頭の整理だけじゃない!あなたを楽にする「リスト」、作りませんか
「やらなくてはいけないこと」「やるべきこと」をまとめた《備忘録的なリスト》から、「いつかやりたい!行きたい!買いたい!」を凝縮した《夢と希望にあふれたリスト》まで―― その役割はさまざま。
そのように、日常で使いこなしているリストですが、《あなた自身を支えるリスト》も作ってみてはいかがしょう。今回は3つ、とても有意義なリストの作り方をご紹介。
1.やる気UPリスト|あなたのエンジンに素早く火をつける!
そんなときに備えて今すぐ作り始めたいのが、「やる気UPリスト」。
リストの作り方
実際に「やる気がアップした」場面で"何がスイッチになったか?"を、その都度記録する。
(体の調子がいい時の気づきでもOK)
・本:タイトル、フレーズ、名言
・音楽:心躍るBGMの曲のタイトル
・集中力:「15分は落ち着かないが、1時間あると集中できた」(という実体験の気づき)
・モノ:新しい文房具を買った時
・場所:○○カフェで取り組んだ時
・ファッション:〇〇のブランドのネイルカラー
・時間帯:朝6:30前後
・生活:よく寝た朝
・タイミング:締め切りに余裕がある日/ない日
・運動:10分のウォーキング後
もっと活用するためのヒント
①やる気を出すべき場面でリストを振り返り、項目を実行する。
②やる気が出ない時の傾向&対策を見出して、日頃のスケジューリングにいかそう。
「やる気UPリスト」が充実してくるほどに、自分のやる気が出やすい「環境」や「傾向」が見えてくるはず。
②はその都度スイッチをオンにするきっかけを探すものでしたが、それと並行して、リストを参考にやる気レベルが高まるよう、日頃から意識して条件を整えておくのも、リストの有効な活用法。
やる気を出せないときの傾向と対策を、まとめてみませんか。
・ちょっと憂鬱な出勤時:「お気に入りのカフェ」に立ち寄ってから出勤する
・休日が終わり、翌日の平日がつらく感じる時:必ず「6時間」睡眠をとり、朝を迎えたら好きな「曲」を流し、とっておきの「朝食」を食べる
環境を整えたり、スケジューリングを工夫したりすれば、時間のロスなく前向きにあらゆる事柄に取り組みやすくなるはずです。
「これで私はできるはず!」とおまじないをかける行為にも似ているかもしれませんね*
2.ストレスコーピングリスト|心に元気を取り戻す処方箋。
「コーピング」とは、「対処する」という意味。つまり、「ストレスに対処し心身の元気を取り戻すための方法をまとめたもの」が「ストレスコーピングリスト」です。
人は不快な経験や困難・心配事にぶつかると、原因となった物事のことばかり考えてしまいどんどん「ストレス沼」にハマっていってしまいがち。まるでそれが世界の全てになったかのように、「ストレス解消」や「気分転換」というところにまで発想が至らないものです。
そんなとき、「ストレスコーピングリスト」があれば、予めリストアップしておいた項目の中から、その時可能な自分なりのリフレッシュ方法を実行するだけ。まさに「元気を取り戻す処方箋」と言えます。
リストの作り方
目標は「100」。できるだけ多くリストアップを。
ストレスを感じる場所や時間帯は予測不能。また、唯一のお薬より、コンディションに合わせていくつもお薬の選択肢がある方が心強く、効果も得やすいですよね。だからこそ、コーピングリストの項目は多いほど良いと言われています。
ごくごく些細なことでも構いませんので、「100」を目標に作成してみましょう。
□だれと ≫ 一人で・気の置けない人と一緒に
□なにをする?(行動) ≫ 見る・聴く・話す・読む・食べる・嗅ぐ・触る・書く・想像する・考える・走る・歩く・寝る
実行のための条件が、少ない項目を豊富に用意する
「好きな服を買う」「旅行に⾏く」「友人と美味しい食事をする」…などもいいですが、「時間やお金、手間がかかる」「誰かと一緒」ものばかりのリストになってしまうと気軽に実行できず本末転倒。
「一人でできる」「すぐできる」「脳内で簡潔できる」ようなものも多く含めることを意識しつつ、バリエーション豊かなコーピングをリストアップしましょう。
□ 15分散歩
□ 心の中で、ゆっくり20カウントする
□ 座右の銘を声に出して唱える
□ 深呼吸する
□ 10秒目を閉じる
□ 大好きな風景を思い浮かべる
□ 炭酸水を飲む
もっと活用するためのヒント
いつでも手に取れるところに置いておく
リストを作ってから重要なのは、「いつでも手に取って見返せる」こと。いざというときすぐ手に取れれば、その分スピーディーにストレス状態からリリースされやすくなります。
また、すぐに実行しないorできないとしても、目を通すだけで「これを楽しみに頑張ろう」とポジティブな気持ちを呼び起こしたり、「私にはこのリストがあるから大丈夫」とお守り的存在としてのチカラも発揮してくれます。
小さなメモ帳にしたためてポケットの中にいれておく、手帳に書く場合はパッと開けるページや冒頭にリストを準備しておく。あるいは、リストをお財布の中に入れておく、スマホ内にメモしておくなどの方法もいいですね。
3.NOT To Do リスト|人生に余白が生まれる。
やるべきことを羅列したおなじみの「To Doリスト」は、タスクの抜け漏れを管理し、自分のアクションを管理するのに有効。
でも「雑用や思い付きベースのものまで盛り込み、やることばかりが増えていく」「リスト内のタスクに割ける時間まで考慮せず羅列しがちで、時間が足りなくなる」→「ほぼ必ずリストが翌日に持ち越される」という弱点も。
そこでオススメなのが、「やらないこと」を先に決めてリスト化した「NOT To Do リスト」。
「やりたい」「やらなくちゃ」を足していく「To Doリスト」に対して、引き算をしていくのが「NOT To Do リスト」です。
一見、「後ろ向き」「諦め」などといった印象も持ちかねませんが、むしろ「やらない」「やらなくていい」ことが日常から除外されることで、本来「ありたい姿」「実現したい生活・人生」の輪郭が明確になります。
これにより、タスクや時間に追われていた毎日に余白が生まれ、「本当にやりたいことに注力できる」ようになるのです。
リストの作り方
❶ 自分の人生や日常で「もうやめたい」と思っていることを自由に思い浮かべる。
心にくすぶる不満やモヤモヤ、やたらと時間がとられていること、自分ばかりが頑張っている気がすること…そういった「やめたい」「変えたい」ことを思い浮かべてみましょう。
B:いつも疲れが抜けていない体
C:仕事と家事ばかりの毎日
D:落ち込みがちな性格
❷ ❶の原因を意識しながら、「やらないこと」をリスト化する。
今自分を①に導いている原因を掘り下げ、その原因を手放すべく「やらないこと」を整理します。
「~しない」と言い切るのに違和感や抵抗がある場合には、「~しなくていい」という言い回しでもOKです。
≫≫ 出したものを置きっぱなしにしない/衝動買いをしない/一人頑張って片づけない
・B:いつも疲れが抜けていない体
≫≫ 夜更かしをしない/(たとえ仕事でも)睡眠時間を削らない
・C:仕事と家事ばかりの毎日
≫≫ 掃除と料理は「毎日」しなくていい
・D:落ち込みがちな性格
≫≫ 1人で一晩以上悩まない/自分を責めない
あなたの気持ちが詰まったリストが、毎日のお守りになる。
今回ご紹介したリストは、どれもあなたを「縛り付ける」ためのものではなく、ありのままのあなたへと解放してくれるもの。誰の眼も気にせず、素直な気持ちを記してみましょう。
そうして仕上がったリストは、そっと手元に携えるだけで心強いお守りになるはず。
もっとラクにしなやかに―あなたらしい毎日を送るためのヒントになりますように。
やる気を出さなくてはならない瞬間を迎えたら、「やる気UPリスト」を振り返り、今日のあなたのやる気のスイッチをオンにしてくれる項目を探しましょう。これは、いわばエネルギーが欲しい時に栄養ドリンクを選ぶイメージです。
メモした「名言」が再びきっかけとなって、あなたのやる気に火がつくかもしれません。あるいは、すぐに再現できる項目を実行して、自分の背中を押してみましょう。