出典:
北斎や日本のあかり博物館を観てから、栗の小径をそぞろ歩き。
ほっこり蒸しあがった栗、つやつやとやわらかなおこわは、素朴で優しい味。竹風堂の『栗おこわ』。(筆者撮影)
出典:
その“大きさ”とマロンクリームの濃厚さにウットリ♪
小布施堂の「えんとつカフェ」にて。『モンブラン朱雀』。
出典:
長野県北東部に位置する小布施町。1980年代以降、幕府への献上栗に由来する栗菓子とまちに多くの作品をのこした天才絵師・葛飾北斎という江戸年間の歴史・文化資産を柱に町おこしを進めてきました。そのかいあって、人口1万人に満たない小さなまちは、現在、年間100万人あまりが訪れる人気観光地の一つに。県を代表するブランドのアンテナショップをはじめ、“信州蕎麦”の範囲を超えた、腕に自信のあるお蕎麦屋さんも集まってきました。今回は5店をピックアップ。お店ごとの自慢のメニューも併せてご紹介します。
1.安曇野産わさびや小布施野菜のお漬物と。『十割そば』
出典:
お店は、まちの中心地から少し歩いた住宅地に。店主は飯田市出身。デザイン会社を退職し、長野市内の有名蕎麦店で修業を積んだ後、1999年に開業しました。
出典:
カウンター席と小上がりがあります。
「お客様の好みで選んでいただけるように香りの良い田舎風十割蕎麦とあっさりしなやかな二八蕎麦をご用意しています。その二種類それぞれにそば粉の挽き方もかえています」(by店主)。
出典:
そばを7〜8本手繰ります。
お〜この時期ですが香りがふわ〜っと抜けます。
そして甘さが広がる美味しいおそば。
しこしこっとしっかりした腰。
少しザラつきのある喉越し。
十割そばの醍醐味が伝わります。
出典:
出典:
出汁は当日に鰹節を削り、わさびは安曇野産本わさびを使用。
出典:
ナゾめいた色合いですが、小布施特産の肉厚な丸茄子がおいしい「からし茄子」。(筆者も大好き)
出典:
そば湯は、そばを茹でたお湯ではなく、“そば粉をお湯に溶いた”濃厚なもの。よくかき混ぜて頂きましょう。
出典:
「おぶせオープンガーデン」に加盟。お庭も自慢です。
出典:
お昼を目指すなら、11時ごろの到着がベターだそう。早めに着いたら、お庭を眺めながらベンチで待つことができます。
小布施 / そば
- 住所
- 上高井郡小布施町大字小布施731-3
- 営業時間
- 11:30~19:00
(売切れの際は終了)
- 定休日
- 定休日水曜日(但し祝祭日は営業)
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
データ提供:
2.栗菓子の老舗で〈栗おこわ〉〈栗菓子〉+〈お蕎麦)を
桜井甘精堂 泉石亭 (さくらいかんせいどう せんせきてい) 本店
出典:
200年の歴史をもつ栗菓子店「桜井甘精堂」の本店・食事どころとして1988年にオープン。2013年にリニューアルオープンしました。ショップと食事どころを備え、栗おこわや栗を用いた和菓子が揃うのはもちろんのこと、食事どころには店先で手打ちされたお蕎麦が付く御膳料理のメニューも。
出典:
『甘精堂御膳』は、名物の栗おこわをはじめ、地の野菜をふんだんに使った味噌汁・漬物・天ぷら(海老天or野菜天からチョイス)・豚の角煮(季節の野菜の煮物への変更OK)などボリュームたっぷり。栗おこわをおみやげに包んでもらい、持ち帰る方が少なくありません。
お蕎麦のみのセット、かけ・とろろ・きのこの『三味そば』もメニューに。
出典:
デザートには、栗蜜をまわしかけて頂く『栗あんみつ』をお忘れなく♪
出典:
出典:
こちらも「おぶせオープンガーデン」に加盟。手入れの行き届いたお庭を眺めながらお食事できます。
小布施 / 郷土料理
- 住所
- 上高井郡小布施町大字小布施779
- 営業時間
- 10:30~17:00(L.O.)
- 定休日
- 火曜日
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999 /¥1,000~¥1,999
データ提供:
3.〈田舎〉〈二八〉〈更科〉=3種を食べ比べ♪『三色そば』
出典:
栗菓子の老舗「竹風堂 小布施本店」の並びに。春から秋にかけては、店の前にテラス席が設置されます。
日本料理に始まり、蕎麦打ち数十年のキャリアを持つ店主が、1985年に県内・上田市でスタートさせた同名の店を、2004年、小布施町に移転・開業しました。
出典:
『田舎そば』『二八そば』『さらしなそば』。
すべて“単品”で注文することができます。つゆは甘め。
3種類の蕎麦が楽しめるので、食べ比べしながら。
その中でも田舎蕎麦が気に入りました。
田舎蕎麦は、挽きくるみと呼ばれるそばの実で作るため、本来ならざらざらとした触感が
残りますが、此処では極限まで細かく挽いて滑らかなのど越しにしあげているそうです。
他のお蕎麦に比べるとしっかりめのお蕎麦ですが、お蕎麦本来の味が濃く、美味しく
感じました。
出典:
これまでに、春:『よもぎそば』『さくらそば』、夏:『抹茶そば』『レモンそば』、秋:『青しそそば』『胡麻そば』、冬:『ゆずそば』『けしの実そば』が登場しました。
『もりそば』のボリュームに驚かれる方が多いのです。
普通の「もり」3〜4枚分は優にある。しかも美味い。10割蕎麦なのに細く、
ばっちり冷えててツルシコ。バンバン喉を通るが一向に山は小さくならず。
途中参加の辛味大根、本当に辛い、雰囲気をガラっと変えるよい薬味。
胡桃(くるみ)や辛味大根、りんごなど、地の産物が活躍。
出典:
長野県は、胡桃の生産小日本一。
『くるみそば』のメニューには、ペースト状に練られた胡桃だれが付きます。
くるみ別盛り良いですね。
くるみタレの場合結構甘くなってしまったりするので、自分で調整可能なのは
嬉しいです(*^^*) 量も、たっぷりありますし。
くるみそばは甘さもあるので、ドライなそばが苦手な女子の方にもオススメです。
出典:
『おろし蕎麦』には〈小布施辛味大根)が使われて。
お蕎麦の食べ方として、大根おろしはわさびよりも歴史があるとか。
出典:
小布施町の周辺にはりんご畑が広がっています。『りんごの天ぷら』は意外な美味しさ*
出典:
スイーツでは『揚げそば饅頭』が。サクサクの甘さをお試しあれ。
小布施 / そば
- 住所
- 上高井郡小布施町上町958
- 営業時間
- 11:00~15:00
- 定休日
- 不定休
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
データ提供:
“蕎麦好き女子”ならトライ*全国でも希少な〈発芽そば〉
出典:
長野県上田市の人気そば店「おおにし」で修業した店主が、2004年、小布施ミュージアムの裏手にオープンしました。
「信州八ヶ岳産と信濃町産の玄(げん)そばを 各々、大型石臼で挽き上げた粉に当店で挽く石臼の 粗挽き粉をブレンドし旨みを引出しています」(byお店)。
出典:
店内は座敷とテーブル席。
庭に設えたつくばいからの水の音がお店のBGM。
〈更科そば〉と〈発芽そばきり〉の競演『御前二色そば』。
出典:
『御前二色そば』は、更科そば(水捏ね十割更科)と発芽そばきりの二種。
※水捏ね十割更科:最も難しいと言われる“水だけで練った”十割そば。
※発芽そばきり:「殻を剥いたそばの実を一晩水に漬け、店主が毎日発芽させ、麺に仕上げてます。発芽期に発生する糖化酵素の効果で麺が甘みを増し、食感も餅の様になります」(by店主)。
そば汁は甘めで、信州そばとしては比較的薄味。
上品な甘さがあり、香りが豊かで美味しいです。
出典:
そばの実の芯を使った白く透明感のある『更科そば』(水捏ね十割更科)。
更科そばは、水捏ね十割更科そばです。
十割の更科そばはとても繋がりにくいのでかなりの高い技術が必要となり、
提供出来るお店はごく僅か。
出典:
県内・上田市の別所温泉水にひと晩漬け、発芽させたそばの実を乾燥させて石臼挽きし、温泉水で捏ねて手打ちするという『発芽そばきり』。“蕎麦好き女子”ならぜひトライしてみて!
香りがとても高く、コシが強く、甘め。
ややぬめっとした、独特な食感があります。
出典:
サクランボの一種・チェリーキッスが練り込まれました♪
チェリーキッスのお蕎麦は口に含むとまず、ほんのり甘酸っぱい味わいが広がり、
それはとてもいい感じ。
初めて味わう、ちょっと初恋の切なさのような、可憐な蕎麦の味です。
出典:
“冷めてもさっくり”を保てるようにと、天ぷら粉の1割にそば粉を混ぜているそう。
出典:
油で炒り煮する『そば団子』は、どこか懐かしい甘じょっぱさ。クッキーのような風味の『焼そばがき』もメニューに。
小布施 / そば
- 住所
- 上高井郡小布施町小布施中央627-15
- 営業時間
- 11:00~15:00
17:00~20:00
※夜は要予約
- 定休日
- 木曜
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
データ提供:
“食べログ百名店”の一つ。端正な和スイーツも見逃せない
出典:
1991年創業、2005年に群馬県高崎市から小布施町に移転・オープン。りんごや葡萄、桃の果樹園が続く「北信濃くだもの街道」沿いにあります。
「おぶせオープンガーデン」に加盟。お庭も必見です。
出典:
2019年現在、「長野県 そば(蕎麦)ランキングTOP20」中2位、同サイト「百名店」では3年連続ランクイン中。蕎麦は店から50km北東にある栄村で完全有機農法で栽培。手刈り、完熟、天日乾燥、低温乾燥、自家製粉と手間ひまかけ、手打ちするこだわりぶり。
出典:
暖炉とアップライトピアノを備えたウッディな店内。すべてテーブルかカウンター席で、小上がりはありません。
出典:
三種類の蕎麦=『生粉打ちそば』→『変わりそば』『あら挽きそば』(一例)が順を追って登場します。
あっという間の三昧蕎麦。
3つともとても印象が違っていて食べるのに夢中になってしまいました。
写真も撮れないためか、待ってる間や運ばれてきてから無駄に携帯を触ることもなく。
食べることだけに集中できたので、いつも以上に蕎麦を楽しめました。
出典:
『よもぎ蕎麦』『さつき蕎麦(抹茶の新茶)』『天神(自家製の梅酒を練り込んだ)』etc.、etc.…
画像:翡翠のような緑色が美しい『紫蘇そば』。召し上がった方は。
↓↓
主張しすぎていたシソが、脇役に転じ、更科蕎麦の甘みや旨みを引き立てる役目を果たし、
それでいて辛汁の返しによってシソ自身もふわっと薫って個性が輝く。
シソを練りこんだシソ切りが何故存在するのか、その理由が如実に分かるシソ切りだった。
出典:
温かいお蕎麦では焼き葱と鴨を載せた『鴨南(かもなん)』が。途中から辛めの薬味を加え、あらたな風味との出会いを楽しんでも。
出典:
ふわもちっとした食感がお店の個性。『蕎麦がき』も頂きたい。
そばがきは、湯から引き上げると
綺麗に水分か抜けていき、
蕎麦の味と香りがやってくる。
モチッとした食感も官能的。
出典:
苺とそば酒のシャーベットなど、独創的なメニューです。
画像:蕎麦とこしあんの生地に細かい栗が練り込まれた『むらくも』。
そば粉入り蒸しようかんなのだが、ブランデーの小瓶が一緒に供される。
そのまま食べると美味しい和菓子。
しかし、ブランデーを数滴垂らせば洋風デザートに早変わりする計算されたデザート。
出典:
その日の蕎麦がなくなると、“売り切れ御免”の看板が。
※ハイシーズンや週末は、30人待ちは珍しくありません。予約が可能ですから、確実さを求めるならまずは予約を☆
都住 / そば
- 住所
- 上高井郡小布施町中松872-9
- 営業時間
- [金~日]
11:30~14:20(L.O.)
17:30~
※夜は完全予約制
[月・火]
11:30~14:20(L.O.)
- 定休日
- 水曜・木曜
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999 /¥1,000~¥1,999
データ提供:
◆更科、二八とは?<蕎麦>にかんする用語がわかりやすく解説されています。 ご参考に。
気になるお蕎麦屋さんはありましたか?個性さまざまなお蕎麦屋さんが集まった小布施町。“お蕎麦好き女子”なら、雰囲気のよい店で店主が腕によりをかけてこしらえたお蕎麦を頂くのは至福の時間ですが、それ以上にうれしいのは、新鮮な地の野菜や果物たちが、お漬物や天ぷら、変わり蕎麦など趣向を凝らしたメニューで頂けること。小布施にお出かけの際は、栗菓子だけでなく、ぜひ、お蕎麦も召し上がってみてくださいね☆
※各お店の情報は、記事作成時のものです。季節が限定されるお料理もありますから、お出かけの際は事前に最新情報をご確認ください。
出典:
江戸情緒を感じる町並み、伝統ある栗の銘菓、そして天才絵師・葛飾北斎が愛した町として知られる「小布施」。長野で最も小さい町ながら、観光客の姿が絶えない人気の旅行先となっています。今回は、そんな「小布施」の魅力を思い切り満喫できるよう、“町内周遊バス”で巡る、観光コースを考案しました。北斎ファンなら絶対はずせない「北斎館」「岩松院」「高井鴻山記念館」、目にも美しい「モンブラン」をいただけるお店なども。ぜひ小布施の魅力を満喫する大人旅を、気軽に叶えてくださいね。
信州・長野にある小布施町は「栗」と「葛飾北斎」で有名な観光地です。この時期は名産の栗が旬を迎え、史上最高のモンブランと称される「小布施堂の朱雀」など、話題の期間限定スイーツが今年もお目見え!他にも、栗おこわの名店「竹風堂」、「桜井甘精堂」、「栗庵 風味堂」など老舗栗菓子店がたくさんあり、マロンソフトクリームや最中、栗あんみつなど栗を使った人気の和洋スイーツがたくさん誕生しています。今回は、キナリノがおすすめする小布施の栗スイーツ店を巡る“美味しい”旅のプランをご紹介。栗好きさんは必見ですよ♪
昔なつかしい牛乳瓶とかわいいパッケージに思わず胸がときめく「オブセ牛乳」。長野旅行の際には忘れずに買って帰りたい一品です。お友達や家族へのお土産としてはもちろん、自分用のお土産にも欲しくなってしまいますよ。牛乳をはじめ、オブセ牛乳を使ったクッキーやスコーン、ゴーフレットなど、可愛くて美味しい「オブセ牛乳」の魅力をご紹介します!
北斎や日本のあかり博物館を観てから、栗の小径をそぞろ歩き。