言い表せない負の感情に飲まれそうなとき…本を手にしませんか
閉ざそうとする心をほどく、優しくてユニークな8冊をご紹介
パラパラページをめくるだけで、きっと心が軽くなる8冊をセレクトしました。
激励やお説教はないのに、なんだか気持ちが楽になる。あなたの「親友」になってくれる一冊が見つかるかもしれません*
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
1.呼吸をラクにする、言葉の数々。
ボールのようなことば。|糸井 重里(著)
あの有名なコピーライターの糸井重里さんの言葉を束ねた「ボールのようなことば。」。
まるで信頼する年の離れた大人にちょっと話を聞いてもらったときのように、あなたの心の荷物をさりげなく下ろしてくれるような言葉の数々が並んでいます。
あなたを鼓舞したり、誰かを責めたりするのではなく、でもちょっと先に人生を歩んだ人から「大丈夫大丈夫」と言われているような感覚。
「すごく悩んでいたつもりはないんだけれど、気付いたらなんだか毎日がちょっと息苦しい」――そんな時に手に取りたい一冊です。
2.「自分探し」に疲れたら。
さよなら私 |みうらじゅん(著)
やりたいことや自分だけの個性…。“自分らしさ”がフォーカスされがちな時代ですが、そんな「自分探し」や「自己実現」に辟易(へきえき)してしまう日だってありますよね。
そんなあなたに、「人生、こんなもんでいいのよ」と思わせてくれる、一見ゆるいようで鋭いヒントを運んできてくれるのが「さよなら私」です。
いいこともあれば、よくないこともある。始めがあれば、終わりもある。そもそもは何もないところから生まれ、何もないところに帰っていくだけのこと。
そんな変えようもない真理を何度も脳に言い聞かせ、生きるってあんがい楽しいかもって、逆に説得しようではありませんか。
「終わりあるはじめに」より
あなたが日々がんじがらめになることを、ちょっと超越した視点で乗り越えるヒントを与えてくれますよ。それは、仏教に精通している著者のみうらじゅんさんだからこそ。
暑苦しくもなく、むしろちょっと素っ気なさすら感じさせる温度感も、なんだか行き詰まってやさぐれモードになってしまった時に心地よさを感じさせてくれます。
3.対人関係のモヤモヤを、すーちゃんが代弁してくれる。
どうしても嫌いな人 すーちゃんの決心 |益田ミリ(著)
どうしても苦手なんだけど、しょっちゅう会わなきゃいけない人がいる・・。心優しい人ほど、その対人関係のモヤモヤは自分ひとりで抱えがち。
「今すぐどうにかできると思ってないし、仕方ないこと。でもこのモヤモヤを吐き出したい」というあなたにオススメなのがこちらの一冊です。
主人公「すーちゃん」をはじめとした登場人物が、職場で、実家で、恋人と…。ずーっと、誰かに対してのモヤモヤしたエピソードと、心の有り様について描かれているのですが、不思議と読み手を憂鬱にさせません。むしろ、前向きに考えられるようになりますよ。
ときにクスッと、ときにホロリとさせてくれるような毎日のエピソード。すーちゃんの台詞の節々には、共感と安堵がありますよ。
読み終わるころには、昨日よりもちょっと楽に折り合いをつけられる自分になっているかもしれません。
4.ドラえもんって深かった! 大人の今だからこそ響く言葉たち。
心に響くドラえもん名言集 ドラことば|ドラえもんルーム(編)
子供の頃何気なく見ていたお馴染みの「ドラえもん」に登場する言葉を結集したのが、こちらの本です。
大人になって改めて眺めてみると、漫画に出てくるセリフに過ぎなかった一言の深さに驚くはず。ドラえもん自体が、そもそも「大人だけのため」に描かれたものではないので、もちろん説教くささはゼロ。
背中を押してくれるような、心に響くまっすぐな言葉の数々が溢れています。
「おとなになるのがいやになった。」
おとなになるのがいやだと思える人は、自分はまだおとなになっていないと認識している。
子どもはいつかおとなになることが可能でも、一度おとなになった人は、子どもに戻ることはできない。だからどうしたと言われると困るけれど、おとなになってしまう前に、一度くらいはこんなふうにつぶやいてみるのもいいんじゃない?
5.苦悩や葛藤を、美しい言葉にのせて。
メルヒェン|ヘッセ(著)
20世紀を代表するドイツの作家、ヘルマン・ヘッセ。その名高さ故、どこかとっつきづらさを感じていたあなたにも、ぜひ手に取っていただきたいのが「メルヒェン」。
詩人でもある著者が、美しい言葉で紡いだ9つの短編童話集です。
童話と言っても、子どものための優しいものではなく、影も感じさせる大人のためのお話。
特に「アウグスツス」は、大人たちの心を震わす作品として有名です。
「みんなに好かれたい」「人生って何?」「誰かに愛されたい」―― そんな悶々とした気持ちを抱えているなら、ぜひ一読を。主人公を追ううちに、「誰かを愛せる幸せ」に気付くあなたが、そこにいるはずです。
6.人生はゲーム?失敗も人間関係も「落ち込み」から「攻略」へ
人生ドラクエ化マニュアル - 覚醒せよ!人生は命がけのドラゴンクエストだ!|JUNZO(著)
失敗して落ち込むとき、うるさいあの人が憂鬱なとき、思い切ったことができないとき――。「これは全部ゲーム!」とみなしてしまえば、むしろ「攻略」に闘志が燃えてきて、あらゆることが楽しくなるかも!?
あの大人気ゲーム「ドラクエ」で有名なスクウェア・エニックスに入社した著者ならではの観点で、人生における「苦痛」を「快感」に変える方法を紹介してくれます。
あなたにとっての敵はモンスターに、手ごわい相手をラスボスに・・・。たとえ負けても「経験値」が増えたと思えば、また新しい旅に出られるはず。
7.タブーを打ち破れ!女性の悩みにド直球で、心が軽くなる
生理ちゃん|小山健(著)
生理痛やPMS(月経前症候群)など、女性の大きな悩みの一つともいえる毎月の生理を主人公にした、斬新なこちらのマンガ「生理ちゃん」。2019年11月に映画作品も公開されたので、名前はご存知の方も多いのでは?
先に挙げたような生理による不調って、あまりオープンに話しづらいものですよね。本作では生理をキャラクターとして描いた、女性の生理の本音をスカッと代弁してくれる一冊。
「来ちゃった」の一言とともにやってくる生理ちゃんとの日々は、女性ならきっと共感だらけ!
「イタイ、ツライ、メンドクサイ」でどうしても憂鬱な対象にしがちな、月に一度の女性ならではのイベントも、読み進める間に愛しさすら感じるようになるはずです。女性の心を軽くする一冊であると同時に、異性にはなかなか理解されがたい「生理」を知ってもらうのにも有効です。
生理ちゃんが腹パンする場面は、なんともすっきり。生理痛やPMSで気分がモヤモヤするとき、女性特有の悩みを男性に理解してもらえないときなどにも・・・楽しく読めますよ。
8.ポジティブな啓発はお腹一杯!それなら「絶望」はいかが?
絶望手帖|家入一真(著)、絶望名言委員会(編)
あなたを情熱と共に鼓舞する自己啓発書は数あれど、目にするだけでうんざりしてしまう状況のときだってありますよね。そんなときは、真逆の「絶望」の世界に浸ってみるのはいかがですか?
常に前向きでいられない、思い通りにならない毎日も人生の一部。「絶望したっていいじゃない」というメッセージが込められている本で、偉人や現代人の「絶望」に満ちた言葉の数々がたっぷり詰まっています。
「絶望」を通して人間の本質に触れるうちに、気づけば救われている自分が…。一周まわって元気になれる、という、絶望からの逆説的な立ち直り方もあるはずですよ。
お終いに|いま開いたページが、あなたの心を軽くする。
なんだか投げやりになった日、ゆったりリラックスできる時間をつくって、気の向くままに、そっと本を開いてみてください。
最初から順番に・・・なんて真面目に考えなくても大丈夫。たまたま目にしたそのページにある言葉は、きっとあなたに必要だからこそやってきてくれた言葉ですよ。
ときにはゴロゴロしながらちょっとお行儀悪く、ありのままの気持ちで本と向き合ってみましょう。今日ご紹介した本は、きっとあなたのことを、静かに、そしてユニークに―― すべてを受け止めてくれますよ。
大きな事件や障壁にぶつかったわけではないけれど、なんだか言葉にできないモヤモヤとした感情に、心を侵食されてしまう・・・。
たとえちょっとしたモヤモヤの感情でも、毎日直面すると、澱(おり)のように心に積み重なって、「考えることに疲れた」「もう何にも考えたくない」なんてことになりがちですよね。
本当は、解決方法がわからなくても誰かに話したりして共感してもらい、一晩眠ってスッキリ!というのが理想的。しかし大人になると、時間の制約や様々なしがらみもあって、一人で悶々とした想いを重ねたままベッドに入る、という夜も少なくないのではないでしょうか。