あなたはどんな「エコ」に取り組んでいますか?
「マイバッグを持参しています」
「ゴミの分別をしています」
「タンブラーを持ち歩いています」などなど…
きっと多くの人が何か一つは即答できるはず。
今回は、実は意外と知られていないエコの真実をテーマに、5つのトピックスを纏めました。
エコについてもっと理解を深めて、本当に意味のあるアクションにつなげていきませんか?
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
エコについて、正しく知っておきたい〈5つのこと〉
1.エコバッグは実際、レジ袋よりもどの程度エコなの?
“レジ袋1枚分の元をとる”という観点でより一層紐解くと・・・
例えばスーパーに週に2回買い出しに行く人の場合。
必ずエコバッグを持参して、レジ袋をもらわなければ、およそ2か月半で元が取れるというペースですね。
今は安価でかわいいエコバッグもたくさん出回っていますが、もしそれより短い期間で破けたりして買い直すと、必ずしもエコバッグ=エコとは言えない場合もあるということ。
2.今話題のプラスチックごみ。分別して出せば、別のものに生まれかわる?
なんと、事業所や家庭から出されるプラごみのうち、再びプラスチックとして生まれ変わるのはわずか16%。その他に、6%が製鉄に使う原料などに生まれ変わるのだそう。
いわゆる「リサイクル」に分類されるプラごみですが、合計しても2割程度にとどまるのが、実際のところです。
ちなみに、一般廃棄物系のプラごみのうち、「容器包装プラスチック(ポリ袋、パック、食品トレーなど)」と「ペットボトル」は、容器包装リサイクル法によって、リサイクルが定められています。
こういったごみを出さないのに越したことはありませんが、完全に排除するのも難しいのが現実なので、せめてこれらは2種類は、より丁寧に分別したいですね。
3.リサイクル対象のペットボトルや食品トレー。全て生まれ変わる?
先ほど述べた「ペットボトル」と「食品トレー」ですが、すべて別のモノに生まれ変わるのでしょうか?実は一部、リサイクルできない場合があります。
代表的なのは、汚れているもの。例えば、軽く洗えばOKなのに、その“ひと手間”なく資源ごみに出されたトレー。あるいは、油の入っていたペットボトル素材の容器など・・・。汚れを取り除く“ひと手間”を、大切にしたいですね。
また、プラごみに含まれる樹脂は、様々な種類が混在しています。その種類ごとに利用方法も異なるので、中には再利用できず、焼却処分の対象となるものもあるんです。
ある報告によると、2017年に収集した容器包装プラスチックのうち、「再生利用」されたのは30万tとなっていますが、「再商品化製品」として売れた量を見ると約16万tにとどまっています。
つまり、せっかく生まれ変わったもののうち、実際に活用されたのはおよそ50%に過ぎない、という意味です。
素人の私たちにはどれが再生利用しやすいプラスチックなのか、その判断は難しいですし、それを見極めることがエコの本質ではありません。
できる限りプラスチックが使用されていないパッケージを選ぶなど、小さくても確実に効果のある判断を積み重ねていきたいですね。
4.食器用洗剤いらずと言われる「アクリルたわし」はエコ?
5.「化学繊維」は生産過程で石油を多く使うイメージ。果たして本当?
「化学繊維」は、原料に戻すリサイクル技術が工業化されているため、然るべきルートを通せば何度でも再生利用が可能なんです。
さらに「化学繊維」と一口に言っても、石油が使われていない素材もあります。「化学繊維」で石油が原料となっているのは、実際のところ「ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン」のみ。
こう聞くと、「化学繊維=石油の大量消費!」とは言い切れない側面があります。
ただ、気になるのは最近話題の「マイクロプラスチック」の観点。先ほどご紹介したアクリルたわし同様、「化学繊維」の服にも盲点があります。
化学繊維の服は洗濯の度に繊維が抜けおちて、マイクロプラスチックの原因となってしまうのです。
この点では、やはり綿や麻、絹やウールと言った天然繊維の服が、環境にとって優しいものになります。
化学繊維の服のケアについて
でも、化学繊維の服を日常から排除するのも、難しいことですよね。
例えば、フリースの温かさやレーヨンのしなやかな素材感など・・・。おしゃれや機能の面を見ると、すべて手放す暮らしをするのは、あまり現実的ではありません。
・洗濯頻度を減らす
・洗濯の方法を見直す(ネットに入れる、時間を短くする)
・洗濯機を見直す(ドラム式よりも縦型の方が繊維が抜け落ちやすい素材も)
まずはできることから。正しく理解してエコな暮らしを
ここまでいろいろなお話を紹介してきましたが、地球規模の話となると「私ひとりがやっても変わらない」と思ってしまいがちですよね。
でもあなたが明日、ペットボトル1本を買わないで済ませたら・・・それは地球上で確実に、あなたが出すゴミのなかで1本のペットボトルゴミが減るということ。
こんな風に、ごみとなるものの使用量を抑えたり、手元にあるアイテムとの付き合い方を変えることは、たとえ小さな規模でも、エコへの確かな一歩につながっているのです。
まずは正しい知識を身に着けて、たとえ小さくても意味あるエコ活動を積み重ねていきたいですね。
今年の2020年7月よりレジ袋の有料化が決まったことで、いま注目度を高めている「エコバッグ」。果たして、レジ袋よりもどの程度エコに繋がるのでしょう?
エコバッグの素材にもより差はありますが、実は「エコバッグ1枚を製造するのに必要な石油量」=「レジ袋10~20枚製造するのに使う石油量」という報告があるんです。
このことから、製造過程に要する石油量という観点では「エコバッグを20回使って、やっとレジ袋1枚分の元が取れる」という見方ができます。