静かな一日は、ひんやりとした空気の中から始まります。
寒い季節にはじめる『朝座禅』
冬におすすめなのが『朝座禅』です。冷たい空気を肌で感じながら行なう座禅は、寒い季節だからこそ味わえる充実した時間になります。自分自身と向き合うのにぴったりなんです。
座禅とは?
座禅とは、決まった姿勢で座ってゆっくりとした呼吸を行なうことで、心や体を整える方法です。姿勢を整え(調身)、呼吸を整え(調息)、心を整える(調心)3ステップで成り立っています。
朝座禅のいいところ
冬の縮こまりがちな体をほぐす
寒い冬は、どうしても体が縮こまって固くなりがち。座禅は背筋をピンと伸ばすので、縮こまった姿勢を整えることで、体がほぐれてきます。ゆったりとした呼吸で行えば、血流もよくなりますよ。
朝は体が疲れていないから集中しやすい
体が疲れている状態で座禅をすると、不調に意識が向いてしまったり、眠くなってしまい座禅に集中できません。疲れていない朝に行なうと、より集中しやすくなります。
座禅でよい気を体いっぱいに満たそう
座禅は呼吸をゆっくり深く行います。深い呼吸で体の中に新鮮な空気を取り込むことで、よい気を体に満たすことができるんです。冬の澄んだ空気を吸い込むと、体の奥からスーッとしますよ。
精神が落ち着くため、一日のスタートにぴったり
座禅で、不安や緊張、怒りなどの感情を落ち着かせることができます。朝の座禅で精神をフラットに整えられれば、すっきりした気持ちで一日をスタートできますね。
おうちでできる、朝座禅
まず座禅をするまえに知っておきたい「十牛図」とは?
「十牛図(じゅうぎゅうず)」とは、牛を主題として悟りへの道筋を描いた図です。十牛図では牛は「悟り」の象徴として描かれていて、牛を探して捕まえ、自分のものにし執着を忘れてあるがままを受け入れることが一連の流れになっています。
座禅によって自分がどう変わっていくのかイメージがわかない人は、まず十牛図を参考としてみるといいでしょう。
座禅を行う環境は整っていますか?
座禅を行なう環境は、集中が途切れにくいように整える必要があります。清潔で落ち着くことができる室内が基本です。なるべく静かで明るすぎない場所がよいでしょう。
時間は15分ほどから、無理のない時間で始めましょう
慣れないうちは、足が痺れたり集中力が途切れてしまうので、まずは15分くらいから始めます。最初は一日5分程度の短い時間でも構いません。慣れてきたら、少しずつ時間を延ばしていくようにしましょう。
体を圧迫しないゆったりとした服装で
締め付けられる服は、座禅の妨げになります。きつい下着や膝を曲げにくいデニムなどは避け、ゆったりとした服装で行ないましょう。足元は裸足が基本ですが、寒くて集中できないようならゆったりとした靴下を履いてもOKです。
早速『朝座禅』を行いましょう
坐り方
お尻の下に、座布団を折ったものなどを敷きます。右足を左太ももの上に、左足を右足の太ももの上にのせた『結跏趺坐(けっかふざ)』という姿勢が基本ですが、むずかしければ普通の胡坐で構いません。
手は、おへその下で円を作るように組みます。
正しい姿勢の取り方
姿勢を正してあごを引き、横から見て耳と肩が一直線になるように背筋を伸ばします。だんだんと前に傾かないように気をつけましょう。
呼吸
座禅は鼻呼吸で行ないます。最初に、体の中の空気を全て吐ききります。その後はゆっくりと自然な呼吸をします。自分で呼吸のペースをコントロールしすぎないことが大切です。少しずつ、吐く息を吸う息より長くしていきましょう。
出勤前にできるお寺での朝座禅
香林院
栄見山 観音院
朝座禅で、すっきりした気持ちで一日をスタートしよう
座禅は慣れるまでは姿勢を保つのが難しかったり気が散ってしまうものです。でも、だんだんと心も体も整ってくるのが実感できます。ぜひ、寒い冬の時期だからこそ感じることの出来る清々しさを味わってみてくださいね。
冬の朝は、冷たくて澄んだ空気を感じられる時間です。どんな過ごし方をしていますか?まだ眠たいからとベッドの中でゴロゴロしたり、朝の支度を慌しくしたりと、いつの間にか過ぎていく朝をじっくり味わう暇もないかもしれません。冬らしく、静かな朝を過ごせたら素敵ですよね。