華やかなイメージとはうらはらに、彼らの普段の暮らしは質素そのもの。それはお金に頼らなくても、心を豊かにする方法があることを知っているからです。今回は衣食住のライフスタイル別に、フランス流のシンプルな暮らしの知恵をご紹介します。
フランス流暮らしのヒント【衣】
自分に似合うものを少しだけ
フランス人は「10着しか服を持たない」と言われるほど、ワードローブが少ないことで有名です。それは、本当に似合う服を長く大事に着るという考え方が主流になっているから。
自分のスタイルが確立されているから、どの洋服を選んでもさらりと着こなせてしまいます。洋服選びに時間がかからず、ワードローブが少なくても、おしゃれ感をキープできるというわけです。
アレンジして個性を発揮
洋服をアレンジすることも日常的に行います。刺繍でワンポイントを入れたり、飽きてしまったTシャツを染め直すのもお手のもの。いらないと簡単に切り捨てず、リメイクで今まで以上の魅力を引き出すのです。
人は人、自分は自分
母親や祖母のおさがりも、自分流の着こなしで古さをカバー。気に入ったものなら、古くても安くても関係なし!自分をしっかり持っているから、周りの目に惑わされることがありません。
フランス流暮らしのヒント【食】
食事はみんなとの会話を楽しむもの
食事の時間は、家族や仲間とゆっくり語り合うことで、食べる喜びを見出すのがフランス流。TVを観ながら、仕事をしながらの食事なんて、もってのほか!
レストランへ行くよりも家での食事を重んじ、ピクニックなど外での食事も大好き。たとえチーズとパンとワインだけという質素なメニューでも、シチュエーションを大切にすることで充実したひとときに。
食材選びも楽しみのひとつ
自炊が基本のため食材への思い入れは強く、買い物をスーパーひとつで済ませることはまずありません。野菜は八百屋、フルーツは果物屋というように、わざわざ足を運びます。
安くて新鮮な食材を探したり、なじみの店員さんと立ち話をしたり。時間はかかりますが、買い物そのものがレクリエーションとして、日々の潤いになっているのです。
食材は最後まで使い切る
半端な野菜は、ゆでてつぶしてポタージュに。お肉を焼いたあとの肉汁は、飲み残しのワインを入れてソースに。食材を無駄なく使い切るのはもちろん、ちゃんと味にもこだわって最後までおいしくいただきます。
特別な日はとっておきのご馳走を
記念日やパーティーでは、ここぞとばかりにご馳走を並べます。普段の質素な食事は、特別な日を引き立てるためのもの。それが日々の暮らしへの感謝にもつながります。
フランス流暮らしのヒント【住】
広さより心地よさ
フランスは土地が狭く、家賃が高いという住宅事情により、なかなか広い家に住むことができません。でも狭くても、心地よい空間は作れます。自分らしいテイストを入れて居心地のよさを追求するセンスに長けています。
ちょっとした修理や内装は自分で
フランス人は、壁でもテーブルでも、自分で好きな色に塗り替えてしまいますし、ひとりでできないことは友人や家族総出で行います。自分たちで作り上げたものなら、より愛着がわきますよね。
古い物ほどすばらしい
フランス人はモノを捨てることを嫌います。それは「古い物ほどすばらしい」という考え方があるからで、家具でも道具でも修理しながら使い続けます。その結果ゴミが減り、自然と環境に優しい暮らしになるのです。
最後に。お金で買えないもの、それは大切な人との時間。
フランス人の様々な節約術を見てきましたが、そもそも彼らはなぜそんなに倹約するのでしょう?それは、貯めたお金でバカンスやパーティーをするためなんです。
質素な暮らしの先にはご褒美があり、そのご褒美以上にかけがえのないものはない。それを知っているから、「買えない」のではなく「買わない」。なくても困らないものにお金をかけないという選択が、あっさりできるのです。
そしてその質素な暮らしの中でさえ、小さな楽しみを見つけるのがフランス流。倹約や節約という言葉は日本人にとってはマイナスイメージがありますが、考え方次第でまったく違ったものに変わります。わたしたちも彼らの知恵をお手本に、毎日を生き生きと過ごしたいですね♪
フランス人といえば、必要以上に自分を飾らず、いつもなんだか楽しそう。そんな自然体の生き方に共感を覚える人も多いのでは?