そんな時、クローゼットからどこかへお出かけするときのためにと買った「よそ行き」の服が出てきたら…どんな判断をしますか?
「普段着」と「よそ行き」って分けてる?
よそ‐ゆき【余▽所行き】の意味
(中略)
外出するときの衣服や持ち物。よそいき。
普段着とよそ行きの違いは「価格・素材・形」などでしょうか。丈夫で多少の汚れを気にせずに済み、ガラガラと洗濯できて動きやすい、これが普段着として求められる機能かもしれません。
かと言って、奮発して買った服なのに、汚すのが嫌だから、頻繁に着ると痛むからという理由で気に入ってはいるものの「よそ行き」としてしまい込んでしまっては、その服は役割を果たせているのでしょうか。
私たちにとっての服とは。
服のもつ役割には、「保健衛生的機能と社会的機能」の二つあります。暑さ寒さをしのぐため、汗をかいたら吸収し、肌を紫外線から守るため、作業や睡眠など生活をしやすくするためというのが、保健衛生的機能です。
一方、「社会的機能」とは、学校や職場の制服のように所属や職務を表したり冠婚葬祭時の礼服のように社会生活を円満に維持するためのもの。そしてもう一つ、社会的機能には、「自己表現」という目的が含まれます。
服による自己表現とは、自分らしい着こなしをして個性を出すことや、装うことに対する欲求を満たすということです。この二つの役割を踏まえてみると、普段着が「保健衛生的機能」に、よそ行きが「社会的機能」に近い感覚なのかもしれません。
普段の生活でお気に入りを着ることの気持ち良さ。
現代の日常生活においては、大変な水仕事や力仕事はほとんどなく、社会的機能である「自己表現」に重きを置いた服を着ていても、日常生活で困ることはほとんどないでしょう。
それならば、よそ行きと普段着を分けずに、好き・嫌い、着る・着ないという判断基準でクローゼットを整理してみてはどうでしょう。そして、今までよそ行きだった服も“着る”に分類されたなら、たくさん袖を通しませんか?
お気に入りの服は着るだけで気持ちがいいものですよね。もともと奮発して購入した「よそ行き」ならなおさらです。自然と自分の所作やメイク、髪型にも意識が向かうのではないでしょうか。
自分で自分がきれいだなと思えるようなメイクをすることは、気分を上げて心軽やかに過ごすための大きな力になります。それは、いつもと同じような一日に変化をくれるのではないでしょうか。
だからこそしっかりと持ちたい、服の購入基準
今は手に取りやすい価格の服が溢れ、流行りすたりも早いですよね。普段着とよそ行きの区別をせずに、毎日を気持ちよく過ごすためにはどんな服を選ぶべきかしっかりとした基準を持っていないと、多くの情報に惑わされてしまいます。
自分が好んで切る服の素材、色、形など、傾向をつかみながら自分のなりたい姿をしっかりと思い描きましょう。同様に、価格についても自分なりの基準を持つべきです。
いくら良いものを、とはいってもシーズンごとに見直しをかけ、生地の傷み具合によっては手放すことも考慮に入れるべきなのが毎日の服、です。
さらに、時間とともに好みや体形の変化も考えられます。服にかけられる予算はいくらまでなら予算的にOK、という基準を決めておくと良いでしょう。
おわりに
好きか嫌いかで服を選んでいる時には感じなくとも、「よそ行き」というくくり方をしようとすると、服には役割があるということを改めて意識させられますね。
服を選ぶ際の自分なりの基準をしっかりと持ち、よそ行きと普段着に分けることなく、毎日を気持ちよく過ごすために服を選んでみませんか?
季節の変わり目に見直すクローゼット。お気に入りは手元に残して、生地が痛んだものやワンシーズン着なかったものは手放すなどの判断基準があると思います。