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他人ごとではなく"自分ごと"として、いざというときの備えを。
先日の大型台風で、緊張感のあるニュースの報道が続いています。近年、自然災害による被害が増えており、「自分だけは大丈夫」と思っていた方も、「どこに暮らしていようとも、いつわが身に降りかかってきてもおかしくない」と、防災を"自分ごと"として捉えなければならない状況にあります。
実際、これまでに起こった自然災害で、身近に感じていた地域、また、繋がりのある人が被災したという方も少なくないのではないでしょうか。
だからこそ、不安を募らせるのではなく、前を向いて、今すぐ取り組みたいのが、「いざというときの備え」です。
出典: 今回は、停電をはじめとしたシーンでの「キッチンの備え」と「お料理テクニック」に着目。
食事は健康や心の安定を左右する、もっとも重要な営みの一つですから、これをうまくやりくりできれば、心の負荷はずいぶんと軽くなるはず。
万が一のシーンで、自分や大切な人を助けるヒントを見つけてください。
《はじめに》大規模な停電。実際になにが起こるの??
出典: 実際に災害を経験して初めて「あれが使えない!」「準備していなかった!!」ということに初めて気づくことは多いもの。
特に、私たちが想定外のところに影響が及びがちなのが「停電」の場合です。
キッチン周りでは、どんなことが起こるのでしょうか?
出典: 電気が停まって、使えなくなって困るのが冷蔵庫。
平常時はストック食材として「冷凍品」を日々便利に活用してやりくりしているとしても、もちろん時間が経てば溶けてしまいます。
普段から、缶詰やレトルトなどの備蓄食材は別に必ず用意しておくべきです。
単純に「停電」のみの場合は、一戸建ての場合は水道は基本的には停まりません。
大規模停電に襲われ、浄水場の自家発電機にもトラブルが生じるとお水も停まってしまいますが、基本的には「水圧」を使って水を引き込んでいるので、先のような最悪のトラブルが重なる場合を除いては比較的安心です。
一方、マンションは電動で水を汲み上げているので停電時に水が停まりやすいと言われますが、最近は自家発電機を備えていたり、貯水槽を最上階に置くことでそういったリスクを極力回避しようとしているケースがあります。
また、おおよそ5F建て以下の場合は、水圧を利用した給水方法を取っている場合もあり、一概に「マンション=停電時は断水」とは言い切れません。
お住まいのマンションがどんな方式をとっているのか、自家発電機の有無などについて、事前に確かめておくと安心です。
便利に活用する方の多い「ウォーターサーバー」も、稼働しない可能性があります。
給水時にコックを手でひねったり押したりして出すタイプの、比較的アナログなスタイルのウォーターサーバーであれば、セットしたボトルから水自体は出すことができる場合が多いです。しかし、同様の給水タイプでも、ボトルをサーバーの下部に設置して、そこから給水口まで水を電動でくみ上げるタイプに関しては、停電時には水のくみ上げが停止してしまいますので使用できなくなります。
また、お湯や水のボタンが電子式のタイプのものも、電気が停まってしまえば当然使用不可となります。
とはいえ、「ストックしているウォーターボトルの水自体は直接使うことができるんでしょう?」と思う方も多いですよね。この点に関しては、実は注意が必要なんです。
もちろん、ボトルを開封してそのまま飲用とすることは可能なのですが、サーバーを通さない場合は、開封後1~2日で使い切ることが推奨されている場合が多いんです。
業者によって異なるものの、1本10L以上のボトルという場合、一人暮らしや少人数の家族だと期限内に使い切れなくなって無駄になってしまうことも…。
ユーザーの方は、ご家庭でお使いのサーバーの形式を確認したり、ボトルの容量が小さめのサーバーに見直すなど、事前の対策が可能ですよ。
出典: 電気を利用したIHコンロは停電時は使用不可となりますが、ガスコンロについては概ね使用できます。
ただし、着火の際に「カチカチカチ・・・」という音がすれば、着火自体は電気行っているということ。この着火は一瞬なので、電池を使用していることが多いのですが、一部では電気を用いている製品もあります。
また、表示モニター等にも電気を使っているので、そういった点も要注意。自宅のコンロはどういったタイプなのか、ぜひ事前に把握しておきましょう。
キッチンの備え|今すぐ始められる、毎日のプラスワン対策
では、いざという場面で慌てないために、普段から気を付けておくポイントは、一体どんなことなのでしょうか?
出典: 平常時から、ギュウギュウに隙間なく詰め込んだ方が保冷効果が高いとされる冷凍庫。
停電すれば電気による冷却機能はストップしてしまいますが、極力冷凍庫のスペースを活用してモノを詰め込んでおけばより低温の状態を長くキープすることが可能となり、中の食材を活用できる期間もより長くなります。
出典: とはいえ、もしそんなに中身を詰め切れない!という場合には、ペットボトルのお水を隙間に詰めたりしてもOK。
また、食品用のジッパー付きビニール袋などに水道水を入れ、ジップを閉めてから、同様に隙間につめるという方法もオススメです。
これは、ハリケーン襲来時の対策としてアメリカの家庭でも行っている方法なんだとか。不要なものを無理して買いこんだりする必要もありませんし、外出が難しい大雨などの状態でも家の中にいながらできる対策です。
冷凍庫の冷たさをキープしつつ、溶かせばそのまま飲むこともできるので、一石二鳥ですね。
(※)上記はあくまで冷蔵庫ではなく、冷凍庫に対してのアドバイスとなります。また、水道水を入れる袋は、高密度ポリエチレンなど、やや厚みのあるビニール袋が安全です。
出典: トイレ用などのために「災害時には湯船に水をためたままにして」という話は聞いたことがあると思いますが、もう一つ習慣にしてほしいのが「やかんへの水の汲み置き」です。
ペットボトル飲料水を備蓄しているご家庭は多いとは思うものの、実際に災害に直面すると極力節水するのが普通ですよね。
毎晩寝る前に、やかんやポットに水道水を汲んでおけば一定量を追加ストックできるわけですからより安心です。
出典: ちなみに、水道水の保存可能期間ですが、保存方法・場所・水道水の塩素濃度によって変化するものの、保存期間の目安は概ね3日程度とのこと。
出典: 「では煮沸消毒をした方が安心では?」と思われがちですが、煮沸によって塩素が抜けてしまうので、煮沸後は蛇口から出した直後の水道水よりも保存期間は短くなってしまうのです。
同様に、塩素を除去する「浄水器」を通した水も、普通の水道水より保存期間が短くなります。汲み置きした水は、そういった点も考慮しつつ活用してください。
たとえ“飲まない”としても、掃除や洗濯に、毎日気軽に使いこなせる量ですよね。
東京都 水道局による、「水の汲み置き」についての注意事項がまとめられています。あわせてご覧ください。
出典: もしおうちに実際に備蓄した食料があるなら・・・例えば“賞味期限間近な物を新しいものと入れ替えるタイミング”で、試食してみましょう。
実際に筆者が行ってみて初めて出会えた発見は、例えば以下のようなものでした。
[筆者が実際に非常食になるものを食べてみて、気付いたこと]
・アルファ米を使った「お湯を入れるだけで炊くご飯」は、水を利用すると出来上がるまで60分もかかる!
・アルファ米のご飯は、味がなくてもOKなのは自分だけで、他の家族は「わかめご飯」タイプなど味付けが必要。
・缶詰パンは、おいしいけれど水分が欲しくなる。
・エネルギー摂取に便利な羊かんやお菓子類は、味は問題ないが災害時でも対応できる歯磨き方法が必須。
出典: 逆に、「これはNGだろうなぁ・・・」と思っていたものが、実際に食べてみると、意外とウケがいいということもあります。
背に腹は代えられない状況とはいえ、できればそれぞれの口に合うものを、快適な状態で食べられれば、より心の安定にもつながるはず。
ぜひリハーサルを兼ねて味見してみましょう。
出典: ご飯を炊くのは炊飯器に頼ることが多いですが、実は「お鍋でも簡単に炊ける」って、ご存知ですか?
「電気に頼らず炊けていざというときに安心」という点以外にも、「おいしい」「時短」「専用の家電が不要になる」などのメリットもあります。
出典: ポリ袋(※)と湯せんでこんなにおいしそうなご飯が炊けるのをご存知ですか?覚えておくととても便利な方法です。
無洗米ではなくても研がなくてOKと言われています。火にかける前に、できれば30分程度お米を浸水させておくとよりおいしい仕上がりに・・・。
また、袋を閉じるときはできるだけ空気を抜くようにすること、また高温の鍋底に袋が直接触れないようにお皿を敷いた上にポリ袋を入れると、失敗も少ないようです♪
(※)後述しますが、「高密度ポリエチレン袋」を使用してください。
▼ポリ袋でご飯を炊く方法は、こちらのレシピをご参照ください。
出典: 「フライパン」で10分で炊ける方法もあるんですよ!「水は確保できるけれど、停電中・・・」という場合にはとても手軽で便利♪
出典: こういったいつもとは違う方法でお米を炊く機会を、1か月に一度など、定期的に設けてみると安心ですね。
▼フライパンでご飯を炊く方法は、こちらのレシピをご参照ください。
料理テクニック①|災害に直面したら、どう実践すべき?
さて、ここまでは備えについてお話してきましたが、いざ実際に災害に直面したらどんな行動や方法が必要なのでしょう?
・「冷蔵庫→冷凍庫→レトルト」の順番で食材を使っていく
出典: どれだけの大規模災害かにもよりますが、もしもライフラインや食品流通が一定期間停まってしまう可能性があるのであれば、食材は以下の、①②③の順番で使っていくのが理想です。
①温度が上がりやすい「冷蔵庫」、冷蔵庫に入れていない「野菜」
②冷蔵庫よりは低温を保ちやすい「冷凍庫」
③温度に左右されにくい「レトルト」「防災食」「常温保存品」
出典: 災害=レトルト という発想になりがちですが、まずは傷みやすい食材から活用していくことで食材を無理なく、より長く食べつなぐことができます。
出典: 水が貴重な山の上の山小屋では、例えば人参は皮をむいてから軽く洗うんだとか。そうすることで、より水を使う量を減らすことができます。
この考え方や方法は、このまま災害時のシーンにも活用できますね。
出典: いつもの方法に捉われず、シンプルな調理工程で、数少ない調理器具で仕上げられれば、ガスも水(調理+洗い物)も節約できます。
<例>
・包丁 → キッチンばさみ、ピーラー(まな板が不要)
・まな板 → 牛乳の空きパック
・おろし金 → おろし金にアルミホイルを巻いてからおろす (ショウガやニンニクに有効)
・鍋 → 湯せんを活用する
・フライパン → アルミホイルを敷くor食材を包んで調理
・皿 → ラップを敷いた上に食材を盛り付ける
・手 → 使い捨てビニル手袋を使用して手洗いを省く
・切る → 手でちぎる(野菜やウインナー、ベーコンなど)
また、実際に洗い物が発生した場合は、新聞紙やウェスで汚れを拭き取ってから、貯めた水で洗うようにするとより汚れが落ちやすいですね。
先ほどのアイディアの中の一つ、鍋で「湯せん」を実践する場合ですが、食材を入れる袋は必ず食品用の「高密度ポリエチレン製」の袋を選びましょう。耐熱温度が110℃であれば、熱湯の中に入れても耐えることができます。
ただし、高温の鍋肌に触れてしまうと溶けてしまう可能性があるため、鍋の底にお皿を敷き、側面には触れないようにするなど、注意しましょう。
アイラップ 60枚入
106円〜(税込)
※価格等が異なる場合がございます。最新の情報は各サイトをご参照ください。
料理テクニック②|日頃からアイディアレシピを活用しよう
災害の有無にかかわらず、ぜひ日常的に触れておきたいのが非常時にも対応できる「アイディアレシピ」。
調理方法に慣れることができるのはもちろんのこと、毎日の食卓に活用することで時短にもなり、扱いやすい食材の把握やストックにもつながります。
料理テクニック②-1: 常備食材で「お腹にたまるご飯」を作ろう
出典: 備えが十分でなく、おにぎりの具がなかったり、いつもの味に飽きてしまったり・・・そんなときには紙パックに入っただしパックが便利!
ふだん「だし」をとっているくらいなので、うまみは十分♪
さらに、だしパックの中身はお魚や海藻を粉砕したものが多いので、直接混ぜ込んで食べればおにぎりひとつで栄養をとることができます。
出典: うまみたっぷりの塩昆布とおかかのおにぎりと聞くだけで既においしそうですが、便利なのは「冷凍&自然解凍OK」なこと。
オイルを混ぜ込むことで、冷凍庫から取り出して自然解凍された状態で、そのままいただくことができるんです!
平常時に残ったご飯も、こうしたタイプのおにぎりにして冷凍庫にストックしておけば、普段はお弁当やおうちごはんに…いざというときは非常食に!と、ローリングストックが可能ですね♪
出典: 炊き込みご飯の具として缶詰を活用すれば、栄養も摂りやすく、味のバリエーションも一気に豊かに。
サンマと相性のいい梅は、菌の繁殖を防いでくれるのに加え、つい単調になりがちな非常時の食事において酸味というアクセントをプラスしてくれるのも嬉しいですね。
出典: 普段はおつまみとしての出番が多い「焼き鳥の缶詰」や「メンマ」も、非常時には食材として活用することができます。
炊き込みご飯にすると…味はもちろん、メンマの食感もプラスされて、とってもおいしいんです♪
出典: 調理前にパスタを水漬けしておくことで、水やガスを節約できるのをご存知ですか?
「レトルトのパスタソースはあるけれど・・・」というご家庭は多いと思うので、そういった時にぜひ活用していただきたいアイディアです。
ちなみに、レシピ中のソースも缶詰を活用しているので非常時にも簡単に作れますよ!
出典: こちらは、なんと缶詰&ポリ袋を活用して、超簡単にパスタソースが作れるレシピ。
先ほどご紹介した水漬けパスタと組み合わせれば、洗い物の負担が一気に減りますよ!
さばのクセなし。野菜たっぷり、ホッとする温かさが、心を癒してくれるはず。
出典: 野菜不足になりがちな非常時、汁物は大きな味方!
具として入れる野菜は冷蔵庫にある残り物でOKです。
しょうがはすりおろしたものを冷凍もできるので、日頃から準備しておくと安心ですね。もちろん、チューブを使ってもOK。
最後の工程のごま油は、それぞれのお皿によそってから回し入れれば、お鍋を洗いやすくなり手間が省けますよ。
出典: 栄養豊富な卵を、少ない水でゆで卵にしていただきましょう。
少ない水で、さらに普段より短い時間でゆで卵が作れる方法が、こちらのレシピ。カセットコンロなどを使用する場合にガスが節約でき、茹でるための水も蒸発しにくく、より貴重な水を有効に活用することができます。
茹でる際は、記事の途中でもご紹介している「高密度ポリ袋」の中に卵を入れておけば、お湯自体を他の調理に使用することもできますね。
料理テクニック②-2:ポリ袋で「野菜たっぷりの副菜」を作ろう
最後に、ご紹介するのはポリ袋調理で簡単にできる野菜をつかった副菜たち。
冷蔵庫や戸棚の中にあるものを組み合わせるだけなので、日頃から作りなれておくと安心&レパートリーが広がり一石二鳥ですね。
ポリ袋で揉むだけなので、包丁も不要で、洗い物なし。
出典: ポリ袋に、豆苗+ツナ、調味料を入れるだけという超シンプルレシピ!
レシピ中では豆苗を使っていますが、水菜やキャベツなどでも代用は可能です。包丁もまな板も不要なのが嬉しいですね。
ごま・かつお節・塩昆布・マヨネーズの旨みたっぷりの味付けが◎
出典: こちらは塩昆布でうまみたっぷり♪
レシピではキャベツは細切りをオススメされていますが、非常時はキッチンバサミを使ったり、ちぎったりすることで、より簡単に仕上げられます。
出典: キャベツ+イワシの缶詰で栄養バランスも◎な、簡単サラダ。ごま油、炒りごま、好みでおろしにんにくを加えれば、食欲も刺激してくれる一品になります。
これとおにぎりだけでも安心できる、心強い副菜メニューですね。
食べることは、生きること。非常時も、備えがあればきっと大丈夫。
出典: 生活に直結する「食事」。だからこそ、抜かりなく備えておくことがとても重要です。
・・・というと、特に家族を抱える立場の方は責任重大に思えそうですが、大丈夫。
月に一度、週に一度と、調理方法を変えてみたり、使い勝手のよさそうな缶詰を買ったり、簡単レシピを献立に取り入れたりすれば、日常生活の中でリハーサルを重ねることができますよね。日常生活でも毎日立つキッチンだからこそ、非常時のシーンを頭の片隅に置くだけで、グンと発見が増え、意識も変えることができるはず。
出典: 今回ご紹介した内容が、少しでもみなさんの身を守るヒントになりますように。
先日の大型台風で、緊張感のあるニュースの報道が続いています。近年、自然災害による被害が増えており、「自分だけは大丈夫」と思っていた方も、「どこに暮らしていようとも、いつわが身に降りかかってきてもおかしくない」と、防災を"自分ごと"として捉えなければならない状況にあります。
実際、これまでに起こった自然災害で、身近に感じていた地域、また、繋がりのある人が被災したという方も少なくないのではないでしょうか。
だからこそ、不安を募らせるのではなく、前を向いて、今すぐ取り組みたいのが、「いざというときの備え」です。