季節毎に変わる“旬の果物”。“旬の果物”は、味も香りも抜群。
新鮮な“旬の果物”を煮詰めた「ジャム」は、格別の味です。
現代では「ジャム」も多様化し、スーパーやデパートでは種類豊富に販売されていますが、本来「ジャム」は、収穫時期に食べ切れない果実を保存するために作られてきたものです。
【季節の果物をギュッと濃縮させたジャムは格別の味。】
「ジャム」は、トーストやパンケーキ、ヨーグルトやアイスクリームに塗ったり、かけたりするだけでなく、お菓子作りや料理の隠し味としても使え、用途の広い食品です。
傷みが早い果物は、美味しい内に煮込んで「ジャム」に仕立てましょう。
「ジャム」作りは実に簡単です。ぜひ基本の作り方を学んで、今夏はジャム作りにチャレンジしてみましょう。
ジャム作りの前に…
“ジャム”とは、酸とペクチンの力によってゼリー化したもの
“ジャム”と“コンフィチュール”は、同じ。
「ジャム」と「コンフィチュール」。
店に並んだ瓶を眺めて、その違いについて悩む方はきっと少なくないはずです。
ジャムとコンフィチュールの違いは、言語の違い。「ジャム/jam」は英語、「コンフィチュール/confiture」はフランス語です。両者は共に、果物に砂糖や蜂蜜といった糖類を加え、加熱濃縮したもののことを言い表しています。つまり、「コンフィチュール」は、仏語で表した「ジャム」のことです。
でも微妙に異なる “、ジャム”と“コンフィチュール”。
先に結論をいえば、ゼリー状に凝固した状態のものが「ジャム」であり、保存を目的に作られたものが「コンフィチュール」です。英語の「jam」と仏語の「confiture」の言葉の成り立ちから、両者の違いを詳しく調べてみました。
【ジャムとコンフィチュールの微妙な違いとはいったい何なのでしょうか?】
一方で、フランス語の「コンフィチュール」は、砂糖や酢、油などに漬けた「コンフィット」に関連した言葉で、食材を保存するための知恵が前提となっています。コンフィチュールは形状ではなく保存目的から生まれた言葉なのです。
日本において販売されている大半の“コンフィチュール”、は、従来のパンに塗る“ジャム”とは、一線を画す傾向にあります。用いる素材や、素材の組み合わせ、また香辛料を用いる等、新たなる味を創造したものを“コンフィチュール”として扱っているようです。
いずれにしても、この二つを分かつ規定や基準はありませんので、今記事では、コンフィチュールもジャムも、果物に糖類を加えて加熱濃縮したものとして扱います。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
ジャム作りの基本 ―材料と道具について―
せっかく“保存食”としてのジャムを作るのですから、ジャムを仕込む際はたっぷりと。美味しい旬の果物は、季節が終われば来年まで出会えません。瓶詰めしておけば、長く果物味を楽しめるだけでなく、ちょっとしたプレゼントやお土産にもなります。
ジャムの基本材料
■道具:鍋は、「酸」で腐食しない琺瑯(ホウロウ)か耐熱ガラス製のもの(ステンレスでも構いませんが、煮詰まりやすいので、出来ればホウロウかガラス製がオススメです。)。かき混ぜるのは、木杓子で。
砂糖の分量と保存期間の関係
でも、ここで注意しなければならないのは、“砂糖の分量(果実に対する砂糖の割合)”です。
なぜなら、糖度が高い方がより長く保存できるからです。
先述したように、ジャムは本来、長期保存を目的とする生活の知恵から生まれたものです。健康や美容上の問題から甘さを控えても構いませんが、保存できる期間が変わってくることには注意が必要です。
一般的な糖度の割合と保存期間は以下の通りです。
・糖度50%(果物と砂糖の割合=2:1)の場合は2週間。
・糖度34%(果物と砂糖の割合=3:1)の場合は7~10日。
お店のように瓶詰めや脱気処理が出来ない場合は小分けにして冷凍保存しましょう。また、その場合の保存期間は3~6ヶ月で、糖度が高いほど保存期間が長くなります。
ジャムのとろみは、ペクチンと酸が必要
ペクチンは、果実や野菜に元々含まれている成分で、糖類と酸を加えて加熱するとゲル化する性質があります。果実によってペクチンの含有量は異なるため、果実の種類や分量によっては“ペクチン”を別に加える必要がありますが、家庭で作る場合は特に必要ではありません。ペクチンは果物の皮に多く含まれていますので、粘度を付けたいのなら、ジャムを煮る時に、皮だけをガーゼや紙製の出し袋等に入れて果実と一緒に煮込みます。
酸は、ゲル化するために必要なものですが、同時に風味を良くするためものです。手作りするのなら、入手しやすいレモン汁がオススメです。
旬の果物でジャム作り ―桃ジャムで学ぶ基本の作り方―
何一つ難しいことはありません。果実に砂糖とレモン汁(又はクエン酸等)を加え、鍋に入れたら好みの濃度になるまで煮詰めるだけです。
甘さが濃厚な完熟桃で作るジャムは絶品です。
◇◇材料◇◇
◆◆材料の準備◆◆
【材料】
桃 2個(約400g)
砂糖 200g(桃の50%の量)
レモン汁 大さじ2
桃は軍手をして、産毛を取るように洗いましょう。
桃は、割れ目に沿って、クルッと一周包丁で切れ目を入れると、簡単に二つに割ることが出来ます。切れ目を入れたら、アボガドと同じ要領で、桃を両手で包むように持って、ひねります。
◆◆桃ジャム作り◆◆
ジャムを煮詰める間に、同時並行で保存瓶を煮沸消毒しておきます。
1.大きな鍋に瓶と蓋(取り出し用のトング)を入れ、中身がすっかり浸る位水を入れ、強火にかけます。
2.沸騰したら、10分程度煮沸消毒します。
3.瓶と蓋をトング等を用いて取り出し、清潔な布などに広げ、完全に水分を飛ばします。
◆◆瓶詰め+煮沸消毒◆◆
火を止めたら、直ちに煮沸消毒した保存瓶に詰めます。
※火傷しないために、瓶詰めする際は、作業用の手袋+ゴム手袋を着用しましょう。出来立てのジャムは高温です。
瓶詰めしたら、熱い内に瓶をひっくり返しておきます。蓋から空気とともに雑菌が侵入するのを防ぎます。
桃ジャムレシピ
かんたん桃ジャムレシピ
レンジですももジャム♪
夏から秋に旬を迎える季節の果物を使って
メロンのジャム
最も簡単で手抜き!だけど美味しい!「マスカットジャム」
ぶどうジャム
おわりに
「ジャム」作りはとても楽しいものです。
煮詰めている間、キッチンには果実の甘い香りが漂います。果実の香りに包まれれば、季節と向き合える自分自身に、ささやかな幸せを感じ、心穏やかな一時が過ごせます。
“旬の果物”は、季節が変われば、来年までお預けです。ぜひ、旬の美味しい果物でたっぷりと「ジャム」を仕込んで下さい。
【旬の果物は香り豊かで味も最高。桃の旬は、晩春から初秋まで。夏が最盛期。】