インタビュー
vol.89 大久保ハウス木工舎・大久保公太郎さん
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vol.89 大久保ハウス木工舎・大久保公太郎さん
- 使い手の声を聞いて。変化を続ける木の道具たち

写真:川原崎宣喜

木工作家・大久保公太郎さんが作る調理道具「木ベラ」は、今まで見たことがない形をしています。すぐに手にとってフライパンの中で動かしてみたくなる衝動、そしてわくわく感。使う前からこんなにも楽しませてくれる独創的な形は、どうやって生まれているのでしょうか。実は、まだまだ木ベラは変化の途中。ここにこそ、人々を魅了する理由がありました。

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2018年09月07日作成
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長野県・松本駅から車を20分ほど走らせ、たどり着いたのは見晴らしのいい山の中腹。
視界いっぱいに広がるのは、雄大な北アルプスの山々。眼下に見える松本の街は、雲の合間からふり注ぐ太陽の光に包まれ、きらめいています。

大自然に囲まれたこの地に工房を構えるのは、木工作家の大久保公太郎さん。

心地よくかけ抜けていく風に、ほのかにまじるのは木の香り。
工房からは、シャッシャッシャッと勢いよく木を削る音が聞こえてきました。
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低くて重い音、風をきるような高い音、ときに木が裂けるような音。
それは、同じ木を削っているはずなのに、いくつもの素材を削っているかのように個性豊か。

大久保さんは、ときおり木を顔に近づけ、削り具合を確かめるように目をやりますが、それも一瞬。木の状態が手や目からわかりきっているかのように勢いよく削りはじめると、木屑が舞い落ち、やさしい木の香りが漂います。
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大久保さんが削っているのは、調理道具の「木ベラ」。これまで"ヘラ"と聞いて想像する形とは、一線を画した風貌をしています。

今まで見たことのないラインを描きながら反れていく曲線。かと思えば、鋭く切り取られている先端。
伸びやかな木目は、木は生きている、そんな当たり前のことを伝えてくれる清々しい表情をしています。

――使う前から、こんなにもわくわくと心を躍らせてくれる道具があるでしょうか。

なんとも表現しにくい独創的な形は、どんな人の手にもフィットして自由に動きまわり、料理を何倍も楽しくしてくれます。

料理のプロからも愛され、一度使ったら手放せなくなるという木ベラは、実はまだまだ変化の途中。この道のりにこそ、人々を魅了する理由があります。

使い手の声に耳を傾けて

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最初は調理道具を作ろうとは思っていなかったという大久保さん。ある日、奥様である修子さんから頼まれ、何気なく木ベラを作りはじめたのがきっかけでした。

見よう見真似で木ベラを作ってみたところ、「ヘラっぽいもの」はできあがっても、自分で使ってみて感じたのはぬぐえない物足りなさ。どうしたらもっと使いやすくなるのか――答えを求めるほどに木ベラ作りにのめり込んでいきました。
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探究心をつき動かすのは「使い手」の声
「作り続けているうちに数年経ってしまいました」
気が遠くなるような言葉を淡々と語る大久保さんですが、どれほどの努力を重ねてきたのかは想像に難しくないこと。その探究心をつき動かしたのは、「使い手」の存在です。

「木ベラをたくさんの人に使ってもらったら、本当にいろいろな使い方があったんですよ」こういうと大久保さんは、次から次へと木ベラの持ち方を変えていきます。その中には、今まで見たことがないような持ち方も。
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「握手するようだったり、指を添えたり、鉛筆を持つように持ったり。筆を握るような持ち方の人もいれば、お菓子とかあんこを濾す人はぐっと拳を握るように持ったり。そんなものを見せてもらううちに、ここはこういう形にしたほうがいいだろうなって。そして、それを叶える道具をまた作る。それを繰り返しながら今の形になっているんです」

使い手の声に耳をかたむけ、削りを加えていく。ひとつひとつは小さな変化でも、積み重なることで独創的な「木ベラ」が生まれたのです。「できるだけ使う人の声をすべて盛り込み、360度一周して成立している姿にするのが僕の仕事」と語る大久保さんの表情は、高い壁を越えることを楽しんでいるように見えます。
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そして、目をひくのが、絶妙な角度で切り取られた木ベラの先端。

「木ベラの先端も使う人がけっこう多かったんですよ。もともと木目は木の年輪にそって削り、コシが強く、折れないように削っているんですけど、先端はどうしても木の構造上、弱点になりやすく、折れやすいところなんです。だから小さく面をとっていたんですけど、ひき肉をくずしたりとか、食材をちょっと切ったりするときに使うという人がいたんです。それ以来、面を大きくとり、少し厚みをつけるように削って仕上げています」
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最初はもっと立体感があったという持ち手は、スープをかきまぜる際にぎゅっと拳をつくって握れるように薄くフラットに。三角形にして峰を作ったのは、筆持ちする人が指の腹のすわりがいいように。

木ベラのどこをとっても、使い手を思った大久保さんの趣向が込められています。そんな木ベラを見ていると、さまざまな使い手の顔が浮かび、台所で料理に精を出す姿が見えてくるかのようです。
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見えてきたのは「正解がない」ということ
「今見ている景色しかわからないんです。その範囲で描ける理想があって、できなかったことができるようになると他のできないことに気がついてしまうんですよ。最終的な形は、たぶん想像しても変わってしまう。だから、今出会えた人の声や、自分が知る限りの姿を形にできるように、自分が追いつくように日々やっています」

思い描いている理想の形があるのかを尋ねると大久保さんはこう答えてくれました。
すべての人にとって良い道具とは――ひとつのものに夢中で向き合ううちに「人が持つ道具に正解はないのかもしれない」と思うようになったという大久保さん。ようやく見えてきたのは、正解ではなく、正解がないということ。だからこそ、目の前には進むべき道が作られていきます。

はじまりは道具づくりから

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大久保さんにとって、ものづくりの要となる道具「鉋(かんな)」。
鉋が木材の上を滑るように動くと、薄い木の屑がひらひらと舞いながら伸びていく。そんな光景を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

鉋は、もともとは、木を平にするための大工道具。土台となる木板に刃がささっているだけのつくりで、土台が平だと木は平に、曲線であれば木は曲線に削れていきます。シンプルな構造がゆえに、求められるのは、研ぎ澄まされた感覚がものをいう熟練した技術です。
木を削った分だけ、鉋の刃は削りにくくなります。木を削ることと同じように、刃を砥ぐことも大切な工程です

木を削った分だけ、鉋の刃は削りにくくなります。木を削ることと同じように、刃を砥ぐことも大切な工程です

「これは先月に作ったんですけど、もうこんなに手垢まみれで黒くなってしまいました」

大久保さんが手に取った鉋は、今までの経験から考えつく限りのことをつめこんで形にしたもの。鍛冶屋の職人に何度も相談しながら刃を改良し、土台を削り出し、持久力と仕上がりの良さを両立させようと奮闘した力作です。

「道具って1回作ったら終わりじゃなくて、僕の場合は使いながら調整していくんです。調子をあげるっていい方をするんですけど。作り続けることは、道具の調子を上げていく作業でもあるんです」と大久保さん。1年経つころには、鉋は姿を変えて別物に変化を遂げていくといいます。
工房に並ぶ歴代の鉋たち。どれひとつとして同じ形がなく、大久保さんの試行錯誤が見えてきます

工房に並ぶ歴代の鉋たち。どれひとつとして同じ形がなく、大久保さんの試行錯誤が見えてきます

次の道具でもっと良いものを
作業場には、以前使われていた鉋がずらり。これまでに作った鉋の数は100を超えます。よく見ると、土台の厚み、刃の角度など、それぞれ異なる表情。そのときどきの傑作ともいえる鉋たちは、大久保さんのものづくりの履歴書のようなものです。

使い手の声を聞くことで、大久保さんが描く理想の木ベラは変わっていきます。その度に、それを叶えるための道具を作る。そして、次の道具でもっと良いものを――鉋を進化させていくことは、大久保さんのものづくりの原点でもあるのです。
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「鍛冶屋が絶滅せずに生き残ってくれていたから僕は鉋を使えるんですよ。うっかりすると消えそうでしたから。同世代の鍛冶屋はとても少ないんです。兵庫の三木市と新潟の与板町という産地があるんですけど、長野県はもう途絶えていないんですよ。僕は兵庫と新潟の人にお世話になって刃を作ってもらって、それで削ることができるんです」

鍛冶屋の職人への感謝の奥にあるのは、作り手としての責任感。それを表すひとつが、大久保さんが独自に行う「濡らし削り」という手法です。

作り手としてつなげていく「ものづくりのバトン」

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作業場の一角に置いてあったのは、木ベラの型が水に浸けられた桶。「濡らし削り」という手法の由来を「自分で名前をつけたんです(笑)」と少し照れくさそうに大久保さんが笑います。

最初は乾いた木を削っていたといいますが、硬い木を削ると毎日へとへとに。どっとおそってくる疲労感とともに湧いたのは、「このままでは続けていくことができない」という危機感でした。そこで、木型にめいっぱい水を含ませてみると、木がやわらかくなり各段に削りやすくなったのです。

大久保さんが木工の歴史を調べていくと、江戸時代には、立木を切ったすぐ後にある程度の形まで削り出していたことがわかりました。それは、立木が水分でうるおい、果物のようにみずみずしくやわらかな状態だから。昔の職人たちは、自然の摂理に沿いながら知恵を生かし、木工の歴史をつないできたのです。
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ずっと作り続けていくという覚悟
「人間が使うものを、人間が作ると考えたときに、人が継続して作れないものは続かないんです」と大久保さんは力強く語ります。濡らし削りの根っこにあるのは、「ずっと作り続けていく」という揺るがない気持ち。

「鍛冶屋がいて、削る人がいて、使う人がいて。リレーのようなイメージですね。ものづくりって、どんな素材でも近いものがいえるんじゃないかと思って。ぼくは素材が木なので、木を切ってくれる人がいないと材料が手に入らないですし。たどれば森からになってしまうんですけど、ぐるぐるまわっている感じがするんですよ。そんなイメージで、自分の役目としては木を削って、使えるものにしていくことが仕事だと考えています」

鉋を使って木を削り、より良いものを「使い手」へ届ける――それは、鍛冶屋の技術を次の世代へ残していくことでもあります。大久保さんは、作り手としてものづくりのバトンをつなげようとしているのです。

不親切な素材。だからこそ魅力的な「木」

鉋で削られるのを待つ木ベラの型。側面からでも、木の個性がひとつひとつ違うことがわかります

鉋で削られるのを待つ木ベラの型。側面からでも、木の個性がひとつひとつ違うことがわかります

「木は、硬さも重さもひとつひとつ全然違う。樹種が違うと別ものですよ」
大久保さんが渡してくれた桜と栗の木で作られた木ベラをそれぞれ触ってみると、その手ざわりはまったく異なる感触。人の手は優秀だという大久保さんの言葉に、素材として木を選んだ理由が見えてきます。

「なんで木なんだろうって考えることがあって、たぶん硬すぎず、やわらか過ぎないんですよね、ひと肌にとって。人間の手ってけっこう繊細でほんのわずかな違いも普通の人でもわかるんですよ。十分感じられる。相手が人間だって考えたときに、木という素材は非常に塩梅がいいんです」
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お話を聞く中で驚いたのは、木の年輪は、日本に生えている温帯地域特有の形だということ。木は、冬から春にかけて芽吹きと一緒に大きく育ち、夏から秋は冬に備えてゆっくり育つ。その時に年輪の線が生まれるのだと大久保さんは教えてくれました。

「四季に応じて木ができている。それを使うのは、寸法をミリ単位で決めてその通りにやってもうまくいかないことが多いんです。全然目の細かさも違うので、一個一個の個体に合わせて限界ラインというか、ベストなラインが違うなというのは毎日触っていて感じますね。それを手で削ると比較的想像しやすくなる。こうかなって思うところがあるので、その中で最小限で薄くしても折れないように仕上げていくんです」

口には出しませんが、木への愛情はあふれでてくる木の知識からも確かに伝わってきます。「木はやっかいですよ」そういう大久保さんの眼差しはやさしく、こんな言葉も"手のかかる子どもほどかわいい"と言っているかのようです。
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情熱は使い手のもとへ。描きはじめる「ものづくりの輪」

胡桃で作られたお玉匙。具材をちょうどいい加減ですくえる丸みと大きさ

胡桃で作られたお玉匙。具材をちょうどいい加減ですくえる丸みと大きさ

桜、楓、ウォルナットで作られたジャムスプーン。ゆるやかに広がる扇型は、いろいろな調味料をとるのにも活躍

桜、楓、ウォルナットで作られたジャムスプーン。ゆるやかに広がる扇型は、いろいろな調味料をとるのにも活躍

作り手としての覚悟を胸に刻みながら、情熱をかけて作られる大久保さんの調理道具たち。
木ベラをはじめ、杓文字(しゃもじ)、お玉匙(おたまさじ)など、使い手の声とともに変容をとげた独創的な形は、大久保さんが改良を重ねた証です。

使いやすさを追求した細やかな"つくり"にふれる度、生まれるのは感動にも似た温かな気持ち。それは、使い手にしっかりとバトンが渡ったということ。大久保さんの情熱によって、ものづくりの輪は確かに生まれています。
杓文字は、指がお米につかないように柄は長く。扇型は、力をいれずによそえる分だけご飯がのるように。自然と何回かに分けてよそうことで、ふんわりとお茶碗にご飯がもれます

杓文字は、指がお米につかないように柄は長く。扇型は、力をいれずによそえる分だけご飯がのるように。自然と何回かに分けてよそうことで、ふんわりとお茶碗にご飯がもれます

使ってもらってこそ、作り続けられる
大久保さんは、「作り続けることを許されたというのが大きいですね」とかみしめるようにこう続けます。

「いろいろな人に使ってもらえるようになって、いろいろなお店で紹介してもらえるからこそ、こうやってたくさん作り続けることができる。作り続けられるということは、僕らが暮らし続けることでもあるので、その両輪をしっかりと回しながら作る。それができている今はすごくありがたいなと思いますね」

「なぜ調理道具なのかという質問に近いなと思うんですけど、今作りはじめて、使ってもらう人がいて、ヘラだったり、匙だったり、杓文字だったり、そうやって作ってみるといろいろなわからないことがでてきて、それに取り組むことを許されている。そして、それに取り組み続ける、そうしていく最中というか」

「だからあまり自分で自発的な感じがしないんです」
どこか不思議な導きを感じているかのように、そして感謝をにじませてふっと口を出たこの言葉に、大久保さんのものづくりの原動力が見えるようでした。

あつらえて生まれるのが道具

太陽のように広がる鎬(しのぎ)模様が美しいパン皿。鎬から湯気が逃げることで、トーストはいつまでもサクサク

太陽のように広がる鎬(しのぎ)模様が美しいパン皿。鎬から湯気が逃げることで、トーストはいつまでもサクサク

工房の隣には、奥様の修子さんが開く生活道具の店「Gallery sen」があります。
修子さんの意見は、いつも直球。そして、一番最初の使い手であり、一番の使い手だと大久保さん。それは、木と真正面から向き合い、日々削り続ける大久保さんの姿を見守ってきた修子さんだからこそ。築150年ほどになる建物を改装したギャラリーは、大久保さんの調理道具だけでなく、お店を開く前から修子さんご自身が使っていたという生活の道具が並び、おだやかでやさしい空気で満ちています。

そこは、松本駅から車で20分ほど。決して近いとは言えない場所にありますが、全国からお客さんが訪れます。
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お店に訪れるお客さんのほかにも、取り扱っているお店のご主人からお客さんの感想を聞いたり、オンラインショップのサイトでレビューをもらったり、直接的なつながりがすごく力になっている、と大久保さんは語ります。

興味があったら、欲しいものが見つかる時代。それを、ものを探す人にとって幸せなことだと考える大久保さんが抱く思いがあります。

「だから追及するというか。ヘラひとつとっても、探したときに、探した先の形になっていたらいいなと。一個進めることは、それだけで、ものを作る役目としては十分なんじゃないかなって最近は考えています」
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- 使い手の声を聞いて。変化を続ける木の道具たち
「やっぱり人が先でものがあとなんですよ。あつらえって自分の中では考えていますけど、ものが突然あってその姿を主張するのではなくて、人がいて、必要があって道具が生まれるんです」

「頼まれてあつらえられて生まれる。その中で、具合が良かったもの、評判が良かったもの、私もほしいって思ったものが形として残る。そうなるとその形を作り続ける人が現れるようになって、数珠つなぎのようにつながっていくんです」

ご自分の中で確信するように話してくれた大久保さん。昨年、製作に没頭したという「匙」も友達から頼まれたのがはじまりです。
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カレー用からはじまった匙づくりは、スープ用、茶碗蒸し用…こんなのがほしいというリクエストに応えて、これまでにさまざまなサイズと形が生まれました。人と出会う度に用途が広がっていきます。

匙も知れば知るほど奥深く、「まだまだかかりそうです」と大久保さん。その表情は晴れやかです。

明日も、日がのぼりきる前から聞こえてくる木を削る音。大久保さんの尽きることのない情熱は、ものづくりのバトンをつなげていきます。


(取材・文/井口惠美子)
大久保ハウス木工舎|おおくぼはうすもっこうしゃ大久保ハウス木工舎|おおくぼはうすもっこうしゃ

大久保ハウス木工舎|おおくぼはうすもっこうしゃ

木工作家・大久保公太郎さんが作るのは、木ベラのほか、杓文字やサーバーなどの調理道具やお皿といった食にまつわるもの。ひとつひとつ丹精込めて作られる調理道具は、使い手の声に耳を傾けているからこそ独創的な形。木を削る鉋から手作りし、どこまでも使いやすさを追求する情熱は人々を魅了し続けています。
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