「ため息をつくと幸せが逃げる」という言葉がある通り、「ため息」にはあまり良いイメージがありませんよね。そもそも「ため息」とは、どうして出てしまうのでしょうか。
なぜ、「ため息」が出るのか
酸欠状態解消のため
忙しかったり緊張状態のとき、私たちの呼吸は浅くなります。また、ストレスが強い場合も呼吸が浅くなり、体のすみずみにまで酸素が行き渡りません。
「ため息」は呼吸を深いものに戻し、酸欠状態を改善するために行われます。つい「ため息」をついてしまうのは体が酸素を必要としているからなのですね。
自律神経のバランスを取るため
交感神経と副交感神経からなる自律神経ですが、ストレス社会において多くの人がバランスを崩しがちだと言われています。
「ため息」にはこの2つの神経の偏りを整える働きがあるため、バランスが崩れてくると自然と「ため息」をついて調整しようとするのです。
「ため息」がもたらす効果とは?
ため息は深呼吸と同じ
こうしてみると、「ため息」の役目は深呼吸と似ていますね。体に酸素を満たし、神経のバランスを取ってくれるのです。また、深く息を吸い長く吐き出すことは、緊張の緩和や血行の促進、リラックス効果など、メリットが多くあります。
「ため息」で気をつけたいのは“つきかた”
職場において
深呼吸と同じ効果のある「ため息」ですが、つきかたを間違えてしまうと周りを不快にする事があります。例えば、パソコンに向かいながら仕事をしている時、隣や前にいる同僚が大きな「ため息」をついたなら、どう思うでしょうか。
一度ならどこか調子が悪いのか、仕事を抱え過ぎているのか心配になりますが、何度も何度もとなると心配ではなく「不快」な気持ちにさせてしまいます。また、状況によっては当てつけや嫌味のように感じる人もいるかもしれません。
人間関係にも悪影響
友達同士や恋人といる時などに「ため息」をついてしまうと、「怒っているのかな?」「つまらないのかな?」など、あらぬ誤解や悪い印象を与える可能性もあります。
「ため息」は誰もいないところで
つい出てしまう、という感覚の強い「ため息」。でも、深呼吸と同じと考えてみましょう。パソコンに向かいながらや会話の途中で突然深呼吸を始める人はいませんよね。
「ため息」は、誰もいない廊下やトイレ、会議室などで呼吸を整えるイメージでつくようにしましょう。疲れを感じたら少し休憩をとったり飴を口に入れると「ため息」予防になります。
「ため息」が多いなら、原因を取り除くことが必要
人よりも「ため息」の回数が多いと感じたら、「ため息」を抑えることよりもなぜ「ため息」が出るのかその原因を考えてみましょう。
「ため息」は体のバランスを整えようとする働きです。緊張や不安の原因となっているものは何か、しっかりと睡眠や休養は取れているかなど、日頃の生活を振り返りましょう。自分では疲れを自覚していなくても、どこかに原因がありそうです。
おわりに
ついつい出てしまう「ため息」、自分の意思ではなく体が欲しているから出るものです。「ため息」に気づいたら、疲れがたまっていないか、不安は何か考えてみてください。
体のための「ため息」ではありますが、周囲の人を不快にしてしまうものでもあります。大切な人間関係が壊れないように「ため息」をつく際には周囲に気を配りたいところです。「ため息」そのものは体にメリットがあっても、人間関係にとってはデメリットにもなり得る…その辺りが「幸せが逃げる」の由来なのかもしれませんね。
忙しい時、疲れた時、イライラした時など、無意識に「ため息」をついてしまうことはありませんか?ついた後で「あ、ため息ついてた」と気づくこともあるかもしれません。