そこで大事なのが怒りをコントロールすることです。怒りを感じた瞬間の気持ちの抑制や、怒りを手放すこと、自分の思い込みを無くすことなどがそれに当たります。
いつでも怒りを手放せばいい、というわけではない
怒りは喜怒哀楽の一つであり誰しもが持つ感情です。怒りを感じることそのものは決して悪いことではありません。ですが、怒り方を間違えると相手を萎縮させたり関係性が悪くなるなどの弊害があるのも確かです。
だからこそコントロールすることが必要なのですが…そもそも怒りを感じるのは自分の価値観とは違う部分があるから、ともいえますよね。相手の価値観を認め、怒りを手放すことは確かに大事です。
ですが、手放して済むことばかりではありません。価値観の違いからだけでなく、その場のルールとしてダメなことはダメと、しっかり伝えなくてはいけない事もあるでしょう。
怒らずに褒めるべき、という考え方もあります。ですが、「怒ってはいけない」という思いが強過ぎて、感情を抑え込んだり伝えるべきことを伝えないのでは、いつまでも怒りの原因は解決できないうえ、我慢を強いることになってしまいます。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
怒る代わりに、するべきこと
それぞれが持つ価値観は尊重しながらも、相手に行動を変えて欲しい時があります。そんな時どうすべきか。それは怒るのではなく「伝える」ことです。
例えば職場の後輩
職場において自分が指示を出していたにもかかわらず、何度となくその通りに行動を起こさない後輩がいたとしましょう。自分も仕事を抱えながらも後輩の面倒を見ているとすれば、「どうして言った通りにできないの?」と怒りたくなりますよね。
ですが、まずはなぜ行動していないのか、について話を聞いてみましょう。その上で、与えておいた指示と後輩がとった行動のすれ違いはどの部分であるのかを伝え、「こうして欲しい」としっかり伝える必要があります。
家族の間でも
また、家族間でも怒ってしまうことはありますよね。いうことを聞かない子どもに対して、怒りに任せて怒鳴っていては、子供はなぜ怒られているのかわからないでいるかもしれません。
経験値の少ない子どもは、教えなければわからないことがたくさんあります。怒るよりもまず「教え、しっかり伝えること」が必要です。
家族といえば子どもだけでなく、自分の親や義理の親に対しても、世代のズレや考え方の違い、習慣の違いによって怒りを感じることがあるでしょう。
そんな時には教える、伝えるではなく、こうして欲しいという「お願い」をします。年長者に対して敬意を払いながらも、自分の希望はしっかり伝え、互いに納得できるようすり合わせることが必要です。
伝えるスキルを上げよう
怒りを感じたことについて、お互いが納得できるように「こうして欲しいとリクエストし、教え、お願い」することはとても難しいことです。
感情のままに怒る方がよっぽど簡単に思えますよね。ですが、ただ怒っただけでは何も変わりません。その上、相手が萎縮するなど、マイナスにつながる可能性もあります。
怒りを感じた原因を自分の中でまとめ、相手にどう言えば伝わるか、「伝えるスキル」を上げるよう努力しましょう。そして、怒りの根本をひとつひとつ解決していきましょう。
おわりに
怒るというのは、怒られた方はもちろん怒った方さえも気持ちのいいものではありません。そうと分かっていても怒りの感情が湧き上がってしまう…それは誰にでも起こりうることであり、決して悪いことではありません。
大切なのは、自分の怒りの原因を素早くつかみ、相手に伝えることです。怒りたい気持ちになったら、それは「伝える、教える、お願いする」ためのきっかけと捉えてはどうでしょう。自分が怒りを感じる場面において、伝えるのか教えるのかあるいはお願いするのか、どの方法が適しているか、考えてみませんか?
仕事をしているときや家族の間柄でさえ、時として感じる怒りの感情。怒りを感じたとき、感情に任せて怒鳴ったり態度に表すことは、大人として避けたいことですよね。