生きていく上で切っても切り離せない「迷い」
松下幸之助
迷う、ということは、
一種の欲望からきているように思う。
ああもなりたい、こうもなりたい、
こういうふうに出世したい、
という欲望から迷いがでてくる。
それを捨て去れば問題はなくなる。
そんな「迷い」とどのように向き合っていますか?迷いはともするとそれだけで心を埋め尽くしてしまい、足元ばかりを見ることに終始し、前に進もうとする気力を奪っていしまいます。
迷って当然。大切なのは納得すること
奥山清行(工業デザイナー)
常に迷いも不安もありましたよ。それは当然です。何かを決断するとき、振り子は必ず振れる
「迷って当然」、と言われるとなぜだか安心しませんか?多くの人が自分と同じように迷っているのです。まずは迷っている自分を受け入れましょう。でもそこで、誰かからの手を差し伸べられるのを待っていては前進はありません。
前に進むためには何に対して迷っているのか、どうしたいのかしっかり考えて頭の中を整理しなくてはなりません。整理して、さまざまな角度から迷いを払拭する方法を模索しましょう。
林真理子
道に迷い込むことによって逆に、自分が本当に進みたい道がはっきりと見えてくるということは多いのではないでしょうか
さまざま方向から検討し模索するからこそ「迷い込むことによって逆に本当に進みたい道がはっきりと見えてくる」のです。迷いこめば自然と見えてくるのではなく、模索するからこそはっきりと見えてくるのです。
迷ったらとことん模索しよう。
やりたいかやりたくないか
何かを継続するにあたって、やりたいかやりたくないかという点は重要です。どんなに一般的に良いと言われているものでさえ、自分がやりたくないのであれば、避けるべきです。
楽しいと思えるかどうか
少しでも楽しいと思えることややりがいがあれば、たとえ辛くとも乗り越えることができます。心が満たされていなければ、思い通りに体を動かすことは難しいものです。
自分は将来どうなりたいか
将来なりたいものがゴールだとしたら、今は通過点。全く別の方向に進んでいてはゴールにたどり着けませんよね。将来どうなりたいかという絵をしっかりと思い描きましょう。
一度、この3つを意識して決断を下してみましょう。そして、一晩時間を置いてからもう一度考え直してみるのです。迷ったらやってみる、というのも1つの意見としてはありますが、現実的に折り合いがつかないのであればやみくもに前へ進むのは避けたいところです。
どこかに引っかかるものがあるならブレーキを
人生には限りがある、若いうちにしか挑戦できないなど、迷っている時間はないのかもしれません。でも、ただ迷うだけではなく模索することには時間をかける意味が十分にあると思うのです。
なんとなく不安だ、と心のどこかで警鐘が鳴るのであればそれをしっかりと掴みましょう。迷ったらすぐに行動に移すことは、確かにかっこいいかもしれません。でも、自分の中から起こるシグナルは大切にしたいところです。
メリットデメリットを比較する
なぜ警鐘がなるのか、突き詰めましょう。自分にとってどの部分がメリットで、反対にデメリットになりうるのか、感覚ではなくしっかりと比較することは大切なことです。
目の前のことを懸命に取り組むという選択肢もあり。
坂本龍馬
夢中で日を過ごしておれば、
いつかはわかる時が来る。
迷った時、必ず変化をもたらさなくてはならないのかというとそうではありません。自分がそこから逃げたいだけかもしれないからです。でも、そこを踏みとどまって頑張った先に見えてくるものは、今の想像をはるかに超えるもののはずです。
目の前のことをひたすら必死に、前を向いて頑張り抜くことで見えてくるものがきっとあるはずです。そして、気づけばそこに迷いがなくなっている、ということもあるのではないでしょうか。
おわりに
バーバラ・ブラハム(米国の女性ビジネスコンサルタント)
たいていの人はほんとうになにがほしいのか、
心の中でわかっています。
人生の目標を教えてくれるのは直感だけ。
ただ、それに耳を傾けない人が多すぎるのです。
何がしたいのか、どうなりたいのか、明確に見えている人というのは迷いがなくて潔いものです。でも、迷うことにだって意義がある。迷うことは自分を掘り下げて考える機会をくれます。
たくさん迷って、いいのではないでしょうか。迷うということは、欲があるからこそ生まれる気持ち。迷って考えて、今よりもさらに前へ進む道を模索しながら自分の足で歩いていきたいですね。
捨てたいとは思いつつも捨てられない欲望。仕事に関すること、人生に関することなど、いろんな壁にぶち当たりながらも生きていく上で切っても切り離せないのが欲望であり、おのずと生まれてくるのが「迷い」ですよね。