知ってるようで意外と知らない!?「お醤油」のお話
多くの家庭において、気づけばそこにあるものだからこそ、いつもと同じ一本を何となく選び続けているという人も多いのではないでしょうか?あるいは、「こだわって選んでみよう!」と意気込んで売り場に行ってみても、ずらりと棚に並ぶ豊富なラインナップに圧倒されてただただ迷うだけ・・・という方も少なくないかもしれません。
そこで今回は、じっくり醤油に向き合いながら、「とっておきの一本」をご紹介。
- 寝るとき何着てる?心地よい睡眠へと誘うパジャマの話キナリノ編集部
【前知識】これだけはおさえておきたい!醤油の種類&使い分け
実は数あるお醤油は、日本農林規格(JAS)によって、大きく5つに分類されていることをご存じですか?この分類に沿って、まずはお醤油の種類や使い方のポイントをおさえておきましょう。
濃口醤油(こいくちしょうゆ)
「とりあえず1本あればいい」「使い分ける自信がない」という場合には、こだわった濃口を1本選ぶのがオススメ。食卓がグンと格上げされるはずです。
使い方のポイント
煮物などにも使える濃口醤油ですが、煮物を美味しく仕上げるにはちょっとした"テクニック"があります。
塩の分子は、砂糖の分子よりもはるかに小さいです。それゆえ、甘みを加えたいとき、砂糖よりも塩を先に加えてしまうと、砂糖などの糖分をいくら加えても、食材に甘みが入りにくいという事態に。
ここで、ワンポイントアドバイス。
お野菜などを煮込む場合には、まず食材にしっかり甘みををつけた後に、お醤油を加えてバランスをとりましょう。
お醤油は香りもおいしさの一つですから、煮る工程において何度かに分けてお醤油を入れ、火を止める直前に最後のお醤油を加えることで香りも飛びすぎず塩味もちょうどよく仕上がりますよ。
淡口醤油(うすくちしょうゆ)
ただし、工程ではゆるやかに発酵・熟成を進めさせるため、食塩が多めに使用していることが特徴的。実は「濃口醤油」よりも塩分がやや高いので、そのことも頭に入れて、料理に取り入れるようにしましょう。
使い方のポイント
色や香りが控えめで、素材が本来持つ見た目や味わい・香りを生かすのにピッタリ!素材本来の姿をより活かして仕上げたいお野菜の炊き合わせや、醤油を加え味をしみこませることとなる煮物などのお料理にオススメです。
また、味わいの淡白なお魚などとの相性もいいですよ。
白醤油(しろしょうゆ)
醤油と言えば「大豆」が主原料ですが、白醤油の主原料は「小麦」。これにより、淡い色合いとともに、甘みや独特の香りを併せ持っています。
使い方のポイント
お吸い物や卵焼き、茶碗蒸しなどに使用すれば、お醤油の色味を表に出すことなく素材そのものの色彩を活かすことができます。
溜醤油(たまりしょうゆ)
見た目通りうま味も濃厚。しかし塩分はというと、濃口醤油と同程度です。意外ですよね。
使い方のポイント
お醤油の色を美しく出したい照り焼き料理や佃煮などとの相性は◎!
また、うま味が凝縮されているので、ドレッシングの材料としてもオススメです。赤みのお刺身やステーキとの相性は抜群なので、そのままかけて食材と醤油のおいしさを互いに引き立て合う様子を楽しんでみてはいかがでしょう。
再仕込醤油(さいしこみしょうゆ)
なぜ“贅沢”かというと、本来醤油は醤油麹+食塩水によってつくられる諸味(もろみ)を熟成させるのに対し、「再仕込醤油」は食塩水の代わりになんと醤油を使用しているから。
こうして、通常の倍の材料と期間をかけて贅沢につくられる「再仕込醤油」は、うま味も色も香りもギュギュッと凝縮された濃厚な仕上がりとなるのです。
使い方のポイント
- こだわりの美味しさを味わえる!「本格醤油」おすすめ5選 -
笛木醤油(ふえきしょうゆ) @埼玉
1789年創業!本物の味と文化継承の為に新たな試みを続ける醤油蔵
創業以来230年以上の伝統を受け継ぐ老舗、「笛木醤油(ふえきしょうゆ)」。
埼玉県産の小麦、有機大豆や希少な国産大豆を原料に、醤油業界では全国でもはや1%以下にまで減りつつあるといわれる木桶(きおけ)による醤油づくりにこだわり続ける蔵の一つです。
加熱などで温度や熟成スピードを調整できる金属窯に対し、木桶は自然に任せるのみ。夏は窓を開け放し網戸を通るムシムシと熱気を含んだ風に当て、冬は発酵のスピードが遅くなろうともその寒さにさらす。機が熟すまで片時も目を離さず、完成まで2年という時を待つ・・・。
そんな職人の根気強さと技が凝縮された醤油が生み出されています。
古くからの本格的な文化を守りつつ、未来にわたって“醤油”が、そして“会社”が永く愛され続けるように――。時代に合わせた新しい試みに積極的なのも笛木醤油の特徴の一つ。
なかでも商品開発には目を見張るものがあり、たとえば、ご飯への混ぜ込みや料理を美しく仕上げるのに便利な「パウダーしょうゆ」、そして、地元の老舗和菓子店とコラボして開発した「スイーツにかけるしょうゆ」も。この商品は、その名のとおり、バニラアイス・ホットケーキと相性抜群の醤油です!
- 住所
- 比企郡川島町上伊草660
- 営業時間
- [月]
10:00 - 17:00
[火]
10:00 - 17:00
[水]
10:00 - 17:00
[木]
10:00 - 17:00
[金]
10:00 - 17:00
[土]
10:00 - 17:00
[日]
10:00 - 17:00
■ 営業時間
【ショップ】10:00~17:00
【しょうゆ蔵のレストラン】11:30~17:00(麵がなくなり次第終了)
【工場見学※1日3回】
10:30~、13:30~、15:30~、所要時間45分
■ 定休日
不定休
- 定休日
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
笛木醤油【通販できる醤油のおすすめ】は・・
金笛減塩醤油
笛木醤油の看板商品である「金笛醤油」の伝統の製法はそのままに、食塩を50%カットしてつくり上げたのが、こちらの「金笛減塩醤油」。
毎日の食卓でいつもと変わらず使うだけで、いつのまにか塩分接種量を抑えられるのは大きな魅力!
まろやかでコクのある味わいはそのままなので、「普段使いのお醤油はこれ以外考えられない!」とリピートする人もとても多い逸品です。
使いたい分だけ注ぎやすく、中身の酸化も抑えやすい、200mlの「デラミボトル」タイプも。
卓上でいつでも新鮮でおいしいお醤油がいただけると評判です。
酢屋茂(すやも) @長野
大きな寒暖差の中で育まれる、優しい味わい
酢屋茂【通販できる醤油のおすすめ】は・・
イマイ醤油 きなり
岡本醤油醸造場 @広島
穏やかな風に吹かれる瀬戸内の島の醤油蔵
岡本醤油【通販できる醤油のおすすめ】は・・
手造り醤油 濃口本仕込み熟成二年
使用されているのは、広島県産丸大豆と香川県産玄小麦。地元で育まれた自然からの恵みを醤油と生まれ変わらせるために、瀬戸内の温暖な気候の中じっくり2年の時が費やされています。
山川醸造(やまかわじょうぞう) @岐阜
地元の食文化である「溜醤油」の可能性への飽くなき挑戦
主に中部地方で造られている「溜醤油(たまりしょうゆ)」。多量の大豆に対し、少量の水…という比率から生まれる、うま味が凝縮されたコクのある味わいが大きな特徴です。
中部地方の食文化を長く担ってきた「溜醤油」ですが、近年は濃口醤油の普及に押され気味、というのが実情のようです。
そんな中、溜醤油にこだわり、かつ柔軟な姿勢を忘れず挑戦を続けるのが、岐阜県岐阜市にある「山川醸造株式会社(やまかわじょうぞうかぶしきがいしゃ)」。
*画像/岐阜県・金華山から望む長良川と街並み
山川醸造【通販できる醤油のおすすめ】は・・
伝承美濃地溜 みのび
特級の醤油に比べてうま味は1.8倍ありながら、塩分は一般的なお醤油と変わらない。それが「みのび」です。
真っ黒な色味からついついひたすらに濃い味を想像してしまいますが、その味わいはまろやかさとしっかりとしたコクを併せ持ちます。確かなうま味がお料理の味付けをしっかり支えてくれるので、使う量はいつもの7~8割で十分。結果的に塩分をおさえることができるというメリットもありますよ。
普段のお料理や卓上醤油にはもちろん、うま味を活かし、“めんつゆ”としても活用するのもオススメです。
大久保醸造店 @長野
微生物のサポートに徹する。環境に負荷をかけない。自然に寄り添う蔵元
明治38年(1905年)創業、長野県松本市にある「大久保醸造店(おおくぼじょうぞうてん)」。人の手がきちんと行き届く範囲で造ることを大切にした蔵は規模こそ大きくありませんが、全国にファンを持つ、知る人ぞ知る醸造所。
昔ながらの醸造法にこだわっていることや、環境に配慮した徹底的な取り組みで有名です。
その取り組みを1つ挙げるなら、例えば、ソーラー発電設備を屋根の上に設置して活用していること。塩に至るまで国産にこだわって集めた原料の運搬・移動は、手間だけでなく、使用電力をも減らすため、蔵の上から下へと工程を進めるように設備を設計されています。
自然の力を借りて生みだす醤油だからこそ、自然に負荷をかけない方法、微生物の力を最大限引き出す方法に、こだわりを持っています。
*画像/長野県松本市
そんな妥協のない職人によって生み出されるからこそ、仕上がるお醤油のクオリティは極上と言えます。料理研究家や一流料亭、蕎麦屋など、プロご用達の逸品です。
ちなみに玄米味噌など、こだわりのお味噌も、美味しさに定評がありますよ。
大久保醸造店【通販できる醤油のおすすめ】は・・
本仕込み紫大尽
わざわざ取り寄せて何度もリピートするほどのファンが多い「紫大尽(むらさきだいじん)」。愛用するプロも多い淡口醤油です。
淡口醤油というと色だけでなく香りなども控えめと言われますが、この紫大尽はプロでなくても少し食べ比べてみるだけでその香りや味わいの違いがはっきり判る人が多いといいますからぜひ一度試してみる価値があるといえそう。
筆者の一押し活用法は、お塩感覚でお野菜に。或いは、いつもの煮物の隠し味にもおすすめ。
自然の恵みに感謝しながら、幅広く試してみたいですね。
❁耳より情報❁ 本格醤油を味見してから買える!おすすめのお店
100mlずつお取り寄せできる、しょうゆの専門サイト「職人醤油」
今回「5選」の中でご紹介した醤油蔵の中には、この職人醤油でのお取り寄せが可能なところも。使いやすいサイズはちょっとしたギフトにもぴったりです!
直接足を運んで、手にとってみることもできます*
- 住所
- 前橋市西片貝町5-4-8
- 営業時間
- [月]
定休日
[火]
10:00 - 19:00
[水]
10:00 - 19:00
[木]
10:00 - 19:00
[金]
10:00 - 19:00
[土]
10:00 - 19:00
[日]
10:00 - 19:00
- 定休日
- 月曜日
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
脇役から主役へ。醤油を知って食事をもっとカラフルに。
いつも使うものの背景を知れば知るほど存在が輝きだし、豊かな気分に満たされるはず。脇役にすぎなかったお醤油にスポットライトを当てることで、「このお醤油を活かすにはどんなお料理がいいだろう?」「今日はどのお醤油を使おうかな?」と、食卓がたちまち生き生きとカラフルに見えてくるかも。
おうちごはんも増えた今、「徹底的に醤油と向き合ってみる」という食の楽しみ方も、なかなかいいものではないでしょうか?
*画像/たまり醤油を絡めていただく伊勢うどん