食べている姿には育ち方や人柄が表れる
ルールが多いと、マナー違反になっていないかと不安になってしまったり、うんざりしてしまったりしますが、そもそも食べ方のマナーがあるのは、一緒に食べる人の気持ちに配慮するべきだという考え方があるから。
「食」は生きるために切り離せないものですし、人と一緒に過ごす機会が多い時間でもあるので、自分の食べやすさだけではなく、周りが気持ちよく食事をとれるように意識する必要があるのです。
普段私たちが何気なく食事の時に使っているお箸やフォーク、お椀などの使い方は、誰もが小さいころ家庭で教わってきたもの。小さいころにご両親から厳しくしつけてもらった人も多いのではないでしょうか?昔は大変だったと思いますが、すべてはあなたが恥をかかないようにするためと、あなたと一緒にご飯を食べる人のことを考えてのこと。
そのため、姿勢よくきれいに食べている人は、食事マナーを家庭でしっかり身に着けてきたと好印象を抱かれますし、反対に行儀の悪い食べ方をしている人には「相手の気持ちを考えない人だ」というレッテルを貼られてしまう恐れがあるのです。
絶対NG!相手を不快にさせるこんな食べ方していませんか?
猫背や頬杖などをついて食事を摂る
猫背になって顔をお皿に近づけて食べるスタイルは、特に汁物を食べているときに多いNGマナーです。猫背は行儀が悪く見えるだけでなく、消化器官への負担がかかって消化不良を起こす可能性もあります。また頬杖は一見楽なスタイルのように思うかもしれませんが、猫背と同じくだらしなく見えますし、汚い食べ方をしているようにも見えてしまいます。
食べ物を口に入れた状態で話をする
誰かと一緒にご飯を食べると会話に華が咲きますが、口にものが入った状態でおしゃべりするのは絶対NG。口の中が相手に見えてたり、食べ物が口から出てしまったりするだけでなく、口を閉じないことで食べる音が漏れてしまうので、「くちゃくちゃ食べ」という多くの人が嫌悪感を示す食べ方になってしまいます。
スマホを片手にながら食べはマナー違反
食事中にお皿の横にスマホを置いておき、通知が鳴るたびにスマホをいじる人や、食事や店内の写真をひっきりなしにカメラに収める癖のある人は要注意。一緒にご飯を食べる人はもちろん、周囲に座っている人の中にはゆっくり会話や食事を満喫したい人もいます。片手でスマホを操作しながら食べる「ながら食べ」は行儀が悪く見えるだけでなく、周囲の雰囲気を壊しかねないので、一人でご飯を食べているときも、誰かと一緒の時もスマホ操作は控えるようにしましょう。
「ダイエットのため」と、食べ物を残しすぎている
今ダイエット中だから…と、いただいたご飯を残しすぎてはいませんか?食器に残った食材は、多ければ多いほど「食べ物を粗末にしている」と捉えられ、マナー違反と感じられてしまいます。
意識するだけですぐ変われる◎美しい食べ方になるコツ
まずはここから!正しい姿勢を意識しよう
美しい食事マナーの一つ目は、正しい姿勢で食べるということです。当たり前のように感じられるかもしれませんが、背中を丸めて食べている人は結構多いもの。椅子に座るときは座面に深く座り、背筋を丸めずにきちっと座るようにしましょう。姿勢を意識するだけで、食べる姿は見違えるほど上品になりますよ。
一口サイズに小さくして食べる
大好きな食べ物を食べるときやお腹がとっても空いたとき、大きな一口を頬張っていませんか?大きな口を開けるのは、ちょっとだらしなく見えるだけでなく、口いっぱいに頬張る「リス食い」や、舌を出して食べ物を食べる「迎え舌」、さらには「くちゃくちゃ食べ」といった数々のマナー違反の原因にもなります。一度にたくさん食べたい気持ちは抑えて、食べるときは一口を小さめにしてから口に運ぶようにしましょう。
食材の命と作った人の気持ちを汲み取って、きれいに食べきる
毎日当たり前のようにある食べ物ですが、テーブルの上に運ばれるまでに多くの生き物の命や、作ってくれた人の手間暇などが詰まっています。それらを無駄にしないためにも、料理はできるだけ残さず、きれいに食べきるようにしましょう。
少食の人やダイエット中の人が外食する際は、あらかじめ量を少な目で注文するなどして食べきるようにすると◎。
箸運びなどの動作をゆっくりにしてみる
早い動作にはせわしない印象を与えてしまうため、時に乱雑なイメージを抱かれることがあります。一方で、動作ひとつひとつをゆっくり行うと自分の動作を上品に見せることができます。箸運びやお椀を持つときなど、ちょっとした動作を意識してスローダウンさせてみましょう。丁寧にご飯を堪能している姿に早変わりしますよ。
食べるときは髪をまとめてすっきりと
髪の長い人は食事中、髪の毛が食べ物にかからないよう、軽く髪をまとめてみましょう。せっかくのきれいな髪が食べ物にかかってしまうと、髪が汚れてしまいますし、食べ物の盛り付けも台無しになってしまいます。
また食べるときはやや前かがみの姿勢になりがちで、表情が見えづらくなってしまいます。髪をまとめることで顔まわりもパッと明るくなりますよ◎
細かい点もしっかりと。お箸の正しい使い方をおさらい
正しいお箸の持ち方、本当に知ってますか?
お箸の持ち方は大人でも直せる◎
先ほどのチェックにあてはまらなかった…という人も大丈夫。大人でもお箸の持ち方は矯正可能です◎
次のステップで、正しいお箸の持ち方・使い方をマスターしましょう!
①まずは上のお箸の持ち方。お箸を一本だけ鉛筆を持つように、人指しと中指と親指で持ちます。
②次は一本だけ持っている状態で、お箸を動かす練習。人指し指と中指を少し曲げて、箸先を上下させます。
③上のお箸を持った状態で、親指の付け根に下のお箸を差し込みます。
④二本揃ったら、箸先をそろえて上のお箸だけを上下して箸先がぴったりつくように練習します。
意外と知らないかも?大人なら覚えておきたい食事ルール
器によって手に持っていいものと、持ってはいけないものがある
お箸を持たない方の手は受け皿代わりにしない
食べ終えた食器は重ねない
食べてからになった器。テーブルの脇に重ねて片づけて置く人は多いのではないでしょうか?こちらも一見きちんとしているような印象を抱くかもしれませんが、マナー違反。食べ終えた器は重ねることで汚れがお皿の底に移ってしまいますし、重ねたときに欠けたり傷をつけたりする恐れがあります。
おわりに
今回は、ちょっと意識しただけで美しく変われる食べ方のポイントについてご紹介しました。毎日のルーティンでもある食事をきれいに食べれる人は、美人度が上がるだけでなく、毎日の暮らしを丁寧に過ごしているようにも見えるので、ぜひ自分の食べる姿を今一度見直してみてくださいね。
食文化を問わず、食事をとる際にはさまざまなルールがあります。
例えば和食を食べる際。お箸の使い方ひとつとっても、「箸渡し」「刺し箸」「迷い箸」「重ね箸」など多くのタブーがありますし、他にも食べる順番や食器の扱い方、「食べながらしゃべらない」「食べたまま歩かない」などといったマナーも数多くあります。