心をすっきりきれいにして、新たな1年を私らしくデザインしよう
物流倉庫でお馴染みの、在庫管理・生産管理においてよく行なわれる作業。具体的には、商品の在庫数を正確に把握して、それらの品質をチェックし、それらの価値を査定することです。棚卸しから得たデータから、不要なもの・不備を出さないための対策をとることができます。
私自身も「棚卸」を。感情・解釈はいったん横に置いて、本質を捉えよう
「棚卸」って業者っぽいイメージを受けますが、実は私たちの日常でも自然に行なっていること。
例えば衣替えのタイミングで、クローゼットの棚卸しを行なっている方は多いのではないでしょうか。そこから「スカートを買おう」等、必要なものを確認したり、「去年まではお気に入りだったけど、今年は着そうもないな」と、時には手放す判断をすることも。
あなたの「心の中」も同じく、棚卸を実践してみましょう。心の中も、必要なものを確認したり、時には手放す判断をするべきなんですよ。
《私の棚卸》のプロセス
はじめに
自分の心と向き合える、リラックスできる環境を整えましょう。
棚卸しは、お気に入りのカフェや、緑あふれる図書館など、集中しやすくてお気に入りの場所でおこなうのが◎。もちろん、ポカポカ温めたおうちで、お気に入りのお茶とお菓子を準備してもOKです。
心がだんだんと解放されるような、とっておきの居心地を重視しましょう。
手もとには、紙とペンのご用意を。
STEP1:今年自分が「何ができて、何ができなかったのか」を洗い出そう
今年(2019年)の1月~12月にかけて、「できて良かった出来事」、「(やるつもりだったが)できなくて後悔している出来事」を書き出してみましょう。
淡々と列挙していくだけでOK。この1年の手帳を手もとに用意したり、スマホの写真データを見たりして、時系列に添って回想しながら・・・というプロセスを踏むと、スムーズかもしれません。
・好きな街に引っ越しすることができ、大満足。面白いお店を見つけに、このエリアをもっと開拓してみたい。
・共通の趣味を持つ、新しい友達ができた。気が合って話しやすく、このまま良い関係を築いていきたい。
・長野へ一人旅に行くことができた。自然がきれいで宿の人も優しく、とてもリフレッシュできた。
・12月になったのに、今年読むはずだった本のなかで7,8冊が、いまだ読むことができず残ったまま。
※ここまで細かく書き出す必要はありません。あくまで自分用のメモとして書き出すことなので、一言ずつ列挙してもOKです。執着したいポイントや心残りは、できるだけ書き出しましょう。
STEP2:各項目に対して、マーカーや色鉛筆で「感情の色づけ」をしよう
■「大満足ではないが、不満よりは満足に近い状態。もっと向上したい(頑張りたい)」→黄
■「不満足。もっと努力する必要がある」→青
作業を進める際には、以下の「感情リスト」もご参考に・・・
□ ~を頑張ったら、克服できた
□ ~が大きな喜びになった
□ ~が面白かった
□ 「~~」という一言がうれしかった・褒められた
□ ~が得意だと感じた
□ ~が気になった/気になっている
□ ~に心が傷ついた
□ ~に怒りを感じた
□ ~に嫌悪感を持った
□ ~の居心地が悪かった
□ ~に疲弊した
STEP3:感情の色に添って、下記ポイントを捉えてみよう
「赤」の色づけ:それを長所として伸ばしてあげましょう
赤の項目それぞれに対して「○○したことが良かった」と自分を褒めるポイントを見出して、黒のペンでコメントを添えてみて。よくできた自分を褒めて、それを長所として伸ばしていきましょう。
「黄」、「青」の色づけ:本当の目的を見出そう
「目的」といっても、ゴールがあるもの・ゴールがないもの(継続し続ける習慣化に意味がある)があるかもしれませんが、今の段階では、「どうして自分はそれをやらなきゃいけないのか」という目的を、直感的にパパっと書いてみるだけでokです。
⇒目的:大人女性の嗜みとして、突然の来客でもある程度はささっと料理を作れるような腕を磨いておきたいから。自分で作るご飯がより健康的で美味しくなったら、いっそう食事が楽しくなるから。
・好きな街に引っ越しすることができ、大満足。面白いお店を見つけに、このエリアをもっと開拓してみたい。
⇒目的:友達がこの街に来たときに、おすすめのお店をいくつか案内できるようにしておきたい。
12月になったのに、今年読むはずだった本7,8冊が、読むことができず残ったまま。
⇒目的:本を読むのは、大人の嗜みとして、知見を広げるため。知らない世界を知りたいから。有名な作家の著作くらいは、ある程度押さえておきたい。
STEP4:ここからが棚卸。「黄」「青」の中で、手放してもいいものは
目的の中にある、他人から良く見られたい執着(願望)を見抜き、いったん手放してみる
目的の中に「自分をより良く見せる為」「他人から評価される“自分の価値”をあげたいから」という方向性の意図があるなら、それらをいったん手放してみましょう。
決して、「自分をより良く見せる為」「他人から評価される“自分の価値”をあげたいから」という気持ちがダメというわけではありません。
例えば、彼から「きれいになったね」と褒められたいから、「もっともっとダイエットやメイクを頑張らなくちゃ」と思っても良いのいです。ただ、今回見極めたいのは、「それが、あなたの心にとって重荷になっていませんか」ということ。
「□□に役立ちたい」「□□に喜んでほしいから○○したい」という気持ち の方を重視しませんか。
ですが本質を見つめると・・・前者が他人軸であり、後者が自分軸になります。
「良く評価されたい」「大人として立派な人間を目指す」ということは、他人の目を気にして生きているということ。
それがダメというわけではありませんが、そういった“他人の目を意識することで生まれる執着”が、あなたがやりたいことに対して、本気で取り組めない原因を作っている可能性があります。
⇒目的:大人女性の嗜みとして、突然の来客でもある程度はささっと料理を作れるような腕を磨いておきたいから。自分で作るご飯がより健康的で美味しくなったら、いっそう食事が楽しくなるから。
▷▷▷「突然の来客でも恥ずかしくない料理を作りたい」という気持ち、いったん手放してみない?
・好きな街に引っ越しすることができ、大満足。面白いお店を見つけに、このエリアをもっと開拓してみたい。
⇒目的:友達がこの街に来たときに、おすすめのお店をいくつか案内できるようにしておきたい。
▷▷▷「友達がこの街にきて、美味しいお店を案内するとき。残念な思いをさせないように気をつけなくちゃ」という気持ち、いったん手放してみない?
12月になったのに、今年読むはずだった本7,8冊が、読むことができず残ったまま。
⇒目的:本を読むのは、大人の嗜みとして、知見を広げるため。知らない世界を知りたいから。有名な作家の著作くらいは、ある程度押さえておきたい。
▷▷▷「大人の嗜みだから」という気持ち、いったん手放してみない?
STEP5:いったん手放して「それでもこだわりたいこと」を来年叶えよう
「他人からの評価」「他者から一目置かれる存在になる」という、自分の自己肯定感を高めるための執着をいったん手放してみて、それでも「頑張りたいな」というTO DOこそ、来年叶えたい目標にしてみませんか。
上での例に触れるなら、習いごとの料理教室、「突然の来客でも恥ずかしくない料理を作りたい」という気持ちを取り除いても、「来客が美味しいと喜んでもらえる料理を出せたら嬉しいな」「誰からも美味しいといわれる料理を、私の日常の食卓で味わいたい」という気持ちが生じるならば、本気で取り組みたい来年の目標になるはずですよ*
おしまいに
何かの目標をたてるときに、どうしても「自分にどのようなメリットがあるか」を考えがち。しかし、それだけではなく、「得られる幸福感」を重視することも大切です。その幸福感の要因となる一つが、先にあげた、「□□に役立ちたい」「□□に喜んでほしいから○○したい」という気持ちです。
《私の棚卸》は、自分が心の底から笑顔になれるほどの達成感が、従来の目標の中に有るのか―― 今一度見つめる機会になるはずです。
年を重ねて大人になるほど、自分より周囲の空気を読んで行動を決めたり、やりたいことよりできることなどを優先してしまいがちです。今回の「棚卸」を通して、一番分かっているつもりで意外と知らない自分の一面をいくつも発見できるといいですね*
気づけばカレンダーの枚数も残り少なくなってきて、新たな一年の足音が近づいてくるのを感じられる頃になりました。
あなたにとって今年は、どんな一年でしたか?
思いのほか「これが出来なかった」「来年こそは・・・!」という反省点が浮かんで、自分のやりたい事を完遂できなかったという方は多いのではないでしょうか。
そんな「あれもしたい、これもしたい」という事柄が多いあなたに提案したいのが《私の棚卸》です。