疲れた心を休ませる「鈍感でいる」ということ
または、たくさんの身の回りの情報――― 他人のInstagramの近況報告や、TVのトレンドニュースから、焦燥感のような心のざわつきを覚えたり。
どちらも、「優しい人でありたい」「気付ける人でありたい」といった前向きな気持ちから行動したことなのに、本末転倒なネガティブな気持ちなってしまうことがあります。
結構疲れてしまいますよね・・・。
そこで今回は、“時には、あえて鈍感でいる”考え方をご紹介。
“鈍感”というと、悪いことのように思われがちですが、いまや自分に取り入れる情報の“取捨選択”が求められる時代。“取捨選択”の“捨”に、“鈍感”を当てはめて考えてもよいでしょう。
今を生きる私たちに求められるスキルともいえる、疲れから解き放たれるための「鈍感力」。今回は、その身に付け方を見ていきましょう。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
鈍感になっても大丈夫。自分を見失う要因に気付ける5項目
1 「相手のあらぶる感情」を、自分に伝染させないで
人の悩みを聞く時は・・正解を出そうと、無理に自分を追い込まない
「相手の悩みを解決してあげたい」「なんとか力になりたい」と思って、相手に傾聴するのはよいこと。ですが、「自分がその正解を伝えてあげなきゃ!」と意気込む必要はないのです。
「正解を伝えてあげる」ということは、「相手の問題をすべて理解する」ということであり、それはとても大変なこと。最大限イマジネーションを働かせて、あなたは精神的な疲労を負ってしまうことでしょう。
正解を伝えてあげようと、霧のようにモヤモヤした思考のなかを、さまよう必要はありません。
当人が誰かに話すということだけで、頭の中がすっきり整理できることがあります。
また愚痴は、誰かに聞いてほしいだけ、ということも。愚痴は吐き出すだけでも満足できてしまうこともあります。
時には、相手の負の感情を背負い込み過ぎずに、話を受け止め、流していきましょう。
2 「自分に必要ない情報」には距離を置く癖をつける
携帯をチェックしていて目についた物、広告、いち押しとされている商品など――。客観視すれば自分に必要がないと分かるのに、なんとなく魅力的に見える情報が、身の回りにはたくさん溢れていますよね。ついそれが気になって、立ちどまってしまったり、行動に移したり、“検索”に時間を費やしてしまったり・・・。
あとあと考えれば、その情報に想定外の時間を割いてしまって、後悔してしまうことも。
そこで求められるのが、情報を取捨選択する力。衝動に身を任せてどの情報も受け入れるのではなく、あえて意識的に、不要な情報に対して“鈍感”になってみましょう。
携帯を手にしたら・・SNSやニュースを見る癖を、意識的に止める
たとえば、毎日手にする携帯電話。携帯電話を手にするたびに自然と、InstagramやFacebook、TwitterといったSNSにアクセスし、他人の暮らしをチェックするのが、習慣になっていませんか?
チェックすることは駄目ではありませんが、しょっちゅうチェックしてしまうと、だんだん、自分の暮らしが味気なく感じてしまうものです。
あなたの人生の主人公は、あなたです。SNSでの他人の暮らしに気を取られすぎて、「あなたの暮らしが幸せであること」をおざなりにしてはいけません。
ときには、SNSやニュースなど外の情報の取り入れ方を見直して、適度に距離を持つようにしましょう。
3 いい人でいたい。けれど「振り回される事は別問題」と捉える
誰かに頼られるって、嫌な気持ちになるものではありませんよね。でも、頼ってくれた相手に、よかれと思ってしてあげていたことなのに、いつの間にか自分のほうが振り回されていた、わがままに付き合わされていた、ということはありませんか。
頼ってくれた相手が、あなたの都合を気にせず、ぐいぐい「聞いて聞いて!」「今度、あのお店に行くから付き合って!」と言ってきたら・・。ちょっと考えてみましょう。ここも、鈍感でいても良いことかもしれません。
ときには「断る」勇気を持つ
相手の都合に振り回されがちなのは、相手を思いやる心の優しい方が多いです。そんな方にお伝えしたいのが、ときには断る勇気を持ちましょう、ということ。
断ったら、相手に嫌われるような関係性であれば、あまり良い友人関係とは言えません。
自分の気持ちや考え方を大切にすることは、相手を大切にしたり、心の余裕を作ることにも繋がります。
1人時間の良さを知る
ついつい癖で「女子会に誘われたら行かなくちゃ」「会社のランチは、いつものメンバーで」と思うのが、習慣になっている方も多いのでは?
ですが、あえて「みんなと行動しなきゃ」という意識から、自分を解放してあげるのもおすすめ。集団行動にちょっと鈍感に、1人時間を優先させる機会を作ることも、大切です。
ゆっくりと自分の考えを整理したり、リラックスすることで、もっと周りに目を向ける余裕ができます。
4 「過剰な謙虚」は、ストレスになる
たとえば、あなたが、相手の服装を純粋な気持ちで褒めたのに、全力で「そんなに良くないですよ!!」と返されてしまったり。
もちろん当人はまったく悪気がないのですが、否定されると、なんだか哀しいですよね。言わなければよかったと、ストレスになることも。そんな「過剰な謙虚」に対しても、スルースキルを身に付けませんか。
相手が「過剰な謙虚」に陥ったら・・程よいタイミングで話を変える
自分が褒めた相手から「いえいえ、そんなことないですよ!」と、褒めたことを否定する言葉をうけても、悪気はないんだと理解しておきましょう。
そして、程よいタイミングで話を変えましょう。
相手「いえいえ、そんなことないですよ」、自分「いえいえ、そんなことないですよ」という会話の、無限ループに陥ってしまうのは、良い雰囲気になりませんよね。
因みにあなたが誉められたら、いえいえより、ありがとうを言おう
謙虚さももちろん必要ですが、もし、あなたが誰かに誉め言葉をもらった時は、素直に「ありがとう。」と言ってみましょう。
リアクションに困る返答をしない、相手の気持ちも分かる大人女性を目指して。
5 「自分のマイナスの感情」に、受けて立とうとしない
まわりの物事や人、情報だけが、自分を振り回してしまう要因とは限りません。「自分のマイナス感情」もまた、そのひとつ。
マイナスな感情、つまりネガティブな感情を真正面から受け止めようとすると、自分の人間性を否定したり、「自分の人生はこれでいいのか・・」と思いつめるきっかけになりかねません。
ときには「自分のマイナスの感情」にも、鈍感になりましょう。
ああ、もう最悪・・という時。「仕方ないよね」という気持ちに切り替える
負の感情は尽きることがなく、無限のループのように、頭の中はそのことでいっぱいに。せっかくのあなたのプライベートタイムも、台無しになってしまいます。
そんな時には自分で「終わり」を決めましょう。
負の感情を一度しっかり受け止めたら、「もう、仕方ないよね」という気持ちに切り替えて。一度切り替えると決めたなら、マイナスの感情は正面から受け止めようとせず、適度にスルーしてください。
希望を見出して、次のアクションを起こしましょう。
ちなみに、マイナス感情を上手く処理したいときには、深呼吸を
おわりに
「鈍感」という言葉は、“気付いていない”という悪いイメージがありますが、気付いていないのではなく、気付いて分かっている上で「鈍感でいる」ことは、人間関係を楽にする、高度なテクニックであるように思います。
自分の人生の主人公はあなたですから、周りに心をかき乱されることなく、器用に行動して、心を軽く毎日を過ごせるといいですよね。
決してポジティブではない内容の話に触れると、自分も感化されて、心のダメージを負ってしまうことってありますよね。その情報源となる話・相手に共感するあまり、自分も悲しくなったり、怒りの感情が湧き起こったり・・・。
そんなときに意識したいのが、その相手(情報源)のあらぶる感情を、自分に伝染させすぎないこと。