忙しい毎日を送っていると、「～すべき」という「should」や、「～ねばならない」という「must」が次々と押し寄せてきます。もちろん、社会人としての務めや、家庭での役割など、責任をもって果たすことは大切なことです。ただ、ないがしろになっている「want」もまた同様に、人生において重要なことに変わりはありません。

人生を楽しく充実したものにするのは、「should」「must」ではなく「want」です。あなたはワクワクするような「want」がありますか？ 最近どんなことに心躍ったでしょうか。自分が何をしたいのか、何を望んでいるのかに気付けていないのなら、このあとご紹介するノート術がきっと役立つはずです。

自分の本当の「want」に気付くには、ノートに書き出す方法が効果的です。頭の中でボンヤリと夢想するよりも、文字という目に見える形にすることで、「want」の輪郭がくっきりと際立ってきます。「～したい」「～だったらいいな」そんな望みを書き出す作業は、思いのほかワクワクするものですよ。

「want」を見つける際、気を付けることがあります。それは、自分の「want」だと思っていることが、「You want」や「She wants」にすり替わっていないか、ということです。親のため、子どものため、パートナーのため――そうやって誰かの「want」を肩代わりしていないでしょうか。自分の本当の「want」があってこそ、人のために尽くすことができるようになるのです。

ノートを一度書いただけで、自分の本当の「want」が見つかるわけではありません。日々、自分の心と向き合うことで、長所や短所、習慣や思考の癖などが徐々に見えてくるからです。まずは1～2週間、次の5つの項目を記録してみましょう。

5つの項目を1～2週間ほど記録し続けると、あることに気付くかもしれません。それは、「やりたいことを書いてみたら、実際にできた」ということです。この「書いたらできた」というサイクルをどんどん回すことで、毎日がワクワクと充実し始め、「自分にはできる！」という自信を大きく成長させてくれます。

「～がほしい」「～したい」といった望みが叶えられたら、その先にはどんな「want」があるか想像できるでしょうか。ノート術を継続していくと、次第に「こうありたい」という最終的な望みへと変化していきます。これは、日常的な望みを次々と叶えていくうちに、あなたの本当の望みにたどり着ける、ということなのです。

あなたにワクワクするような夢や目標があったとします。それが時間の経過や状況の変化とともに、「叶えなければならない」「実現しなければならない」ものに変わってしまったとしたらどうでしょう？ ワクワクするはずの「want」が「should」や「must」になり、苦痛を感じてしまいますよね。
大切なのはワクワクする心です。定期的に「want」を記録していけば、ひとつの夢や目標に縛られず、柔軟に軌道修正することができます。

ノートを書き始めると、思うように「want」が出てこないことがあるかもしれません。「自分は○○だから」という制約をかけていないでしょうか？ そんなときは、「もし○○でなければどうしたい？」とご自身の心に問いかけてみましょう。あなたを不自由にしている制約を外すと、思いがけない本当の「want」に気付けるかもしれませんよ。

自分の本当の「want」に気付くことができれば、お金や時間の使い方、人間関係、働き方、感情をもコントロールできるようになります。どんな感情を味わいたいか、どんなふうに行動したいか、理想の一日はどんなものか。先取りログで現実を引き寄せ、コントロールスキルを上げていきましょう。