日本とスウェーデン。とても離れたところにある二つの国は、実は多くの共通点を持っていることをご存知ですか?時間通りが当たり前、靴を脱ぐ文化、穏やかで控えめな装飾を好む、周りの人との緩やかな協調性など日本とよく似ていると感じることが多々あるのです。そんなスウェーデンに根付く「ラーゴム」という概念についてみていきましょう。
ラーゴム(LAGOM)とは多すぎず、少なすぎず、ちょうどよくといった意味合いの言葉。ラーゴムが生活に根付いているスウェーデンの人たちは、自分にとって、ちょうどいいところを見つけるのがとても上手です。暮らしのすべてにおいて、ラーゴムな感覚を大切にしているのです。
英語にもぴったりの訳語がないというラーゴム。いろいろなことにおいて中庸をいくといったような意味でも使われます。ラーゴムな暮らしは、バランスのとれた暮らしです。それは人それぞれ違うバランスのとり方で良いのです。ちょうどよく暮らしていくことは、穏やかな充足感につながっていきます。
なんでもやりすぎず、ほどほどのところを良しとするラーゴム。忙しない毎日の暮らしに、ほんのすこしラーゴムな感覚を取り入れることで、自分自身への余計なプレッシャーを減らしていくことができるようになります。
自分の中の「多すぎず、少なすぎない、ちょうどよい」ところを探す。このバランス感覚を大切にすると、みんなが心地よいと思えるようになるものです。ラーゴムな暮らしのヒントを見ていきましょう。
スウェーデンの人たちは自然を暮らしの中に取り入れるのがとても上手です。森も山も海岸も身近にあるスウェーデンでは、こうした自然の素材を家の中にもたっぷりと組み込んでいます。ラーゴムに心地よく、自然を暮らしの中に取り入れていくにはどうしたらいいのでしょう?
緩やかなお日様の光とフレッシュな風は、おうちの中を快適にしてくれる大切な要素です。自然光はわたしたちをふんわりと癒してくれます。季節によっても移り変わるお日様の光を大切に、敏感に感じ取ってみましょう。
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スウェーデンでは自然光をできるだけ多く取り込むため、壁は白やグレーをチョイスすることが多いそう。わたしたちも明るい色味の壁紙をチョイスして、太陽の光を味方につけてみましょう。お日様の光は、どんよりとした心にも届く光となります。
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いつも目に入るところにグリーンがあると、心が穏やかに落ち着きます。お部屋の中でも育てられる観葉植物をチョイスして、のんびりと成長を楽しみましょう。
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もちろん、お庭のお花をカットして飾ったり、フレッシュな切り花を買ってきたりするのもいいですね。グリーンを飾っておくと、お部屋もいきいきと見えるようになります。
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お部屋の中のしつらえは木のぬくもりを感じる家具をそろえていくと、落ち着いた雰囲気のお部屋を作ることができます。スウェーデンのおうちはシンプルで装飾もちょうどよいラーゴムな家具を厳選して、居心地の良い空間に仕上げているのです。
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また、新しいものだけを良しとはせず、古いものとバランスよくミックスしていくことで、独特の味わいが生まれます。スウェーデンの人たちはヴィンテージ品を上手に取り入れ、お部屋を魅力的に見せることに長けています。
家族で行った旅行先の思い出の風景や、子どものころに好きだった場所の景色。そうしたものを写真におさめて、並べて飾ると自分だけのラーゴムな思い出を楽しむ場ができあがります。
河原や海辺で拾った色とりどりの石をいくつか、きれいな箱にしまっておくのも素敵。もちろん、多すぎず、少なすぎない数を並べるのがいいですね。
すべてのことにおいてラーゴムな感覚を身につけると、暮らしぶりのバランスが整っていきます。ミニマルすぎず、過度な装飾のないシンプルでバランスのとれた暮らしを送っていくためのヒントを見ていきましょう。
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グラスやうつわなども、好きだからといって集めすぎるのは良くありません。ひとつ買ったらひとつ手放すというように、ほど良い分量を保っていくことが大切です。
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文房具はついつい増えてしまうアイテムのひとつ。厳選した使いやすいものだけを揃えるようにし、ひとつひとつ収納場所を確保してあげましょう。景品のボールペンも嬉しいものですが、自分好みの書き味のペンだけを大切に使っていくといいですね。
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毎日、隅々まできれいにするのはとても大変。平日のお掃除は、スティック掃除機でぱぱっとすませ、8割のきれいをキープできれば良いとしておくと心の負担が減ります。
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スウェーデンの人たちはわたしたちと同じように靴を脱いで生活します。絨毯は敷かずに、要所要所にラグを置き、汚れたらラグを洗う。こうして、ほどほどのきれいをキープできる仕組みを作っています。
クローゼットには洋服が溢れているのに、着ているものはいつも同じという人は案外多いものです。サイズが合わない服やもう着ない服は潔く捨て、厳選したすこしの服だけを大切に着まわしていくと頭の中もすっきりとします。
出典:www.instagram.com(@ichi_antiquites) 何通りかの組み合わせをローテーションで回していき、アクセサリーや靴、バッグなどでアクセントをつけるようにすると衣類の管理がぐっと簡単になります。
スウェーデンの人たちは早起きです。会社の始業も一般的には8時といわれています。ラーゴムな暮らしを送る中で、早く起きることは朝の時間を有効活用する上でとても大切なことなのです。
朝は、頭の回転もはやくなり、効率的に作業ができる時間帯です。やらなければならないことを朝、ささっと終えてしまうもよし、「自分のための時間」として過ごすもよし。お寝坊してしまうのはもったいないことなのです。
ラーゴムに体を喜ばせるためには、バランスの取れた食生活と運動が欠かせません。毎日の暮らしの中で自然と体を動かして、健やかな日々を送るのがスウェーデンの人たちなのです。
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過度な糖質制限などはせず、バランスよく、美味しく食べることがラーゴムな食べ方です。和洋中、いろいろな食べ方でたくさんの食材をほどよくいただいていきましょう。
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外食だと、つい食べすぎてしまうランチには、お弁当を作ってみるのもいいですね。毎日のおかずをすこしずつ、お弁当用に取り分けておくと、お弁当作りも苦になりません。
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スウェーデンの人は汗だくになって運動するということはあまりありません。毎日の暮らしにラーゴムな運動が組み込まれているからです。おうちに階段がある人は、すこし意識的に上り下りする回数を増やすだけでも、運動の習慣になります。
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日常のお買い物も車や自転車は使わず、徒歩で行く習慣をつけるといいですね。お気に入りのマルシェ籠を左右の手で交互に持ってみれば、ちょうどいいトレーニングになります。
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心と体の平穏のために、コーヒーブレイクの時間はとても重要です。スウェーデンはコーヒーの消費量がとても多いんですよ。五感をフル活用して、香りや手触り、味わいなどを楽しみながらひと休みの時間を持ちましょう。
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もちろん、ちいさなお菓子も忘れずに。リフレッシュするために美味しいスイーツは欠かせませんよね。
わたしたちが多くの時間を過ごすキッチン。ラーゴムにできることもたくさんあります。ちょうどよく、作って、食べていくためにできることを探してみましょう。
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冷蔵庫の中にモノが溢れていると、結局は使わないまま廃棄したり、食べないまま忘れてしまったりするようになります。まずは、あまり多く作りすぎることのないよう、注意してちょうどよく、調理することを心がけましょう。
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週に何度かは、冷蔵庫の中に余ったモノたちを一掃する日を作ってみましょう。すこしだけ残っていたおかずも、小皿に盛りつけてまとめてみると、旅館のお食事風になって面白いものですよ。
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日常のお買い物では買いすぎないというのも大切なポイントです。生鮮食品などはすこし割高でも使いきれる量を購入するようにしましょう。まるまる一個の大きなキャベツがお買い得でも、使い切れず腐らせてしまうのでは本末転倒です。
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特に注意が必要なのがストックできる食材たちです。安売りしているからという理由でついつい買いたくなってしまいますが、ストック分の量を決めたら、それ以上は買わないようにしましょう。なにごともほどよい量でおさめておくことが重要です。
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調理器具の大きさにも心を配ってみましょう。作るものに合わせたちょうどよい大きさのお鍋は、熱効率も良く、すばやく調理ができます。
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もちろん、たくさんのお鍋やフライパンを持つ必要はありません。家族構成が変わったら、調理器具の大きさも見直してみるとよいかもしれません。
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毎日、凝ったお料理をする必要はありません。簡単な調理でも満足できるレシピはたくさんあります。「満足する」ことを知ると、すくない食材でも美味しくいただくことができるようになります。
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一汁三菜が基本の和食でも、ときにはおにぎりと具沢山のお味噌汁だけで終わらせたって大丈夫。体が欲しているものによく耳を傾け、ちょうどよく食べていけるといいですね。
ラーゴムな暮らしは、地球にやさしい暮らしでもあります。スウェーデンは持続可能なエネルギー利用でも進んだ国です。これからもわたしたちが地球に負担をかけずに、快適に暮らしていくためにできることはたくさんあります。
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水を大切にする。とても簡単で重要なことなのに、わたしたちがつい忘れてしまいがちなことのひとつです。シャワーや歯磨きの水など、出しっぱなしをすこし意識して、控えるようにするだけでも、水道の使用料は減るものです。
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食器洗浄機を取り入れるのもいい方法です。実は手洗いよりも効率的に水道使用量を抑えられるんですよ。手荒れも減りますし、導入できる環境にいる人は導入を考えてみるのもおすすめです。
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使用済みの油はできるだけ下水道に流さないように気を付けましょう。揚げ物をするときは、すくなめの油で揚げるようにし、廃棄するときは、新聞紙などに吸わせるか市販の凝固剤を使って燃えるごみとして出すようにしましょう。
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牛乳などもそのまま下水に流すのは避けた方がいいもののひとつ。賞味期限までに飲み切るためにも、ご家庭の消費量に合った大きさのものを購入するなど工夫してみましょう。
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お湯を沸かすのも、必要な量だけを沸かすように気をつけてみましょう。足りないと嫌だな、と思ってつい多めに沸かしてしまうものですが、必要量をカップなどで計ってから沸かすようにすれば水も熱も無駄がありません。
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お茶を淹れるときは、その都度、お湯を沸かした方が美味しく淹れられます。ちょうどよい量の水を知って、無駄を省いていきましょう。
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日本でも進められている取り組みのひとつとして、電気のLED化があります。電球が切れたタイミングなどで、すこしずつおうちの白熱球をLEDに変えていくといいですね。
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キャンドルの炎の揺らぎをつくるLEDキャンドルといったものもあります。小さなお子さんがいるおうちなどでは、こうしたものも取り入れてみるといいかもしれません。
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「ちょうどいい」という感覚は人によって違います。でも、みんなが自分の「ちょうどいい」を感じ取りながら、必要以上に欲しいと思わないようになれば、ストレスを感じることはすこし減っていくのかもしれません。ラーゴムな暮らしで、心地よい毎日を送ってみませんか?
日本とスウェーデン。とても離れたところにある二つの国は、実は多くの共通点を持っていることをご存知ですか?時間通りが当たり前、靴を脱ぐ文化、穏やかで控えめな装飾を好む、周りの人との緩やかな協調性など日本とよく似ていると感じることが多々あるのです。そんなスウェーデンに根付く「ラーゴム」という概念についてみていきましょう。