また、誰かが家庭のことや恋のことで悩んでいると、もっとお互いに会話すればいいのにとか、思いやればいいのになど、解決の糸口を見つけられることはないでしょうか?
ひと(他人)のことならわかるのに…
他人の身に起こっていることだと、自分は一歩引いたところから冷静に客観的に見ることができますね。だからこそ、原因が見えるしすぐに対応策が思いつくわけです。
でも、自分のこととなると問題の真ん中に自分がいるようなもの。客観視することが難しく、さらには感情的になってしまいがち…。自分のことだと些細なことにも頭を悩ませてしまうのは、全体を俯瞰(ふかん)的に見られなくなることが大きな原因。
自分を客観視するための4ステップ
1. まずは、自分の心を観察しよう
例えば、「仕事がつまらない、向いていない、この仕事は自分でなくてもいい」と悩んでいたとします。さらに辞めたいと思いつつ、なかなか踏ん切りがつかなかったとしましょう。
自分はなぜこの仕事を始めたのか、始めた時の気持ちはどんなだったか、一度思い出してみましょう。あのときの気持ちから今の気持ちはどのように変化したのでしょうか。まずは、自分の気持ちやその変化を観察してみましょう。
2. "もう一人の自分"が見るイメージを持とう
今の仕事をしている自分を、"もう一人の自分"が眺めているかのように、現状の全体を見てみましょう。意欲的に取り組めているか、職場の人とコミュニケーションをうまく取れているか、会社からその働きを認められているかどうか、もう一人の自分として見ることで自分の立ち位置が捉えやすくなります。
3. 具体的な数字で捉えよう
「辞めたい、向いていない」という気持ちだけでは本当に辞める決意はなかなかつきませんよね。新しい仕事を見つけるまでの生活にかかる費用や、やりたい仕事や何か見つけるために必要な時間を、具体的な数字にして捉えましょう。どれくらいのパワーや時間、お金がかかるのか明確にすることで行動につながるはず。
4. 物事の両面を見てみよう
今のまま続けていればどうなるか、反対に思い切って転職すればどうなるか。行動を選択するときには「~する場合、~しない場合」というふたつの側面が必ずあります。そのふたつについて、それぞれどうなるかイメージしてみて。
自分の気持ちを正直に掴み、もう一人の自分の目で見ることで、現実的な答えを導き出せるようになりますよ。
自分を客観視するということ
自分の主観や損得を抜いて、現実的に自分について捉えるのが「客観視」するということです。客観視は、自分に足りないものにスポットを当てるとともに、冷静な判断を下すための基準を示してくれるでしょう。
客観視できれば、それでいいの?
何度も練習する中で、自分のことについて客観視できるようになったとしましょう。でも、客観視することは全てにとってプラスになるかというと…そうはならないのが難しいところです。
困った時にはもちろん嬉しい時でさえ他人事のように引いて見る。これは、自分にとっての大きな力とはいえ、少し寂しく感じる人もいるのではないでしょうか。
ならば客観視する力が必要なのはどんな時か、改めて考えてみましょう。それは、楽しい時や嬉しい時ではなくて「困った時」。どうしたら良いかわからない、堂々巡りで答えが出ない。客観視したいのは、そんな状況の時ではないでしょうか。
困った時こそ意識的に俯瞰しよう
嬉しい時まで客観視する必要はありません。嬉しい時には感じたままに嬉しいと喜びましょう。自分を客観視したいのは、何か困ったことが起きた時、です。
困った時こそまずは自分ではなく、他人に起こった問題として考えてみる。そうすることで冷静にどう対処すべきかがみえてくるでしょう。
おわりに
ひとは、自分のことを他人のように見ることはできません。でも練習することで客観的に捉えることはできるはず。何か困ったことがあったり悩んでいるときには、いっときは苦しくても意識的に客観視をしましょう。
そうすることで、現実的に自分が取るべき対処法が見えてくるはず。悩んで誰かに相談したりネットで情報を集めるよりも、自分の中に答えがある事って多いですよね。誰かに話そうとして、自分で状況を整理することで解決することも。自分を信じてしっかりと向き合い、ベストな方法を選び取りたいですね。
誰かが仕事で困っているのをみると、自分で抱えすぎなんじゃないのかなとか、優先順位をつければいいのに等、その原因がなんとなくわかることありませんか?