停電時に心がほっとする「温かい食事」。どう作ろう?
そこで、あらためて、停電が起きたときの食事について考えてみませんか。
防災グッズを揃えることに加え、併せて確認しておくと安心なのが、電気・水道といったライフラインが止まった時でも「温かい食事」をとれる方法です。
コンロが使えるという場合、少しの期間なら、カップ麺だけでも満足感を得られるかもしれませんが、もしも「停電の復旧まで数日かかりそう」という状況に陥ったなら――。「自分好みの味付けで、温かいご飯を食べたい!」という思いが沸きますよね。
水筒・スープジャーなどの「保温調理できる容器」を活用しませんか
その他、停電時の食事を考える時に役立つ情報もお届け。ぜひ参考にしてみてくださいね。
【始めに】飲み水が制限されやすい停電時は、「節水調理」が大切
「水道水が使える停電だけの状況なら、節水は必要ないのでは?」と思われるかもしれませんが、大規模な停電では一時的に水道水が濁ったりする場合があるとのこと。食事づくりでは、節水を意識すると安心です。
まず、「節水調理」のポイントを確認しましょう。
ご飯を炊くなら「無洗米」を使う
食事の基本、主食の「ご飯」。炊く時には「無洗米」を使うとよいでしょう。節水に役立つことは言わずもがなですよね。
因みに無洗米であっても水で洗えば水は白濁しますが、それはお米のでんぷんが溶け出たものなのだそう。白濁したからといって、米を洗う必要があるということではありませんよ。
湯せん調理をするなら「耐熱ポリ袋」を活用
なかでも、食材を入れた「耐熱ポリ袋」を鍋の中の湯に浸す「湯せん調理」は、鍋を汚さずに料理をつくれる調理方法として定番になっています。
このように、耐熱ポリ袋を使った湯せん調理で、蒸しパンを作ることも。ホットケーキミックスを使えば簡単ですよ。
湯せんする時は、鍋底に耐熱性の皿を敷くか、このように(画像左側)耐熱性のザルを使うなどして、ポリ袋が直接鍋肌に当たらないようにしましょう。
それでは、ようやく本題。
ここまで「節水調理」についてご説明しましたが、湯せん調理だけでなく「保温調理」も大いに役立ちます。スープジャーを使って具体的に行う方法を確認していきましょう。
‐ 停電時でも簡単!「スープジャーを使った保温調理」レシピ3選 ‐
保温調理とは
保温調理にスープジャーを活用するなら、中に入れる食材は、しっかり煮込んで完成した状態ではなく、そのちょっと手前の、ほどほどに火が通った状態で大丈夫。具材の中心部までしっかり温まっていれば、しばし放置(保温)するだけで、具材に熱を通してくれます。
サーモス公式サイト内「PLUS THERMOSキッチンから始める防災」災害時レシピ
1.基本のおかゆ ※無洗米を使用
それだけでなく、消化に良いことも大きな魅力。ストレスで胃腸が弱りがちな避難時の食事として、重宝しますよ。
無洗米…大さじ2(20g)
お湯…200ml
■作り方
➊スープジャーの中に耐熱性の半透明のポリ袋(高密度ポリエチレン製)をかけ、その中に米を入れ、次に沸騰したお湯を注ぐ。
➋ポリ袋の開け口をねじって中に押し込み、フタをして1時間経ったら完成。
※6時間以内に一度に食べきってください。
<アレンジ>
基本のおかゆを作り、食べる直前にフリーズドライのスープ(卵、わかめ、トマト、もずく、めかぶ、酸辣湯など)をプラスすると雑炊のように楽しめます。
<今泉先生のワンポイントアドバイス>
お米の芯を残さないために、必ず熱湯を注いでください。寒いときはスープジャーの温度が下がらないように、タオルなどで包みましょう。
※災害時レシピとしてポリ袋を使った作り方を紹介しております。
日常で使用するスープジャーの保温調理方法についてはサーモス公式サイトをご確認ください。
2.缶詰で手軽!参鶏湯 ※無洗米を使用
まさしく防災用に役立つ、実践しやすいレシピです。
無洗米…大さじ2(20g)
お湯…200ml
切り干し大根…2g
【A】
鶏ささみ缶…1缶
おろし生姜…小さじ1
おろしにんにく…小さじ1/2
鶏がらスープの素…小さじ1/2
■作り方
➊スープジャーの中に耐熱性の半透明のポリ袋(高密度ポリエチレン製)をかけ、その中に米を入れ、次に沸騰したお湯を注ぎ、ポリ袋の開け口をねじって中に押し込み、フタをして1時間待つ。
➋1時間後、切り干し大根(長い場合はキッチンバサミで切りながら)、Aを入れて混ぜ、フタをして5分待ったら完成。お好みで白いりごまや、ラー油をかけても◎。
<今泉先生のワンポイントアドバイス>
切り干し大根を入れることで食感がプラスされ、食物繊維も摂ることができます。切り干し大根の汚れが気になる方は洗ってくださいね。体調が優れないときは、切り干し大根やにんにくを入れず、梅干しや酢などを入れると食べやすくなります。
※災害時レシピとしてポリ袋を使った作り方を紹介しております。
日常で使用するスープジャーの保温調理方法についてはサーモス公式サイトをご確認ください。
3.じゃがいも豚汁
提供: 有賀 薫さんnote記事
豚ばら肉、じゃがいも、長ねぎをそのまま鍋に入れて一旦加熱させるという工程はありますが、“ひと煮立ち”させればOK。ガスコンロの使用時間を最低限に抑えることができ、時短調理が叶います。災害時に役立つことはもちろん、普段の忙しいお弁当づくりでも大助かりです。
豚ばら肉薄切り…50g
じゃがいも…中1個
長ねぎ…4cmほど
すりおろししょうが…少々
味噌…大さじ1
水…200ml
■作り方
➊じゃがいもは皮をむき1/4に切る。長ねぎは斜め切り。豚肉は4cm幅に切る。
➋鍋に味噌以外のすべての材料を入れ、水200mlを加えて煮立てる。
❸味噌を溶き入れ、ジャーに移す。
その他、おすすめのスープジャーレシピはこちらから
【スープジャーが欲しいと思った方へ】おすすめ商品をご紹介
最後に、興味を持った方に向けて、魔法びんのパイオニアであるサーモス(THERMOS)のおすすめスープジャーをご紹介します。保温性の高さは折り紙付き。ぜひ商品探しの参考にしてみてくださいね。
サーモス 真空断熱スープジャー(JBR-300/400/500)
ツヤのある仕上がりが美しい「サーモス 真空断熱スープジャー」JBRシリーズ。容量は300ml(JBR-300)、400ml(JBR-400)、500ml(JBR-500)の3種から選べます。カラーバリエーションは、ブラウン、レッド、ホワイト(*)。佇まいがスタイリッシュで、お弁当用の手さげバッグからちらっと見えても素敵。
スープジャーを開けるときのあるあるのお悩みとして「フタが固くて開かない」ということがあるのですが、こちらの商品は開閉がらくらく。「クリックオープン構造」を採用しており、フタを回すと中の圧力を逃がす、開けやすいつくりになっています。
(*)補足:ホワイトは300ml・400mlのみ。
保温・保冷効力はこちらをご確認ください
JBR-300 | JBR-400 | JBR-500
(300ml)|(400ml) |(500ml)
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保温効力 56℃以上|60℃以上 |63℃以上
(6時間)
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保冷効力 12℃以下|11℃以下 |11℃以下
(6時間)
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サーモス 真空断熱スープジャー(JBT-301/401/501)
ナチュラルな雰囲気の「サーモス 真空断熱スープジャー」JBTシリーズもおすすめです。
ひとつ上でご紹介したJBRシリーズと同様、こちらも容量は300ml(JBT-301)、400ml(JBT-401)、500ml(JBT-501)の3種ありますよ。
カラーバリエーションは容量によって異なりますが、300mlならばイエロー(画像上・右から2番目)、クリームホワイト、ブルー。400mlならばイエロー、クリームホワイト、カーキ(画像上・右端)を展開しています。
JBTシリーズも「クリックオープン構造」を採用。フタは指がフィットしやすい、ゆるやかなくぼみの入った形状になっており、力が弱い方でも扱いやすいのが大きな魅力です。
保温・保冷効力はこちらをご確認ください
JBT-301| JBT-401|JBT-501
(300ml)|(400ml)|(500ml)
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保温効力 55℃以上|59℃以上 |61℃以上
(6時間)
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保冷効力 12℃以下|11℃以下 |11℃以下
(6時間)
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最後に
もし寒い時期に停電や断水に見舞われたら――。ぜひこの機会に、暖をとる温かい食事について考えてみてはいかがでしょう。
「無洗米」を使うと決めたら、次は炊き方を確認しましょう。
代表的な手段としては、
✓フライパンや鍋を使う
✓耐熱ポリ袋を使って湯せん調理
✓水筒・スープジャーなどで保温調理(*)
が挙げられます。
防災食品として水でもどせる「アルファ米」も人気で便利ですが、ちょっと高価なのが難点。状況によって臨機応変、使い分けができるとよさそうです。
(*)補足:保温調理については、本記事のこのあとの章でご紹介します。