何事もないはずなのに、心がざわつく・・・
しかし、なかなか抜け出せない、厄介な不安があります。それは、やもやとした不安に駆られる「漠然とした不安」。
それなのに、ふとしたときに、原因不明の「漠然とした不安」に襲われることがあります。
例えば「今の私のままでいいのかな」「自分にはもっとふさわしい場所があるのでは」と、感じたことはありませんか。
きっかけはプライベートや仕事でのささいな出来事でも、根詰めてしまうと、だんだん人生の意味を問うような難問に・・。もやもやのスパイラルに陥ると、ずっと憂鬱な気分が続いてしまいます。
「漠然とした不安」は人生につきもの。大切なのは、揺らがないこと
これは、“自分らしさを確かめるチャンス”と捉えて
もしあなたが、「自分の意思で歩いているのかどうか分からない」という、その傾向があることを自覚したなら・・・これを嘆かず、チャンスと捉えてみて。
そこで、今からご紹介する【1】【2】の方法を通してじっくりと自分の心の声に耳を傾け、あらためて自分自身の“輪郭線”をなぞっていきましょう。
それらを俯瞰してとらえることで、不安に動じず、ゆるやかに交わっていける強さを身につけることができるはず。
今の不安な気持ちを対処しながら、改めて自分自身を見つめ直してみませんか?
不安に駆られた時に試したい、⾃分を確かめる【1】【2】のこと
はじめに:用意するものは、手帳とペン
「私、このままでいいのかな・」という漠然とした不安に駆られたとき、もしくはその予感がしたとき、すぐに用意してほしいのが「手帳」と「ペン」。
頭の中だけで不安と闘っていると、いつのまにか堂々巡りを繰り返して、余計に思考がぐちゃぐちゃになりがちです。
そこで、これからご紹介する【1】【2】のことを、いつも使っている手帳に書いてみてください。文字にして視覚化することで、不安を整理することができます。
また、書き出すだけで、アウトプットされて気持ちがすっきりする効果も。さらに、記録しておくことで、次にまた不安な気持ちになったときに⾒返して、⾃⼰分析にも使うことができます。
【step1】不安が和らぐ「3つのアファメーション」を書いてみよう
「アファメーション」とは、肯定的な自己宣言のこと。自分が前に進むことを手助けしてくれる“ポジティブな呪文”です。
これを文字として書き残したり、声に出したりすることで、自分の潜在意識に刷り込むことができます。自分に語りかけ続けると、その通りに、ポジティブな変化が起きると言われているんですよ。
まずは、これから紹介する“不安”に関する3つのアファメーションを、手帳にそのままの言葉で書いてみましょう。
「先送り・回避することは、⾃分の守り⽅のひとつです」
*1つ目は、「先送り・回避することは、⾃分の守り⽅のひとつです」と、書いてみましょう。
今の⾃分にとって負荷が⼤きいから先送りする。面倒ごとを回避したいから先送りする。それは、適切な判断。
“⾃分への⽢え”という考えは⼀旦置いておいて、まず、今の⾃分が穏やかでいられることを、⼀番に考えてみませんか。
「周りに助けてもらうことは、その⼈との絆を深めます」
*2つ目は、「周りに助けてもらうことは、その人との絆を深めます」と、書いてみましょう。
少し勇気が必要かもしれませんが、信頼できる相手なら、頼られることを拒んだりせず、きっと温かく受け入れてくれます。むしろ、心の内を開くことで、今まで以上に深い関係を築くことができるはず。
「時には、なるようにしかならないこともあります」
ですが、あなた自身、頭ではわかっているけど、悔いが残って心を切り替えられない。不安な気持ちが収まらないことが、きっとあると思います。
*3つ目は、「時には、なるようにしかならないこともあります」と、書いてみましょう。
沈むときは沈む。でも時期が来れば必ず浮かび上がる。そう信じて力を抜いてみれば、少しは楽になってきませんか?
【step2】自分自身に、インタビュー。「7つの質問」に答えてみよう
これから行う7つの質問に、思いつくままに答えてみてください。誰かに見られるものではありませんので、自分に正直に、あるがままの言葉で、手帳に書き起こしてみてください。
答えるのが難しかったら、空欄でも大丈夫。その代わり、一つでも書き出せたら、それは当たり前ではなく「自分がある」ということです。そんな自分に、花丸をつけてあげてください。
Q1:今、不安なのはどんなこと?
仕事のこと、パートナーのこと、家族のこと、自分自身のこと、将来のこと・・・箇条書きでも、文章でも。【今、不安なこと】を思い浮かべて、吐き出すように、何ページでも書いてみてください。心の膿を出すように、些細なことも、この際、文字にしてみましょう。
“もやもや”とした不安は、自覚しないようにして蓋をし続けると蓄積され、いつしか大きく膨れ上がってしまいます。
もしも誰かの「悪口」になってしまっても大丈夫。これは自分だけの心のお片付けなのですからね。
Q2:今の自分が【なりたい自分】は?
不安があるところには、“こうありたいのに・・・”という理想が隠れています。
あなたは【どんな自分になりたい】ですか?性格のことでも、暮らし方のことでも、これからのことでも。
書き出せたら、理想の自分になれている「未来の自分」をイメージしてみてください。それが具体的ではっきりしていれば、それは実現できる理想です。
どうすれば近づけるか、もし気づいたことがあれば、併せて書き添えておきましょう。
Q3:今の自分が【好きなもの/嫌いなもの】は?
あなたの【好きなもの・嫌いなもの】は何ですか?
何を書いていいか分からなかったら、視界に入ったもの―― 例えば今手元にある「手帳」と「ペン」、「テーブル」や「マグカップ」、今座っている「椅子」など、身近にあるものはどうでしょう?
ノートの真ん中に縦線を引いて、右側を「好きなもの」、左側を「嫌いなもの」として、どちらかにはっきり分けてみましょう。
慣れてきたら、少し踏み込んで、今の不安に関係することについても書いてみましょう。
例えば、仕事への不安があったとしたら、「同僚」は好き?「仕事内容」は好き?「職場環境」は?・・・というふうに。
不安に関する要素が、少し具体的になってきませんか?
Q4:今の自分が【得意なこと/苦手なこと】は?
今度は、自分の【得意なこと・苦手なこと】について、書き出してみましょう。
【Q3】と同じように、ノートの真ん中に縦線を引いたら、右側に「得意なこと」、左側に「苦手なこと」を書き出してみてください。
例えば、「ノートに情報を整理すること」は?「人と話すこと」は?「新しい場所に出かけること」は?
今の不安にまつわる得意・苦手も、思い切って書き出してみて。
書き終えたら、【Q3】と【Q4】の右側にご注目。
好きなこと・得意なことは、あなたを前向きにしてくれる大切なもの。これだけ書き出せた自分って、なかなか素敵だと思いませんか?
Q5:今の自分が【できていること】は?
あなたが【できていること】、習慣として続けられていることは、どんなことですか?
毎日でなくても、月に何回かでも大丈夫。「当たり前じゃ・・・」と思ってしまうことも、書いてみて。
「朝は顔を洗うこと」「3食ご飯を食べること」「歩いて駅まで向かうこと」「週末は掃除機をかけること」・・・できていること、意外とたくさんありませんか?
もし、当たり前に感じているとしたら、それはあなたの「生きる基礎体力」がとても高いということ。こんなにいろんなことを日々こなせる活力がある自分なら、今の不安も乗り越えられるパワーがあると信じてみませんか?
Q6:今の自分が【満足していること】は?
不安に駆られていると、楽しかった出来事や頑張った記憶も、どこかおぼろげになってしまうもの。ですが、落ち着いて考えてみれば【満足していること】も、あなたの身の回りにしっかりあるはずです。
「定期的に会える友達がいること」「近所の緑道が気持ち良いこと」「ちょっとやそっとで風邪を引かない健康なところ」・・・今、その場面を、具体的に頭に思い浮かべてみてください。じわっと温かい気持ちになってきませんか?「満足できること」というのは、今までの自分の行いの積み重ねがあって、初めて存在するものです。
きっと今も、何かを積み重ねている「途中」。温かい気持ちで今日を思い出せる日が、きっとやってくるはずです。
Q7:最後に。今の自分の【一番好きなところ】は?
最後の質問です。「今の自分の【一番好きなところ】はどこですか?」これまでの質問を通して、何か新しく自分の良さが感じられたら、ぜひ書いてみてください。
まだ、どこか心のもやもやが残っていて、思い浮かばないという方には、この言葉を。
「不安に負けまいと、自分を深く知って解決しようとする、頑張り屋さんなところ」
今日、自分の心を整理してみようと決めて、実行できたことは、大きな一歩です。そんな自分をめいいっぱい褒めてあげて、笑顔で今日を過ごしてみませんか?
step2のインタビューを終えたら、そっと「私らしさ」を救いあげて
step2のインタビューを終えたら、「自分自身」にまつわる言葉の数々と対峙してみましょう。
「私はこうでありたい」、「これだけは譲れない」ということ。また、「なおざりにしがちな大切なこと」や、まわりの評価に依存しない「あなたの幸せ」「なりたい自分象」など――。「私らしさ」が、浮き彫りになってきませんか。
それこそが、あなただけの「自分の意思」。私らしさを確かめることで、「漠然とした不安」に揺るがない自分になる手立てになるように思います。
最後に
「漠然とした不安」に駆られたときこそ、自分に「大丈夫」と言い聞かせてあげてください。自分らしさを確認すれば、自己肯定が高まり、今この瞬間に、心を向けていくことができます。
また、「漠然とした不安」は今までも度々乗り越えてきたことなのだから、そんな自分自身への自信を思い出せれば、また前に進めるはず。今自分の周りにある「当たり前のこと」にも目を向けて、日々を大切に育んでいきたいですね。
他人ではなく、ちゃんと自分で敷いたレールを歩いているはずなのに・・・どうしてそれを疑うような「漠然とした不安」に駆られてしまうのでしょう。それはもしかすると、「自分の意思」で歩いているのかどうかが、分からなくなっているからかもしれません。
「自分の意思」のもととなるのは、「自分はこういう人間です」というアイデンティティ。それを改めて認識し、自己肯定感を高めることで、「漠然とした不安」に揺るがない自分をつくることができます。