メールを通して回答したアンケートや、依頼者のSNSの内容などを参考に、「今のあなた」にピッタリの5冊を選書してくれます。実際に送られてくるのは、選書した「タイトル」と「紹介文」、「選書の理由」。本自体が送られてくるのではない分、リーズナブルなお値段でお願いできるため、選書サービスデビューの方にもピッタリです。
ユーザーに「あの時の私を映す宝物」と言わしめるほど、愛をこめて一人一人とじっくり向き合って選び抜かれた選書のラインナップは魅力的で、現在数か月待ちという人気ぶりにも納得。
リピーター向けには、「5冊だけの本屋」セレクトの本が1年に5冊届く、「私を変える本」というサービスも…。
呼吸するように読書する、そんなライフスタイルと共に、センスまで磨かれそうな選書サービスです。
2.働く女性のための「季節の本屋さん」
働く女性のために、季節ごとに選書した本を提供してくれる「季節の本屋さん」。
気になるタイトルは、届いてからのお楽しみ。「絵本」から「文庫」「単行本」まで、「2冊セット」を基本にしています。
3.古本屋「庭文庫」の<絵本つめあわせセット>
4.「双子のライオン堂」の<本棚からの便り>
《アイデア3》「シークレットブック」で偶然の出会いを
本の表紙やタイトルは隠され、抜粋された一文や、本のイメージからつけられたキャッチフレーズだけで本を選ぶ「シークレットブック」。まさに、自分自身のフィーリングのみを頼りにセレクトすることとなり、封を切るまでのワクワクと、本との偶然の出会いが楽しめます。
図書館などのイベントで、「処方箋」「福袋」といった形式で用意されるのを目にすることも増えましたね。
この「シークレットブック」を提供している、おすすめの書店をご紹介します。
1.「梟書茶房」の<ふくろう文庫>
2.「BOOKS f3」の<今日の本棚から>
3.「天狼院書店」の<天狼院秘本>
天狼院秘本は、以下の条件を承諾いただける方にのみお譲りしております。
・タイトル、秘密です。
・返品、できません。
・他の人には教えないでください。
天狼院書店さんの公式ページのとおり、買った人のみぞ知ることができる未公開であることが、コンセプトになっています。
気になる方は下の公式ページをチェックしてみてはいかがでしょう。もちろん、実店舗でも扱っていますよ。
4.「庭文庫」の<隠された本>
《アイデア4》日々更新される「#ハッシュタグ」をチェック
Instagram、Twitter、Facebook……生活に欠かせないツールになりつつありますが、これらのSNSを上手に使って、世界中の読書家が発信する情報のなかから、自分に合った本の情報を得ることもできます。
そこで活用したいのが「ハッシュタグ」。
InstagramやTwitterで「#読書女子」「#本のある暮らし」「#読書ノート」、あるいは「#私を構成する9冊」「#7日間ブックカバーチャレンジ」などと、ハッシュタグ検索をしてみてはいかがでしょう。その結果ずらりと表示されるのは、あなたがまだ見ぬ本の数々。
SNSでは、その本を紹介しているご本人のアカウントを見て趣味や価値観が自分とマッチしているかも確認できるので、好みの合う人オススメの一冊なら「面白い」と感じられる可能性も高いとも言えます。
どれだけ追いかけても追いつけないスピードで毎日タグに追加されていく本たちは、読書家にとってたまらない「ブックリスト」になるはずです。
新たな一冊は、新しいあなたとの出会いになる
小説、絵本、ビジネス書、実用書…どんな一冊でも、新しいページをめくった先に待っているのは発見と感動。そしてそれを吸収するたびに、あなたという人間は更新されていきます。
そう、本との出会いは、新たなあなたとの出会いともいえるのです。
今回ご紹介した4つのアイデアは、自分の枠を超えて初めて手にすることができるとびきりの一冊との出会いをもたらしてくれるはず。
ぜひ、明日は早速あなただけの新たな一冊を携えて…。
「ブックガイド」とは、“人に紹介する為に、おすすめ本をまとめたもの”のこと。一般的には書籍のイメージが強いですが、形態に捉われず、WEBサイト上でもさまざまなブックガイドが存在しています。
著名人のおすすめ本、作家によるのおすすめ本、ジャンル別のおすすめ本など、タイプも様々。まさに「誰かにとってのとっておきの一冊」が集約されたブックガイドは、あなたの本選びの道しるべになってくれるに違いありません。