日常のちょっとしたところで、家事の負担が軽くなる工夫が随所にあるドイツの文化。
そのひとつが「カルテスエッセン」です。ドイツ語で「冷たい食事」という意味ですが、実際には火を使わずに簡単に準備ができる軽めの食事、という意味合いを持ちます。
昼にしっかりと食べ、朝と夕食は軽めに済ませる人が多いドイツですが、家事の負担を軽くし夜は家族でゆったりと過ごすためでもあります。
「カルテスエッセン」ってどんな食事?
カルテスエッセンの基本は、ハムやソーセージ、チーズとパンなどが主です。ジャムやバター、お好みで軽いサラダやピクルスなども。テーブルに並べ、家族がそれぞれ好きなものを取りながら挟んだり、塗ったりして食事をします。一緒にワインなどを楽しむことも。
なんだかとっても上品で豪華な雰囲気ですが、ドイツでは美味しいハムやチーズがとってもお手頃。準備は、これらをテーブルに並べるだけ!5−10分あれば済んでしまいます。買い物や下ごしらえの手間もありません。そう、とっても簡単で負担が全然ないのです。
たとえばこんな華やかな食事でも、基本は並べてセッティング。彩りとセンスにうっとりしてしまいますが、実は調理がいらずに並べるだけ。味付けに悩んだり、片付けをしながら忙しく料理をする必要がありません。それならなんだかちょっと真似してみたくなりませんか?
お家でもできるよ♪「カルテスエッセン」を楽しむためのコツ
1.素材や器にはこだわってみよう
シンプルだからこそ、ひとつひとつの素材はちょっとこだわってみましょう。
ハムやソーセージはとびきりおいしいものを。パンはお気に入りのパン屋さんで焼きたてを買ってもいいですね。バターやジャムも、ちょっと気になるブランドのものをストックしておいたり…食べる前からわくわくするほんのちょっとのこだわりでテーブルが華やかになります。
お中元やお歳暮でいただく機会のあるハムや、ネットでお取り寄せをしたものを加えてみてもいいかもしれません。簡単なのにちょっとおいしいものが食べられる。なんだかとっても贅沢な気分になりますね。
2.あまり堅苦しく考えない
ときにはお湯を注ぐだけのスープも添えたり、レンジでチン!で済むものを加えるのもいいですね。缶詰やカット野菜を加えたら、具だくさんの立派な料理に。手抜き、なんて感じません。
3.作る過程も楽しんでみる
「準備はささっと、食事はじっくり楽しむ」なら、食材を並べて好きなものを選びながら、セルフメイク方式のサンドイッチを作るのもユニーク。もちろん野菜は席についてからカットするのもありです。小さめのナイフや、カッティングボードがあると盛り付けにもカットにも使えて便利ですね。
色とりどりのフルーツや野菜を使って、どれにしようかな…と考えながら選ぶのも楽しそう。みんなで出来上がりを比べてみたり、新しい組み合わせの発見をシェアするのもひとつの楽しみです。
4.和食や、各国料理も楽しんでみよう
カルテスエッセンで楽しめる食事は、実は結構多国籍。
簡単にできる作り置きや、買って来たデリカテッセンを上手に取り入れて使ってみましょう。ビーンズサラダやペーストなんかも、ひと工夫できるもののひとつ。そのまま食べても、アレンジもできるものはいろいろな楽しみ方ができて重宝します。
5.時間をじっくり楽しむこと
あっという間に過ぎてしまう一日一日。夕食の時間は今日を振り返り、未来を考えられる絶好の時間です。ときにはささっとシリアルやフルーツで済ませてしまうのもありです。次の週末のことを考えたり、夕食は短めに済ませてマッサージや映画をみたり。自分をいたわる時間も楽しみましょう。
家事に追われる負担が減ると、心もぐんと軽くなるはず。パートナーとじっくり会話をして向き合ってみたり、子どもや家族と一緒の時間を過ごしながらリラックスしたり。手抜き、なんてプレッシャーを感じることはありません。
ゆったりリラックス時間で、心も体も健やかに…
夜の時間をのんびり過ごせるカルテスエッセン。
時間にゆとりが生まれると、自然と心も豊かになります。ゆっくり食事をするとつい食べ過ぎてしまうことも防げますね。とっても家事が楽になるドイツの文化を見習ってみてはいかがでしょうか。
ものづくりや合理性、省エネなど見習いたい文化が豊かな国ドイツ。
ライフスタイルにおいても、スマートで生活を楽しむ工夫が日常に根付いています。忙しい毎日の中でドイツの国の人たちはどうやって時間を作っているのでしょうか。