冷たいお茶の日持ちはどれくらい?
ペットボトルで色々なお茶が販売されていますが、好みの味や濃さに調節できるのが自宅で作る冷たいお茶の良い所。ですが、自分で作る物だけに「どれくらい日持ちするのかな?」と思う事はありませんか?
市販のお茶の場合、多くのメーカーはコップなどに注ぎ分けてボトルに直に口をつけていない場合、開封後は蓋をして冷蔵庫保存で2~3日としている事が多いようです。
麦茶の日持ちは作り方で若干変わる
麦茶の場合、大別すると「麦を煮出す」か「水出しできるパックを使う」方法に別れます。水出しは手軽に作れますが、煮出しが必要な煎り麦で作った麦茶の香ばしさは格別です。
・煮沸する分煮出しの方が安全
・水道水の塩素がある分水出しの方が日持ちする
このように麦茶の日持ちについては諸説ありますが、過去に実験されたデータのアーカイブが以下のリンクとなります。
・煮沸する分煮出しの方が安全
・水道水の塩素がある分水出しの方が日持ちする
このように麦茶の日持ちについては諸説ありますが、過去に実験されたデータのアーカイブが以下のリンクとなります。
こちらの実験では、以下の3タイプで日持ちを検査しています。
【A】煮出した麦茶を急冷した物
【B】煮出した麦茶を常温で放置した後冷蔵した物
【C】水出し用麦茶を細菌のいないペットボトルのミネラルウォーターで作った物
結果は以下の通りです。
【A】は実験期間中、ほぼ細菌の繁殖なし
【B】は3日目から細菌が急増
【C】は4日めから細菌が急増
「煮出した麦茶を急冷した物」が煮沸による殺菌→急冷によって細菌が混入して増える間がなかった、という結果のようです。
【A】煮出した麦茶を急冷した物
【B】煮出した麦茶を常温で放置した後冷蔵した物
【C】水出し用麦茶を細菌のいないペットボトルのミネラルウォーターで作った物
結果は以下の通りです。
【A】は実験期間中、ほぼ細菌の繁殖なし
【B】は3日目から細菌が急増
【C】は4日めから細菌が急増
「煮出した麦茶を急冷した物」が煮沸による殺菌→急冷によって細菌が混入して増える間がなかった、という結果のようです。
麦茶は「しっかり冷やす」がポイント
いずれの方法でも数日中に飲むなら問題ないという結果といえますが、自宅で塩素を除去して作ったお水を使う場合は雑菌の混入が起きやすいので煮出しにするか、早めに飲みきれる量だけを作るのが安全といえそうです。
「熱を加えて冷やす」「水出し・氷出し」で変わるお茶の味わい
穀類のお茶は煮出しが前提
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特に夏場などの水分補給では、ノンカフェインの麦茶が使われる事が多いですね。カフェインが少ないお茶の例として他には、そば茶・黒豆茶・コーン茶・ハブ茶などがありますが、いずれも穀類であるため煮出しで作る方法が効率よくお茶の成分を抽出できます。
色々な入れ方ができる「お茶の葉」
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これに対していわゆる「お茶っぱ」と言われるチャノキの葉から作られる飲み物は、製法にもよりますがほどよいカフェインや苦味がリフレッシュメントとして呑む事での気分転換の効果も得られます。
いわゆる「お茶」は、熱湯を使えばすぐに飲めるのでお湯で入れる事が多いのですが、もちろん水を使っても成分の抽出は可能です。
お湯出しはキレのある味わいになる
日本茶を例に取ると、熱いお湯で入れる事でカテキン(ポリフェノール)が多く抽出されます。そのため苦味がはっきりと際立ったスッキリした味わいになります。
低温ではやわらかなうまみがある味わいに
これに対して低温での抽出では、カテキンの浸出が控えめになり、うまみ成分のテアニンが多く出るためまろやかになります。お湯で入れる場合でもうまみ成分が多い「玉露」などは、普通の煎茶より低温で入れるのはこのためです。
水出しよりさらに時間はかかりますが、氷の上に茶葉を入れて溶かしながら浸出させる「氷出し」はよりまろやかになります。
紅茶も渋みを少なめにしたい場合はゆっくりと浸出させる
紅茶のアイスティーの場合、熱湯で倍の濃さに入れた物を氷で急冷して薄める方法が一般的ですが、この方法は苦味がしっかりと出るためストレートで飲むのは渋いと感じる事もあります。
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沸かしたお湯にティーバッグを入れて、しばらく放置した後に冷やして飲むと渋みが少なめになります。急冷するときほど濃く入れず、冷やした後氷で薄まる分を想定して“少し濃いめ”程度に抑えるのがポイント。また、ティーバッグを揺すると渋みが出やすいので、そっと入れてそっと出しましょう。
水出しアイスティーを安全に楽しむためのポイント
いずれの茶葉でも水出しで作ると手軽でまろやかに仕上がりやすいのですが、安全に飲むためには使う茶葉によって注意が必要な事があります。
紅茶は「水出し可能」と明記されている物のみ使う
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実は、紅茶に関しては水出しで作るときに注意が必要です。紅茶を輸入する際の国の基準が「熱湯で作る」事を前提としているため、商品によっては水出しで作る事を想定したレベルの安全チェックがなされていない可能性があります。
紅茶は製造工程に「加熱」がない
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日本茶も紅茶も原料はチャノキの葉ですが、酵素による茶葉の発酵を止めるために「深蒸し」や「釜炒り」といった茶葉への加熱が行われる日本茶に対して、紅茶は完全発酵の後は乾燥されるのみです。乾燥の段階で紅茶にもある程度熱は入りますが、殺菌を目的とした加熱ではありません。
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大手メーカーの商品などは、安全のための検査がしっかりしているので過剰に心配する必要はないと思いますが、気になる場合は熱湯で入れてから冷ます方法をおすすめします。
完全な水出しが気になる場合は、最初に少量の熱湯で蒸らした後に水を加えるスタイルをおすすめします。多量にアイスティーが必要なときも短時間で作れるのでおすすめです。
「中国茶」は発酵の度合いでチェック
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中国茶の場合、日本の緑茶に近い物から烏龍茶のような半発酵茶は製造過程で加熱されています。しかし紅茶と同じく発酵茶もあり、特に色の濃い物は水出しに向かない場合がありますので、販売元が水出し可能としているかどうか確認してみましょう。
水出し・氷出しのアイスティーは24時間以内に飲みきって
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「宵越しのお茶は飲むな」ということわざがありますが、お茶は酸化しやすく味の劣化と変質のスピードが早めです。特に水出しは傷みやすいと考えて、24時間以内に飲みきれる量にしておくのが安全です。
安全な保存のために容器の消毒も必ず行う
アイスティーは保存する容器の殺菌も重要です。洗剤とスポンジなどで丁寧に洗っているつもりでも、特に穀類のお茶はぬめりが出やすく、お茶の持ちが悪いと思ったら容器の内側に雑菌が繁殖していた…というケースもあります。定期的に漂白剤での浸け置き洗いをするなど清潔を保ちましょう。
安全に注意しておいしく水分補給を
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お茶をうっかり傷ませてしまうと、せっかくの水分補給が台無しになってしまいます。好みの味わいで飲みきれる量を作り、アイスティーをおいしく安全に飲みましょう。
※素敵な画像のご提供、ありがとうございました