『始末のいい暮らし』とはなんだろう?
「本当に必要なもの」を選ぶ
みなさんは『始末のいい暮らし』と聞いて、どのようなライフスタイルをイメージしますか?「部屋を綺麗に整理整頓する」、「物を長く大切に使う」、「シンプルな生活」など。“始末のいい”という言葉から、きっと様々な暮らしをイメージされると思いますが、「無駄をなくす」ということも“始末のいい暮らし方”のひとつです。
“始末”という言葉を辞書で引くと、「物事の始まりと終わり」と出てきます。つまり『始末のいい暮らし』を始めるためには、まず物事の「始まり」の部分をよく考える必要があるということです。たとえば「物を買う」こともそのひとつ。買い物をすることは家に新しい物を迎えることであり、それは「物事の始まり」でもあります。
何か新しい物を購入する際によく考えずに買ってしまって、クローゼットや押入れにしまいっぱなし…という経験をされている方も多いのではないでしょうか。「物を買う」ことを「始まり」ととらえて、その先にある未来まで想像すると、本当に必要な物だけを選びやすくなります。
「もの選び」の基準を明確にする
できるだけ無駄な物を増やさないためには、「もの選び」の基準を明確にしておくことも大切です。誰しも買い物で後悔した経験があると思いますが、その時のことを冷静に振り返ると、“買い物をする際の基準が曖昧”ということが原因になっていませんか?
周りに流されないためにはモノ選びの基準を持つことだけではなく、ものを見極める「目」を養うことも大切です。それは単に上質な物を選ぶということではなく、先々のことまで想像力を働かせて、「ずっと長く大切に使えるものを選ぶ」ということです。「よく考えてものを選ぶ」ことを習慣にすると、流行や話題に振り回されることなく、永く大切に愛用できる素敵なものと出会うことができます。
「今あるもの」を大事に使う
足りないものを「買う」ことだけで補うのではなく、「今あるもの」を活かす工夫をするのも大事なことです。
「新たに買い足す」ことが少なくなると、家の中にものが溢れるということもなくなり、お部屋の空間を快適に使うことができます。『始末のいい暮らし』を始めるためには、「今ある物」で満足できる心を持つことも大切です。
お気に入りのものは「しまわずに使う」
お気に入りのものはクローゼットやタンスの中に大事にしまっておきたくなりますが、「もったいなくて使えない」と思う物ほど毎日使いましょう。物を使わずにしまっておくことは、結局「ものを無駄にしている」のと同じことです。
とくに洋服は流行が過ぎると着られなくなったり、年齢を重ねるとサイズが合わなくなったりします。大事なものほど「特別な日のためにしまっておこう」と思いがちですが、お気に入りのものこそ毎日使うことで、日々の暮らしがより一層楽しくなります。
必要なものを「すぐに取り出せる」収納にする
お家の中にあるものを効率よく使うためには、「必要な時に必要なものが取り出せる」収納にすることも大切です。特に毎日の生活に欠かせない食品は、新鮮なうちに使い切らないとすぐに傷んでしまいます。冷蔵庫の扉を開けた時にすぐに必要な食材が取り出せるよう、いつも綺麗に整理整頓しておきましょう。
食品だけではなくデスクの引き出しやクローゼットの中も、「見やすく・使いやすく」をポイントに収納しましょう。使い勝手が良くなるのはもちろんですが、見やすく整理整頓しておくことで物を管理しやすくなり、結果的に「ものを必要以上に持たない」生活にシフトしやすくなります。
「最後まで」丁寧に扱う
『始末のいい暮らし』を始めるためには、「最後までものを丁寧に扱う」ことを心がけることも大切です。たとえば洋服やバッグは定期的にメンテナンスをしたり、いつまでも綺麗な状態をキープできるようにお洗濯や衣類の干し方を工夫したり。お気に入りのものを長く大切に使い続けるために、愛情と責任感を持って物と向き合いましょう。
最後の最後まで「使いきる」
使わなくなったものは単にごみとして捨てるのではなく、他のものに再利用して最後まできちんと最大限「使いきる」のも大事なことです。たとえば着られなくなったセーターをほどいて新しいものに編みなおしたり、不要なシーツなどを別の小物に新しく仕立てたり。また、古いTシャツなどはウエス(使い捨て雑巾)にして、掃除の時に活用するのもおすすめです。
衣類だけではなく食品も同じように、最後まできちんと無駄なく使いきりましょう。たとえば1本の大根なら葉の部分はみそ汁に、皮はお漬物にして食材を丸ごと使いきると、当然ながら生ゴミの量を減らすことができます。人によってはケチ臭く見えるかもしれませんが、昔の人は「物の命を全うさせる」という考えから、最後まで物を使いきるエコな生活を実践していました。まずはウエス作りや料理など、身近でできることから取り組んでみませんか?
一日の「締めくくり」に掃除をする
掃除をすることは単にお部屋を清潔に保つということだけではなく、一日の「締めくくり」として行う大事な作業でもあります。
就寝前にキッチン・洗面所・トイレのお掃除を習慣にしている方も多いと思いますが、その日のうちに使った場所を綺麗にしておくと、翌日も気持ちよく使うことができますよね。一日の終わりを掃除で締めくくることは、翌日に向けて事前準備をしているのと同じことなのです。
また、掃除は「より快適な住環境」を考えるきっかけにもなります。掃除をしながらお部屋の隅々まで見回すことで、収納場所をもっと使いやすく工夫しようと思ったり、最近使わなくなったものを発見したり、普段は見過ごしがちな様々なことに気付くことができます。
いかがでしたか?
食品や衣類などを最大限「使い切る」ことや、「無駄な物を増やさない」ための工夫をすることなど。
普段何気なく過ごしている日常を見直すことで、まだまだ「できること」がたくさん見つかるかもしれません。
より快適な毎日を過ごすために、まずは身近で取り組めることから始めてみませんか?
丁寧な暮らし、豊かな暮らし、シンプルライフ…と、いろいろな言葉で紹介される暮らし方が人気の昨今ですが、今回はその中でも『始末のいい暮らし』についてご紹介したいと思います。
『始末のいい暮らし』を始めるためには、具体的にどうしたらいいのか、どのような心持ちで日々を過ごせばいいのか…。
「丁寧」とも「豊か」とも違う、毎日を心地よく過ごすための“始末のいい暮らし方”のヒントを見ていきましょう。