頭痛・肩こりの悪化を防ぐ生活のしかた
まずは生活習慣を見直してみませんか。自分でも気づかない生活のクセが、思わぬ頭痛・肩こりの原因になっているかもしれません。別の見方をするなら、生活のなかのちょっとしたことを変えるだけで、長く悩まされていた頭痛・肩こりから解放されるかもしれないということです。
1.長時間の同じ姿勢に注意
頭痛や肩こりに悩まされている人に多いのが、同じ姿勢を続けている生活パターンです。仕事柄、ずっと座りっぱなしでパソコンに向かっていると、どうしても前かがみの状態が続いてしまいます。すると、肩や首を支えている後頭部の筋肉が過度に緊張し、肩こりに。こりが悪化すると、頭全体が締め付けられるような鈍痛や頭重感といった、緊張性頭痛に発展してしまいます。
意識して肩回りを動かしたりして、同じ姿勢が続かないように注意しましょう。
2.自律神経を整える
脈拍とともにズキズキと側頭部が痛む、偏頭痛。血管が拡張し、拍動が近くの神経を刺激することで起こります。血管をコントロールしているのは自律神経ですから、そのバランスを崩さないよう規則正しい生活を送ることが大切です。
毎日できるだけ同じ時刻に寝起きし、食事のタイミングも一定になるようにするだけでも、生活のリズムは整います。また、起床時に朝日を浴びたり、新鮮な外の空気を吸ったりするのも、交感神経を刺激して、一日を気持ちよくスタートできるのでおすすめです。
3.食べ物の力を借りる
食事で体のバランスを整えることを、「食養生」といいます。これは東洋医学の考え方で、頭痛や肩こりになるのは、体が冷えていたり、気や血の巡りが滞っていたりするため。そこで、体を温め、巡りをよくする働きのある食べ物の力を借りるのです。
ショウガやニンニク、ネギは体を温め、シソやシナモンは巡りをよくする働きがあります。また、首筋の緊張をほぐすのにはセロリやミント、柑橘類など香りのよいものを。天候の影響による頭痛には、水分代謝をよくする小豆やキュウリ、冬瓜などがおすすめです。
体を動かしてしなやかに
デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、肩や首を支えている特定の筋肉だけが縮み続けたり、あるいは伸び続けたりすることになります。このようなアンバランスな筋肉の使い方から、肩こりの原因となり、悪化することで頭痛やめまいにまで発展してしまうことも。簡単なストレッチや体操で、しなやかな体を目指しましょう。
4.仕事の合間にストレッチ
首がぐるりと回るのは、いろいろな筋肉で支えているため。たとえば前に首を倒す動きは、首の前の筋肉が縮み、後ろの筋肉が伸びている状態です。デスクワークなどで首が前傾姿勢のままだと、同じ筋肉が縮みっぱなし、伸びっぱなしになり、肩こりの原因に。
目安として30分ごとに、肩を上げ下げしたり、首を前後左右にゆったりと伸ばしたり、こまめにストレッチする習慣が肩こりの予防になります。
5.簡単な体操を習慣に
肩の筋肉が衰えると、姿勢が悪くなり、肩こりの悪化の原因になります。また、肩こりの人の体は、肩甲骨まわりがぎゅっと緊張して硬くなりがちですので、肩甲骨をぐるぐると回して柔軟に保つことが大切です。
肩や首、肩甲骨を効率よく動かすことができるのが、ラジオ体操。簡単な体操ながら、筋力キープや血行促進などうれしい効果があります。一日の始まりに、お昼休みのリフレッシュに、毎日の習慣に取り入れてみてはいかがでしょう。
6.おやすみ前のヨガ
一日の終わり、就寝前にはヨガがおすすめです。なめらかに動作し、ポーズを一定時間キープ、そしてゆっくりとほどいて、くつろぐというのが基本の動作。緊張と弛緩をゆったりと繰り返すことで、心身の深いところまでリラックスできるのです。
肩こりには「平伏のポーズ」で血行を促し、「胸を開閉するポーズ」で首の疲れを取り、「半月のポーズ」で歪みを整えます。
心の乱れを整えてストレスケア
心と体はつながっている、そんなフレーズを一度や二度は耳にしたことがあるでしょう。実際に、ストレスを抱えていると体のどこかに不調が起きる、という経験がある方も多いはず。ストレスは自律神経のバランスを乱れさせ、内臓や全身の組織をコントロールする機能が低下してしまうことにより、さまざまな不調を誘発してしまうのです。
7.スマホにも休み時間を
今や片時も手放せなくなったスマートフォン。ランチタイムや通勤時間、家にいる時間まで、スマホの小さな画面をずっと凝視しているのではないでしょうか。指先しか使っていないようで、実は首や肩、腕にも負担がかかっています。
このご時世ですから、予期せぬ情報が飛び込んできて、心にダメージを受けることも少なくありません。少なくとも頭痛や肩こりの自覚症状があるときは、スマホにも休み時間を設けたいものです。
8.楽しいことでリフレッシュ
悩み事や心配事で心が疲れていると、脳が休まらず眠れなかったり、肩甲骨まわりが緊張して血行が悪くなったりします。脳の同じ領域を使い続けると疲弊するばかりですので、違う領域を使うように、趣味や楽しいことでリフレッシュを図りましょう。
日々のストレスは抱え込まずに、上手に手放していくのも大切なことです。家族や信頼できる相手に「話す」ことは、ストレスを「放す」ことにもつながります。
9.お風呂でこわばりをほぐそう
ストレスや肩こり、目の疲れによる緊張型頭痛の場合は、みぞおちあたりまでのぬるめのお湯につかるのが効果的。ゆっくりつかることでリラックスでき、血行が促進されて凝り固まった筋肉がほぐれ、老廃物を排出するリンパの流れもよくなって疲れが取れます。
体の芯まで温まると、いったん上昇した体温が自然に下がってスムーズに入眠できます。就寝する30分から1時間前に入力するのがおすすめです。
10.アロマやお香をたいてリラックス
一日の終わりには、アロマやお香をたいてリラックスタイムを。強いストレスによる緊張や不安は、交感神経を優位にするため、頭にカーッと血がのぼったような状態になります。そんな状態ではぐっすり眠ることもできません。
就寝前は、心配事はひとまず棚に上げておいて、穏やかな音楽を聴いたり、いい香りのアロマやお香をたいたりして、自分をいたわりましょう。副交感神経が優位になることで、ぎゅっと凝り固まった筋肉が緩み、心身ともにリラックスできます。
セルフケアでつらい痛みにサヨウナラ!
つらい頭痛や肩こりのときに試したい10の方法をご紹介しました。
どれも日常で簡単にできる方法ばかりです。痛くなってからの対処法としてだけではなく、毎日の習慣として続けていくうちに、頭痛や肩こりになりにくい、しなやかな心と体が育まれていくのが実感できるはずですよ。
頭痛・肩こりの原因はさまざまです。冷えによる血行不良や、長時間同じ姿勢を続けることによる筋肉の緊張、天候の変動の影響を受ける方もいます。また、現代人が避けられないストレスも軽視できません。自律神経の乱れから、血管が拡張して片頭痛を起こしたり、心の負担が続くことで、肩甲骨まわりの筋肉がぎゅっと緊張して血行が悪くなったりします。
こうした原因を突き止め、心と体を適切にケアすれば、つらい頭痛・肩こりの悪循環から抜け出せるかもしれません。